【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、先行きにつきましては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。
しかしながら、世界的な金融引締め等が続くなか、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
このような経済環境の下で当社グループは、システムソリューション事業の強化を進めつつ、グループの経営資源を有効に活用し、高品質と低コストを兼ね備えた製品を提供してまいります。当社グループはまた、顧客の抱える課題に対するソリューションを提案することで新たな顧客価値を創造することを通じて、中長期的な展望の下で安定的かつ持続的な成長を実現し、更なる企業価値向上を図ってまいります。
そして、当社グループの主力事業である電子機器事業及びスポーツ事業に、不動産事業を加えた事業形態により、グループ一丸となって以下のような諸施策に粘り強く取り組んでまいりました。
(電子機器事業)
電子機器事業におきましては、アミューズメント関連製品の主要な市場であるパチンコ・パチスロ関連市場は、2023年6月に経済産業省が公表した「特定サービス産業動態統計調査」(確報)によると、2023年4月のパチンコホール売上高は2,309億54百万円と、前年同月の2,087億45百万円に比べ110.6%と増加してはいるものの、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年4月の売上高(2,874億51百万円)との比較では80.3%となるなど、ホール企業の業績は依然として厳しい状況が続いております。
しかしながら、話題性も高く集客も見込めるとホール企業が期待するスマートパチスロが2022年11月に市場投入され、さらに、設備のスリム化やホール業務の軽減も見込めるスマートパチンコが2023年4月より全国のパチンコホールに順次導入が始まったことを受け、当社としても、このスマート遊技機や、2024年7月に発行となることが発表された新紙幣への改刷に伴う紙幣識別機などに対する需要拡大を最大限に取り込むべく、開発投資を強化しつつ市場対応の方針を策定し、生産体制を確立する取り組みを着実に進めるとともに、引き続き当社事業の基盤である既存OEM先顧客との信頼関係の維持強化を図ってまいります。
また、お客様自身のモバイル端末を通じて、“完全非接触”で注文から決済まで一貫して可能にするモバイルオーダーシステム「CHUUMO」については、当該サービスの営業戦略の一環として、大手メーカー提供のサブスクリプション型POSシステムとのクラウド連携を図るなどのサービス品質の向上等に取り組みました。そして、液晶小型券売機につきましても、コロナ禍及びこれを契機に悪化し続ける人手不足を背景とした、非接触型(コンタクトレス)機種への強いニーズを適切に捉えたタイムリーな製品として訴求すべく、飲食店以外への販売チャネルや大口顧客となる新規販売店等の法人をターゲットとした戦略的マーケティングを強化促進するとともに、「券売機プロ」をはじめとしたWebマーケティングの強化に加え、営業支援ツールを効果的に活用した戦略的営業活動を進めるなど、Operal(オペラル)シリーズの販売にグループ一丸となって取り組んでまいりました。
同時に、自律走行システム「I-GINS」につきましては、ベース機となる車両の納期遅延がいまだ解消されない中、名門ゴルフコースへの導入で築き上げてきた市場における信頼を追い風として、関東圏を中心とした戦略的な営業活動の実践、保守メンテナンス体制の確立、そして搭載部品の更新や部品点数削減等による既存製品の改良などにも、粘り強く取り組んでまいりました。
加えて、当社グループのICTリソースを集約したマミヤITソリューションズにおきましては、ICTソリューション(システム及び製品)の「調査(市場・特許・技術)」「企画立案」「提案」「インフラ構築」「システム保守」の全てを受託することができる体制の構築を図りつつ、既存顧客との信頼関係の維持強化によるシステム開発案件の安定的な受注に加え、ローコード開発及びAI言語の開発体制の強化充実並びに企画提案・設計開発・保守を、一気通貫で請け負うワンストップサービス体制の確立によるスピーディーで柔軟かつ高品質な開発体制、社員教育の一環としてeラーニングを導入し、全社員の継続的なスキルアップを図るとともに、優秀なITスキルを持つ外国人人材の採用を進める、等により差別化を図り、ソフトウェア開発ベンダとしての競争優位を確立するための取り組みを進めてまいりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業におきましては、アフターコロナにおける消費者の消費行動の多様化により、ゴルフ関連製品への消費が落ち着きを見せつつある中ではあるものの、業務提携やOEMの戦略的な展開によってバリューチェーン全体の効率化により各工程での付加価値を高めることで、持続的成長を可能とする収益構造の構築にも粘り強く取り組んでまいりました。
国内及び海外におけるカーボンシャフト事業におきましては、シャフト先端部に4軸カーボンシートと高弾性・高強度素材をダブルで採用し、先端部の挙動を抑えつつ心地よい打感を実現したドライバー・フェアウェイウッド用シャフト「The ATTAS V2」、アイアン市場におけるスペック多様化に対応すべく、高級感漂うイオンプレーティング仕上げでピンポイントに狙えるアイアン用シャフト「RECOIL DART」をはじめ、Nanoalloyテクノロジーを採用したウッド用の「LIN-Q」や「HELIUM」などの多品種展開により、シェアアップを図るための戦略的な取り組みを進めてまいりました。
また、生産拠点であるバングラデシュやタイにおける現地の不安定な治安及び社会情勢に対しては今まで同様に臨機応変に対応しながら、同時に、OEM供給先顧客の受注獲得に向けた諸施策の展開に引き続き貪欲に取り組むとともに、精緻なサプライチェーンマネジメントと出荷サイクルの最適化による生産の平準化を図り、不良率の減少とリードタイムの短縮等によって、急な受注増にも臨機応変に対応できる製造オペレーションの確立を引き続き推進してまいりました。
