【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、先行きについては、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されております。
しかしながら、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における新型コロナウイルスの感染動向に十分注意する必要があります。
このような経済環境の下で当社グループは、システムソリューション事業の強化を進めつつ、グループの経営資源を有効に活用し、高品質と低コストを兼ね備えた製品を提供してまいります。当社グループはまた、顧客の抱える課題に対するソリューションを提案することで新たな顧客価値を創造することを通じて、中長期的な展望の下で安定的かつ持続的な成長を実現し、更なる企業価値向上を図ってまいります。
(電子機器事業)
まず、電子機器事業の主要な市場であるパチンコ・パチスロ関連市場は、2022年12月に経済産業省が公表した「特定サービス産業動態統計調査」(確報)によると、2022年10月のパチンコホール売上高は2,169億4,400万円と、前年同月と比べ104.1%ではあるものの、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年10月と比べると82.79%であり、新型コロナウイルスの影響や、パチスロ6.5号機が順次ホールに投入されているものの既存顧客の回遊にとどまり新規顧客に訴求ができていないこともあり、依然としてホール企業は厳しい状況が続いております。
しかしながら、話題性も高く集客も見込めるとホール企業が期待するスマートパチスロが市場投入され、全国のパチンコホールに順次導入が進むことを受け、当社としても、スマート遊技機や、2024年に予定されている紙幣改刷に伴う紙幣識別機などへの特需を最大限に取り込むべく、開発投資を強化しつつ市場対応の方針を策定し、生産体制を確立するために必要な準備を着実に進めるとともに、引き続き既存OEM先顧客との信頼関係の維持強化を図ってまいります。
また、自社ブランド製品につきましては、飲食店などにおいて、お客様自身のモバイル端末を通して、“完全非接触”で注文から決済まで一貫して可能にするモバイルオーダーシステム「CHUUMO」については、当該サービスの戦略的営業活動の一環として、展示会出展等の積極的プロモーション活動を進めるとともに、業界紙への取材記事掲載等の市場における認知度向上に取り組みました。液晶小型券売機につきましては、コロナ禍及びこれを契機に悪化し続ける人手不足を背景とした、非接触型(コンタクトレス)機種への強いニーズを適切に捉えたタイムリーな製品として、飲食店以外への販売チャネルや大口顧客となる新規販売店等の法人をターゲットとした戦略的マーケティングを強化促進するとともに、「券売機プロ」をはじめとしたWebマーケティングの強化に加え、営業支援ツールを効果的に活用した戦略的営業活動や、展示会出展等の積極的プロモーション活動を進めるなど、Operal(オペラル)シリーズの販売にグループ一丸となって取り組んでまいりました。
同時に、自律走行システム「I-GINS」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ベース機となる車両の納期遅延、営業先へのアプローチが制限される等の厳しい市場環境が続くなか、名門ゴルフコースへの導入で築き上げてきた市場における信頼を追い風として、関東圏における戦略的な営業活動の実践、保守メンテナンス体制の確立、そして搭載部品の更新や部品点数削減等による既存製品の改良などにも、粘り強く取り組んでまいりました。
加えて、当社グループのICTリソースを集約したマミヤITソリューションズにおきましては、ICTソリューション(システム及び製品)の「調査(市場・特許・技術)」「企画立案」「提案」「インフラ構築」「システム保守」の全てを受託することができる体制の構築を図りつつ、既存顧客との信頼関係の維持強化によるシステム開発案件の安定的な受注に加え、ローコード開発及びAI言語の開発体制の強化充実並びに企画提案・設計開発・保守を、一気通貫で請け負うワンストップサービス体制の確立によるスピーディーで柔軟かつ高品質な開発体制、社員教育の一環としてeラーニングを導入し、全社員の継続的なスキルアップを図るとともに、優秀なITスキルを持つ外国人人材の採用を進める、等により差別化を図り、ソフトウェア開発ベンダとしての競争優位を確立するための取り組みを進めてまいりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業におきましては、コロナ禍の中でも三密を回避しながら運動不足を解消できるレジャーとしてのゴルフ人気の高まりにより、ゴルフ場・練習場を中心とした集客が好調で市場が活況を見せている中で、業務提携やOEMの戦略的な展開によってバリューチェーン全体の効率化により各工程の付加価値を高めることで、持続的成長を可能とする収益構造の構築にも粘り強く取り組んでまいりました。
