【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況当第2四半期連結累計期間における経済情勢は、ウクライナ情勢の長期化により資源高やインフレなど先行きに不透明な状況が続きました。米国では金融引き締めが継続して行われましたが、良好な雇用環境を背景に個人消費は底堅く推移しました。欧州では長引くインフレにより景気は弱含みで推移しました。中国ではゼロコロナ政策の解除後、サービス消費は堅調な一方、不動産市場の低迷などの影響を受け景気の回復ペースは鈍化しました。日本ではアフターコロナに移行し、個人消費を中心に緩やかな回復傾向を示しました。当社の主力製品である電子写真用キャリアの需要は、経済活動やオフィス稼働率の回復はあったものの、前期末のお客様における流通在庫調整の影響が残りました。食品の品質保持に使用される脱酸素剤の需要は、新型コロナによる行動制限がなくなり回復基調となりました。このような市場環境下、当第2四半期の売上高は販売価格の適正化を進めましたが、キャリアの減販と鉄粉関連製品の販売終了により、4,266百万円(前年同期比7.7%減)となりました。損益面では、主に機能性材料事業の減益により、営業利益は283百万円(前年同期比37.5%減)、経常利益は303百万円(前年同期比38.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は204百万円(前年同期比42.6%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、「鉄粉事業」としていた報告セグメントの名称を、鉄粉関連製品の販売からの撤退に伴い取扱製品が脱酸素剤関連製品となったことおよび食品市場以外の幅広い分野への展開も進めており、事業内容をより適切に表現するために「品質保持剤事業」に変更いたしました。なお、この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント業績に与える影響はありません。
① 機能性材料事業 当セグメントにおきましては、電子写真用キャリアはエネルギーおよび原材料価格の値上がりによる販売価格の適正化を進めたことと、新規機能性材料の増販はありましたが、お客様における流通在庫調整などの影響によりキャリアの販売数量が減少し、売上高は3,686百万円(前年同期比4.6%減)となりました。セグメント利益は、主にキャリアの減販により502百万円(前年同期比18.3%減)となりました。
② 品質保持剤事業 当セグメントにおきましては、鉄粉関連製品の販売を昨年9月末をもって終了したため、当セグメント全体の売上高は579百万円(前年同期比23.7%減)となりました。セグメント利益は、販売価格の適正化を進めましたが、原材料価格の上昇や人件費の増加をカバーできず20百万円(前年同期比67.5%減)となりました。
(2) 財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ、主に売掛金の増加により、297百万円増加いたしました。固定資産は、有形固定資産の減価償却発生金額が設備投資金額を上回ったことなどにより177百万円減少いたしました。以上により、総資産は119百万円増加し14,861百万円となりました。負債は、主に支払手形及び買掛金の増加により、146百万円増加し2,235百万円となりました。純資産は、配当金の支払い231百万円、四半期純利益204百万円により、27百万円減少し12,626百万円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.8%減少し85.0%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
前第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日至 2022年9月30日)
当第2四半期連結累計期間(自 2023年4月1日至 2023年9月30日)
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー
364百万円
519百万円
155百万円
投資活動によるキャッシュ・フロー
△976百万円
△183百万円
793百万円
財務活動によるキャッシュ・フロー
△233百万円
△233百万円
△0百万円
現金及び現金同等物の四半期末残高
3,156百万円
3,261百万円
104百万円
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べ155百万円増加し、519百万円の収入となりました。主に法人税等の支払が減少したことによります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べ現金支出が793百万円減少し、183百万円の支出となりました。新規事業関連設備等の有形固定資産の取得による支出が減少したことによります。財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払により233百万円の支出となりました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物残高は、前第2四半期連結累計期間末に比べ104百万円増加し3,261百万円となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は234,864千円であります。なお、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について当社グループの経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めております。事業環境の変化に対応すべく経営戦略を明確にし、掲げた課題と施策を確実に実行してまいります。