(不動産事業)
不動産事業におきましては、東京都心における2023年のオフィスの大量供給を見据えたオフィス賃料下落が続く状況の下、不動産事業子会社であるエフ・アイ興産が所有する収益不動産を有効かつ効率的に活用し、着実に賃貸収入を確保するとともに新たな収入源となる賃貸物件の拡充、アフターコロナにおける景気及び不動産市況の動向を正しく見定めた戦略的な視点から、当社グループが所有する賃貸用不動産及び販売用不動産の、売却を含む有効活用をはじめとする、収益拡大に向けた諸施策に取り組んでまいりました。
(その他)
当社が匿名組合出資しております「合同会社メガソーラー市島発電所」が運営する太陽光発電設備である「MJSソーラー市島エネルギーファーム」が行っております関西電力に対する固定価格買取制度(FIT)に基づく電気供給(電力の販売)につきましては、計画を上回る水準で順調に推移しております。このように、当社グループは、ESG及びSDGsの視点を経営意思決定の重要な要素と位置付け、クリーンな再生可能エネルギーの供給などの取り組みを通じて、社会に貢献してまいります。
この結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は58億3百万円(前年同期比133.8%増)、営業利益は11億77百万円(前年同期比475.8%増)、経常利益は12億57百万円(前年同期比223.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は8億70百万円(前年同期比126.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(電子機器事業セグメント)
まず、電子機器事業セグメントは、全日遊連が発表した「組合員加盟店舗の実態調査」結果によると、2023年4月末日現在の全日遊連加盟パチンコホール店舗数は6,639店舗となり、この1年間で640店舗減少するなど、減少傾向に歯止めがかからない状況が続いておりますが、スマートパチスロをはじめとするスマート遊技機へのホール企業の期待の高まりにより受注は増加いたしました。その一方で、ロシア・ウクライナ情勢に端を発する原油高・円安等の影響による部品及び原材料価格の高騰や、世界的な半導体不足が依然として解消されていないことによる部品調達困難な状況が継続しております。このような状況ではあるものの、部材につきましては、各仕入れ業者への納期調整や、市場部品の調査調達、代替部品の採用を行うことにより、生産可能台数の積み上げを行うとともに、原材料価格の高騰や為替の影響を踏まえた販売価格への転嫁を実施した効果もあり、紙幣搬送関連製品を含む遊技機周辺設備機器及び電子部品に係る売上、利益は、ともに好調に推移いたしました。
また、自社ブランド製品であるモバイルオーダーシステム「CHUUMO」につきましては、「CHUUMO」及び「CHUUMO」と連携する「セルフ精算機VMT-700」がIT導入補助金2023の対象ツールとして認定を受けたことにより顧客側の導入コストの低減につながることなどを訴求し、その導入を拡大するための取り組みを進めました。液晶小型券売機につきましては、世界的な半導体不足の現況下での部材調達の遅延の影響を受ける中で、券売機専用サイト「券売機プロ」をはじめとしたインターネット上のマーケティング強化を図ったものの、改刷対応を見据えた買い控えにより、売上は軟調に推移いたしました。
マミヤITソリューションズにつきましては、取引先に対する業務改善のための分析業務の提案や、アミューズメント関連システムの開発提案を行うなど、ビジネスを拡大する取り組みに積極的に邁進してまいりました。
さらに、ICカードリーダライタについては、半導体及びハーネス材料等のリードタイムの長期化が一部緩和されつつある状況に加え、コロナ禍で先送りとなっていた石油配送システムが徐々に活発化し、石油元売各社によるICカードの発行枚数も若干の増加傾向にあります。
この結果、電子機器事業セグメントの売上高は45億73百万円(前年同期比244.7%増)、営業利益は11億56百万円(前年同期は8百万円の営業利益)となりました。
(スポーツ事業セグメント)
国内におけるカーボンシャフト事業におきましては、「The ATTAS V2」や「ATTAS KING」をはじめとした製品の売上が順調に推移したことや、利益率の高い顧客セグメントへの販売の増加があったものの、アフターコロナにおける消費者の消費行動の多様化の影響や、為替変動と原材料高による調達コストの上昇もあり、一定の売上を確保したものの、利益につきましては底堅く推移いたしました。
海外におけるカーボンシャフト事業におきましては、販売面では、USTMamiya独自の革新的カーボン積層テクノロジーが搭載された「RECOIL」シリーズシャフトの露出度が大手クラブメーカー各社に対する大量のOEM供給によって高まったことや、高付加価値のドライバー用シャフトの販売拡大等により市場シェアの拡大を図りました。また、生産面では、品質管理体制の強化による顧客満足度の向上、従業員が安全に仕事に取り組める職場環境を整備する等の諸施策に引き続き取り組むとともに、人員体制の見直しや、原材料の適正在庫維持等の諸施策を臨機応変に進めることができる体制の整備を進めることにより、事業基盤の強化に取り組んでまいりました。その結果、米国における景気の減速やアフターコロナにおける消費者の消費行動の多様化の影響、原材料費の高騰及び依然として続く輸送費の高騰の影響もあり、売上、利益ともに軟調に推移いたしました。
この結果、スポーツ事業セグメントの売上高は11億89百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は17百万円(前年同期比90.4%減)となりました。