国内及び海外におけるカーボンシャフト事業におきましては、シャフト先端部に4軸カーボンシートと、高弾性・高強度素材をダブルで採用し、先端部の挙動を抑えつつ心地よい打感を実現したドライバー・フェアウェイウッド用シャフト「The ATTAS V2」、シャフト先端部に高弾性・高強度素材を採用し、飛距離の最大化を生み出したドライバー・フェアウェイウッド用シャフト「ATTAS KING」、アイアン市場におけるスペック多様化に対応すべく、高級感漂うイオンプレーティング仕上げでピンポイントに狙えるアイアン用シャフト「RECOIL DART」をはじめ、Nanoalloyテクノロジーを採用したウッド用の「LIN-Q」や「HELIUM」などの多品種展開により、シェアアップを図るための戦略的な取り組みを進めてまいりました。
また、生産拠点であるバングラデシュやタイにおける現地の不安定な治安及び社会情勢に対しては今まで同様に臨機応変に対応しながら、同時に、OEM供給先顧客の受注獲得に向けた諸施策の展開に引き続き貪欲に取り組むとともに、精緻なSCM(サプライチェーンマネジメント)と出荷サイクルの最適化による生産の平準化を図り、不良率の減少とリードタイムの短縮等によって、急な受注増にも臨機応変に対応できる製造オペレーションの確立を推進してまいりました。
(不動産事業)
不動産事業におきましては、コロナ禍が長期化する中で、テレワークなど働き方の変化により人々の住まいに対する関心は高まっているものの、東京都心における2023年のオフィスの大量供給を見据えたオフィス賃料下落が続く状況の下、不動産事業子会社であるエフ・アイ興産が所有する収益不動産を有効かつ効率的に活用し、着実に賃貸収入を確保するとともに新たな収入源となる賃貸物件の拡充、アフターコロナにおける景気及び不動産市況の動向を正しく見定めた戦略的な視点から、当社が所有する賃貸用不動産及び販売用不動産の、売却を含む有効活用をはじめとする、収益拡大に向けた諸施策に貪欲に取り組んでまいりました。
(その他)
当社が匿名組合出資しております「合同会社メガソーラー市島発電所」が運営する太陽光発電設備である「MJSソーラー市島エネルギーファーム」が、前連結会計年度より開始した関西電力に対する固定価格買取制度(FIT)に基づく電気供給(電力の販売)につきましては、季節的な変動はあるものの、年間を通して順調に推移しております。また、2022年10月に「合同会社メガソーラー市島発電所」から当社に対しての初回配当が実施されました。
当社グループは、ESG及びSDGsの視点を経営意思決定の重要な要素と位置付け、クリーンな再生可能エネルギーの供給などの取り組みを通じて、社会に貢献してまいります。
この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は102億6百万円(前年同期比19.9%増)、営業利益は11億14百万円(前年同期比359.2%増)、経常利益は14億47百万円(前年同期比258.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13億63百万円(前年同期比236.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(電子機器事業セグメント)
まず、電子機器事業セグメントは、全日遊連が発表した「組合員加盟店舗の実態調査」結果によると、2022年12月末日現在の全日遊連加盟パチンコホール店舗数は6,857店舗となり、2022年1月から12月の12ヶ月間で780店舗減少するなど、旧規則機撤去に伴う入替え負担や、スマート遊技機の市場導入に伴う設備投資による負担の増加により、資金力のないホール企業は廃業の選択をせざるを得ないような状況となっております。しかしながら、話題性も高く集客の見込める、スマートパチスロの市場導入が始まったこともあり、スマートパチスロをはじめとするスマート遊技機へのホール企業の期待の高まりにより受注が増加いたしました。その一方で、ロシア・ウクライナ情勢に端を発する原油高・円安等の影響により部品及び原材料価格の上昇の継続、また、世界的な半導体不足が依然として改善に至っていないことによる部品調達困難な状況が継続しております。このような状況ではあるものの、部材につきましては、各仕入れ業者への納期調整や、市場部品の調査調達、代替部品の採用を行うことにより、生産可能台数の積み上げを行うとともに、原材料の高騰や為替の影響を踏まえて、販売価格への転嫁を実施するなどの対応を行いました。
その結果、紙幣搬送関連製品を含む遊技機周辺設備機器及び電子部品の売上、利益ともに好調に推移いたしました。
