【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症防止のための行動制限が緩和され、経済社会活動の正常化が期待された一方、世界的な物価上昇やウクライナ情勢等の地政学リスク、急速な円安の進行等により不安定な情勢が続き、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
外食産業におきましては、新型コロナウイルスに関する行動制限は緩和されたものの、原材料・エネルギー・物流等諸コストの高騰による物価上昇に対し消費者の生活防衛意識が強まったうえ、年末には新型コロナウイルス感染第8波が発生するなど、引き続き厳しい経営環境が続きました。
このような環境のもと、当社グループは、経営理念である「食を通じて地域社会の豊かな生活文化の向上に貢献する」に基づき、お客様の基本ニーズである「安全・安心」に徹底してこだわった「自然肉100%」の商品提供を堅持するとともに、店内の衛生管理を強化・徹底し、お客様に安心してご来店いただける環境づくりに注力してまいりました。また、消費者の意識・行動の変容を的確にとらえ、収益力を維持向上させていけるよう、新メニュー開発やフェア企画の実施を積極的に進めたほか、その他業態の2店舗をステーキ業態(ステーキのどん)へ転換するなど、グループ内の業態最適化を進めました。
一方、あらゆるコストが上昇する経済状況において、DXや業務改善による店舗人員体制の最適化、本社間接経費の削減等、構造的なコスト見直しや生産性向上を推進し、コストの圧縮及び収益基盤安定に努めると同時に、商品価値を維持するためのメニュー価格改定も適宜行いました。 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高211億35百万円(対前年同期比22.4%増)、営業損失3億88百万円(前年同期は営業損失18億82百万円)、経常利益72百万円(対前年同期比94.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失3億55百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益9億77百万円)となりました。セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。① 安楽亭業態
安楽亭業態の当第3四半期連結累計期間末の店舗数は161店舗であります。内訳は直営112店舗、暖簾12店舗、FC37店舗であります。
販売促進及び商品開発につきましては、当社グループ創業以来の「自然肉」ポリシーに裏付けられた肉本来の美味しさを消費者にダイレクトに伝える新メニューとして、「ワイルドカルビ」及び「ワイルドロース」を販売開始いたしました。分厚いカット、芳醇な肉の旨味と食べ応えが特長であり、安楽亭の新たな名物メニューのひとつと位置付けて、食べ放題や定食、フェアメニュー等、お客様との多様な接点を設けております。
また、人気の食べ放題については、「新食べ放題 ワイルドプライスフェア」等、食べ放題をお得にお楽しみいただく販促フェアを引き続き積極的に展開してまいりました。また、多様な食べ放題ニーズへの対応を図るべく、既成のプランに上位コースの7種の肉の食べ放題を追加できる「肉強化オプション」も導入しております。
さらに、DXの取り組みとして、お客様のスマートフォンにてテーブルオーダーをしていただく「スマホオーダーシステム」をほぼ全店に導入いたしました。 以上の結果、安楽亭業態の当第3四半期連結累計期間の売上高は79億82百万円(対前年同期比19.8%増)となり、セグメント損失(営業損失)は24百万円(前年同期はセグメント損失5億76百万円)となりました。
② 七輪房業態 七輪房業態の当第3四半期連結累計期間末の店舗数は24店舗であります。内訳は直営19店舗、暖簾2店舗、FC3店舗であります。 販売促進及び商品開発につきましては、「やわらか上タンと秋の味覚フェア」「九州うまいものフェア」等、七輪房の多様で上質な肉の魅力をアピールするフェア施策を積極的に実施してまいりました。 以上の結果、七輪房業態の当第3四半期連結累計期間の売上高は12億92百万円(対前年同期比9.7%増)となり、セグメント利益(営業利益)は1百万円(前年同期はセグメント損失1億36百万円)となりました。③ アークミール アークミール業態の当第3四半期連結累計期間末の店舗数は132店舗であります。内訳は直営131店舗、FC1店舗であります。アークミール業態には、「ステーキのどん」、「しゃぶしゃぶどん亭」、「フォルクス(ステーキ)」、「donイタリアーノ(イタリアン)」を含んでおります。なお、当累計期間において、その他業態であった「えんらく(焼肉食べ放題)」及び「アグリコ(イタリアン)」の計2店舗を、ステーキのどんに転換しております。 販売促進及び商品開発につきましては、「ステーキのどん」、「しゃぶしゃぶどん亭」、「フォルクス」の主要各業態において、安楽亭業態等と同様、積極的に来店促進の施策を展開してまいりました。「『LINEで予約』キャンペーン」として、割引やプレゼント贈呈等のお得なサービス企画を主要3業態共通で実施したほか、「冬のあたたかフェア」(ステーキのどん)、「黒酢酸辣湯しゃぶしゃぶフェア」(どん亭)、店舗限定での「シュークリーム&アイス食べ放題」(フォルクス)等の企画を実施いたしました。 以上の結果、アークミールの当第3四半期連結累計期間の売上高は115億39百万円(対前年同期比24.9%増)となり、セグメント損失(営業損失)は30百万円(前年同期はセグメント損失7億80百万円)となりました。④ その他業態 その他業態の当第3四半期連結累計期間末の店舗数は6店舗であります。内訳は直営4店舗、FC2店舗であります。なお、その他業態には、「からくに屋(焼肉)」、「花炎亭(焼肉)」、「上海菜館(中華)」、「カフェビーンズ(喫茶)」、「安楽亭ベトナム(焼肉)」を含んでおります。 その他業態の当第3四半期連結累計期間の売上高は3億20百万円(対前年同期比65.7%増)となり、セグメント損失(営業損失)は21百万円(前年同期はセグメント損失54百万円)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末に比べ10億64百万円減少し、206億円となりました。これは、現金及び預金の減少等が要因です。負債は、前連結会計年度末に比べ7億16百万円減少し、160億76百万円となりました。これは、長期借入金の減少等が要因です。純資産は、前連結会計年度末に比べ3億47百万円減少し、45億23百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上等が要因です。