【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関連した行動制限の緩和などにより、経済活動の正常化への動きが進展した一方で、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高騰や円安の常態化に伴う物価高騰、世界的なインフレ圧力の強まりによる欧米金融市場の不安定化など、依然として先行き不透明な状況が継続しております。このような経済環境のもと、当社グループにおきまして、主力事業の自動車用フロアーマット関連については、主要顧客である自動車業界では長期に渡る半導体供給不足等やサプライチェーンの不安定化が徐々に解消されたことにより生産台数の回復が見られ、それに伴い国内自動車の販売台数は、コロナ前水準への回復の兆しが見え始めておりますが、自動車用フロアーマットの売上は50億84百万円(前期比2.6%増)と前期から増加したものの、新型車の発売延期や一部自動車メーカーの在庫調整等の影響がありました。産業資材関連については、公共事業向けインフラ補修部材およびエアコン配管用化粧カバーは堅調な受注であり、合成木材は、既存製品の新色投入および新製品の販売を開始しましたが、産業資材関連全体の売上は、32億12百万円(前期比3.6%減)となりました。そのような状況のなか、収益体制の強化を推進し、原材料価格や物流費の高止まり等の影響に伴うコスト増の価格転嫁を測るべく販売価格値上げの実施、原価低減活動による採算改善を継続して努めてまいりましたが、円安による為替影響を始めとしたコスト増等、取り巻く事業環境は厳しい年度となりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は82億96百万円(前期比0.1%増)、営業損失3億12百万円(前期は営業利益92百万円)、経常損失1億94百万円(前期は経常利益1億85百万円)となり、特別損失において本年3月10日付で公表しております訴訟損失引当金繰入額80百万円の計上から決算期末に関連諸費用10百万円の追加引当金を計上し、総額で訴訟損失引当金繰入額90百万円の計上を行ったことなどから、親会社株主に帰属する当期純損失2億38百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1億60百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は16億96百万円と前連結会計年度末と比較して65百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純損失が2億83百万円、減価償却費3億12百万円、訴訟損失引当金の増加90百万円、売上債権の減少1億82百万円、棚卸資産の減少1億99百万円、仕入債務の減少4億69百万円、未収入金の減少1億60百万円、その他の資産の増加2億39百万円、その他の負債の減少85百万円、保険金の受取額2億3百万円、法人税等の支払額1億9百万円などにより、当連結会計年度における資金の支出は69百万円となり、前連結会計年度末と比較して11百万円の収入減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)有形固定資産の取得による支出4億7百万円、無形固定資産の取得による支出27百万円、投資有価証券の売却による収入23百万円などにより、当連結会計年度における投資活動による資金の支出は4億25百万円となり、前連結会計年度末と比較して26百万円の支出増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)短期借入金の増加2億1百万円、長期借入金の返済による支出1億93百万円、長期借入れによる収入6億48百万円、自己株式の取得による支出45百万円、配当金の支払額91百万円により、当連結会計年度末における財務活動による資金の増加は5億19百万円となり、前連結会計年度末と比較して8億6百万円の収入増加となりました。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前期比(%)
自動車用品関連
5,214,932
0.5
産業資材関連
3,315,853
△1.1
合計
8,530,785
△0.1
(注) セグメント金額は販売価格によっております。
b.受注実績受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前期比(%)
自動車用品関連
5,084,347
2.6
産業資材関連
3,212,022
△3.6
合計
8,296,369
0.1
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
株式会社ホンダアクセス
1,758,205
21.2
1,406,612
17.0
スズキ株式会社
1,013,722
12.2
1,359,439
16.4
丸紅プラックス株式会社
1,231,092
14.9
1,162,242
14.0
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析
a.経営成績当連結会計年度における経営成績の概況につきましては「第2〔事業の状況〕 4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕 (1)経営成績等の状況の概況」に記載のとおりであります。
b.財政状態当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保、および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。当連結会計年度末の総資産は、96億65百万円となり、前連結会計年度末と比較して98百万円の減少となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比較して2億74百万円の減少となりました。その主な要因は、現金及び預金の増加65百万円、受取手形及び売掛金の減少1億27百万円、棚卸資産の減少1億2百万円、未収入金の減少1億60百万円によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比較して1億76百万円の増加となりました。その主な要因は、有形固定資産の増加1億6百万円、投資有価証券の減少32百万円によるものであります。当連結会計年度末の負債は、29億44百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億80百万円の増加となりました。流動負債は、前連結会計年度末と比較して1億80百万円の減少となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の減少2億77百万円、短期借入金の増加2億1百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加1億4百万円、その他の減少1億53百万円によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比較して3億60百万円の増加となりました。その主な要因は、長期借入金の増加3億50百万円によるものであります。当連結会計年度末の純資産は、67億21百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億78百万円の減少となりました。その主な要因は、利益剰余金の減少3億29百万円、自己株式の取得45百万円、為替換算調整勘定の増加1億12百万円によるものであります。
②経営成績に重要な影響を与える要因について「第2〔事業の状況〕 3〔事業等のリスク〕」に記載のとおりであります。
③経営戦略の現状と見通し当社グループを取り巻く経済環境は、新型コロナウイルス感染症の経済活動等の影響は、大幅に緩和されるものと考えておりますが、ウクライナ情勢、円安の進行や原油価格の高騰、物価上昇等の動向にも留意が必要であり、景気の先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。当社グループは創業から今日まで異型押出成形加工を中心に合成樹脂製品のメーカーとして、卓越した独自の技術を根底にその技術を時代に対応させながら、新しい分野へと応用していく研究開発活動を通し、合成樹脂メーカーとして産業資材分野および自動車用品分野において、企画開発設計から提案までトータルにサポートできる「ものづくり企業」を目指して社会の発展に貢献しようと考えております。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フロー当連結会計年度における経営成績の概況につきましては「第2〔事業の状況〕 4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金調達について当社グループにおける主な資金需要として、運転資金、設備投資資金、有利子負債の返済及び利息の支払い等が必要であります。当社はこれらの資金需要につきましては、主に営業活動によるキャッシュ・フローによって賄っております。また、事業活動を円滑に行うための資金調達に際しては、事前に充分な検討を加え、低コストで安定的な資金の確保を重視しており、今後において運転資金及び設備投資資金等による資金需要が発生する場合に備えております。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。