また、自社ブランド製品であるモバイルオーダーシステム「CHUUMO」につきましては、スタートキット無料キャンペーンと並行し、既存券売機導入顧客に対して券売機では実現できなかった決済手段の追加が可能となる「CHUUMO」と連携する「セルフ精算機VMT-700」がIT導入補助金2022の対象ツールとして認定を受けたことにより顧客側の導入コストの低減につながるなど、導入拡大のための取組みを進めました。液晶小型券売機につきましては、世界的な半導体不足の現況下での部材調達の遅延の影響を受ける中で、展示会への出展による見込み客へのアプローチや券売機専用サイト「券売機プロ」をはじめとしたインターネット上のマーケティング強化を行ったものの、昨年度の小規模事業者持続化補助金等の利用による前倒し購入の影響や、改刷対応による買い控えにより、売上は軟調に推移いたしました。
マミヤITソリューションズにつきましては、取引先に対する次期基幹システムの要件分析業務の納品を終えたため、さらに、業務改善のための分析業務の提案や、アミューズメント関連システムの開発提案を行う、等のビジネスを拡大する取り組みに積極的に邁進してまいりました。
さらに、ICカードリーダライタについては、半導体及びハーネス材料等のリードタイムの長期化が一部緩和されつつある状況に加え、コロナ禍で先送りとなっていた石油配送システムが徐々に活発化し、石油元売各社によるICカードの発行枚数も若干の増加傾向にあります。
この結果、電子機器事業セグメントの売上高は、63億98百万円(前年同期比79.6%増)、営業利益は6億円(前年同期は54百万円の営業損失)となりました。
(スポーツ事業セグメント)
スポーツ事業セグメントについては、国内におけるカーボンシャフト事業におきましては、キャスコとの資本関係解消による売上高の減少はあるものの、主力製品である「ATTAS KING」や新製品の「The ATTAS V2」をはじめとした製品の売上が好調に推移したこと、また、利益率の高い顧客セグメントへの販売が増加したことにより、為替変動と原材料高によって調達コストが上昇する中ではあるものの、売上、利益ともに順調に推移いたしました。
また、海外におけるカーボンシャフト事業におきましては、USTMamiya独自の革新的カーボン積層テクノロジーが搭載された「RECOIL」シリーズシャフトの露出度が大手クラブメーカー各社に対する大量のOEM供給によって高まったことや、高付加価値のドライバー用シャフトの販売拡大、円安に振れた為替状況が追い風となったこと、等により、原材料費の高騰及び依然として続く輸送費の高騰の影響の中でも、売上、利益ともに順調に推移いたしました。
他方、生産現場では、品質管理体制の強化による顧客満足度の向上、更に従業員が安全に仕事に取り組める職場環境を整備する等の諸施策に引き続き取り組むとともに、工場内の遊休スペースを有効活用することで、コンポジット製品、特に弓矢の生産能力を増強し多品種展開を図るなど、多角化による事業基盤の強化に取り組んでまいりました。その結果、依然として続く輸送費の高騰の影響があるものの、売上、利益ともに順調に推移いたしました。
この結果、スポーツ事業セグメントの売上高は、36億78百万円(前年同期比23.2%減)、営業利益は4億84百万円(前年同期比99.9%増)となりました。
(不動産事業セグメント)
不動産事業セグメントにおきましては、テレワークの定着により上昇を続けていた東京都心5区の12月のオフィス空室率が4ヶ月ぶりに前月比0.09ポイント上昇し6.47%となるなど、供給過剰の目安である5%を23ヶ月連続で上回っており、平均賃料についても29ヶ月連続の下落となるなど下げ止まりの兆しが見えない状況であり、さらに、2023年は東京都心5区において2022年実績の2.8倍に相当する約46万坪のオフィススペースの新規供給が予定されており、供給過剰の懸念が増している状況となっております。また、住宅設備や建材においても、新型コロナウイルス感染拡大やウクライナ戦争の影響による供給制約及び世界的な物流の停滞については緩和傾向がみられ、給湯器をはじめとする住宅設備機器、建材及び内装材の部材不足や納期遅延はほぼ解消したものの、世界的なインフレーションによる値上げの傾向は継続しており、大半を輸入に頼っている日本国内市場に引き続き多大な影響を及ぼしております。
また、米国に端を発したウッドショックについては、米国における住宅ローン金利の急上昇により販売件数が減少し木材価格も下落傾向にあるなど落ち着きがみられているものの、リフォーム・リノベーション工事及び大規模修繕工事の費用についてはコロナ禍以前を上回る水準で推移しており、当面は緩やかな上昇傾向が続くものと見込まれております。