(不動産事業セグメント)
不動産事業セグメントにおきましては、東京都心5区の2023年6月のオフィス空室率が港区の大規模再開発ビル竣工の影響もあり、前月比0.32ポイント上昇し6.48%となるなど、供給過剰の目安である5%を29ヶ月連続で上回っております。また、1坪当たりの平均賃料についても前月比39円(0.2%)下落するなど下げ止まりの兆しが見えない状況となっております。また、住宅設備や建材においても、新型コロナウイルス感染拡大やウクライナ戦争の影響によって発生した供給制約及び世界的な物流の停滞については緩和傾向がみられるものの、運送業界や建築業界を初めとする業界の働き方改革による残業時間の減少や賃金上昇及び人手不足の影響により、各部材価格や工事費用は今後も緩やかに上昇することが見込まれるとともに、リフォーム・リノベーション工事及び大規模修繕工事の費用についてもコロナ禍以前を上回る水準で推移しております。
このような状況の下、業界団体や外部コンサルタントを通じた情報ネットワークの充実強化に努めつつ、新たなビジネスチャンスを逃すことのないよう、アフターコロナにおける景気及び不動産市況の動向を正しく見定め、中古の区分マンションをはじめとする販売用不動産を戦略的視点から仕入れベストタイミングで売却することで収益の極大化を図るとともに、単身者向けかファミリータイプかを問わず、マンションの開発用地及び狭小建売用地の仲介・転売ビジネスの展開にも取り組んでまいりました。
さらに、売上の柱である賃貸収入の拡充のため、大手調剤薬局との協業によるヴィレッジ型医療モールの建築に着手するとともに、シェアオフィスやサテライトオフィス、そしてトランクルームに転用可能な賃貸物件や、借地及び空き物件の情報収集等に努めてまいりました。
この結果、不動産事業セグメントの売上高は40百万円(前年同期比16.2%減)、営業利益は4百万円(前年同期比76.7%減)となりました。
また、財政状態の状況については次のとおりです。
(資産)
当四半期連結会計期間末における流動資産は192億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億81百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が8億38百万円、原材料及び貯蔵品が4億30百万円増加したことによるものであります。固定資産は141億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億75百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が4億25百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は334億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億56百万円増加いたしました。
(負債)
当四半期連結会計期間末における流動負債は89億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億43百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が5億71百万円、電子記録債務が8億64百万円増加したことによるものであります。固定負債は71億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ39百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が2億99百万円減少したものの、繰延税金負債が3億32百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は161億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億82百万円増加いたしました。
(純資産)
当四半期連結会計期間末における純資産合計は172億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億74百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当4億39百万円があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益8億70百万円、その他有価証券評価差額金の増加3億6百万円があったことによるものであります。
この結果、自己資本比率は51.6%(前連結会計年度末は52.8%)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループにおいて優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、85百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループにおける研究開発活動の状況について、重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しについて、重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、電子機器事業における新製品開発費及び金型作成費、スポーツ事業におけるゴルフ用品製造設備投資資金並びに不動産事業における不動産の取得資金及び修繕費、等があります。
②財政政策
当社グループの事業活動の維持拡大に要する資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入や社債発行により資金調達を行っております。また支払利息の固定化を図り、支払金利の変動リスクを回避するために金利スワップ取引を行っております。
なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。