このような状況の下、コロナ禍をむしろチャンスと捉え、業界団体や外部コンサルタントを通じた情報ネットワークの充実強化に努めつつ、働き方改革の進展とテレワークの急速な普及による新たなビジネスチャンスを逃すことのないよう、アフターコロナにおける景気及び不動産市況の動向を正しく見定め、中古の区分マンションをはじめとする販売用不動産を戦略的視点から仕入れベストタイミングで売却することで収益の極大化を図るとともに、単身者向けかファミリータイプかを問わず、マンションの開発用地及び狭小建売用地の仲介・転売ビジネスの展開にも取り組んでまいりました。
さらに、売上の柱である賃貸収入の拡充のため、大手調剤薬局との協業の準備を進めるとともに、シェアオフィスやサテライトオフィス、そしてトランクルームに転用可能な賃貸物件や、借地及び空き物件の情報収集などに努めてまいりました。
この結果、不動産事業セグメントの売上高は、1億42百万円(前年同期比15.8%減)、営業利益は29百万円(前年同期比45.6%減)となりました。
また、財政状態の状況については次のとおりであります。
(資産)
当四半期連結会計期間末における流動資産は151億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億83百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が16億72百万円減少したものの、棚卸資産が24億42百万円、受取手形及び売掛金が3億43百万円増加したことによるものであります。固定資産は115億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ24億12百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が18億75百万円、長期貸付金が4億71百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は267億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億95百万円増加いたしました。
(負債)
当四半期連結会計期間末における流動負債は69億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億18百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が3億79百万円、電子記録債務が5億80百万円増加したことによるものであります。固定負債は51億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億66百万円増加いたしました。これは主に社債が3億円、繰延税金負債が2億94百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は120億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億85百万円増加いたしました。
(純資産)
当四半期連結会計期間末における純資産合計は146億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億10百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当4億37百万円により減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益13億63百万円、その他有価証券差額金の増加9億5百万円があったことによるものであります。
この結果、自己資本比率は54.7%(前連結会計年度末は53.6%)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループにおいて優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、2億30百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループにおける研究開発活動の状況について、重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しについて、重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、電子機器事業における新製品開発及び金型作成費、スポーツ事業におけるゴルフシャフト製造設備への投資並びに不動産事業における不動産の取得及び修繕費等があります。
②財政政策
当社グループの事業活動の維持拡大に要する資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入や社債発行により資金調達を行っております。また支払利息の固定化を図り、支払金利の変動リスクを回避するために金利スワップ取引を行っております。
なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。
