【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況当第1四半期連結累計期間における経済情勢は、ウクライナ情勢の長期化により資源高やインフレなど先行きに不透明な状況が続きました。米国では金融引き締めが継続して行われましたが、良好な雇用環境を背景に個人消費は底堅く推移しました。欧州では長引く高インフレにより景気は弱含みで推移しました。中国ではゼロコロナ政策の解除後、サービス消費は堅調な一方、不動産市場の低迷などの影響を受け景気の回復ペースは鈍化しました。日本では新型コロナの感染症法上の分類が引き下げられたことにより、個人消費を中心に緩やかな回復傾向を示しました。当社の主力製品である電子写真用キャリアの需要は、経済活動やオフィス稼働率の回復はあったものの、前期末のお客様における流通在庫調整の影響が一部残りました。食品の品質保持に使用される脱酸素剤の需要は、インバウンド需要の回復遅れなどの影響は残るものの、新型コロナによる行動制限がなくなり回復基調となりました。このような市場環境下、当第1四半期の売上高は鉄粉関連製品の販売終了はあったものの、販売価格の適正化を進めた結果、2,294百万円(前年同期比0.6%増)となりました。 損益面では、主に機能性材料事業の減益により、営業利益は171百万円(前年同期比20.8%減)、経常利益は186百万円(前年同期比24.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は126百万円(前年同期比23.7%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。 なお、当第1四半期連結会計期間より、「鉄粉事業」としていた報告セグメントの名称を、鉄粉関連製品の販売からの撤退に伴い取扱製品が脱酸素剤関連製品となったこと、及び食品市場以外の幅広い分野への展開も進めていることにより、事業内容をより適切に表現するために「品質保持剤事業」に変更いたしました。なお、この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント業績に与える影響はありません。
① 機能性材料事業 当セグメントにおきましては、電子写真用キャリアはエネルギーおよび原材料価格の値上がりによる販売価格の適正化を進めたことと、新規機能性材料の増販により、売上高は1,993百万円(前年同期比5.6%増)となりました。セグメント利益は、主に在庫削減のための生産調整による固定費単価増加により売上原価増となり269百万円(前年同期比9.5%減)となりました。
② 品質保持剤事業 当セグメントにおきましては、脱酸素剤関連製品は増収となりました。一方、鉄粉関連製品は昨年9月末をもって販売を終了したため、当セグメント全体の売上高は前年同期比23.6%減の300百万円となりました。セグメント利益は、主に脱酸素剤関連製品において、販売価格の適正化を進めましたが、エネルギーおよび原材料価格の上昇や人件費の増加をカバーできず、前年同期比42.4%減の17百万円となりました。
(2) 財政状態の分析当第1四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ、主に売掛金の増加により、154百万円増加いたしました。固定資産は、有形固定資産の減価償却発生金額が設備投資金額を上回ったことなどにより113百万円減少いたしました。以上により、総資産は40百万円増加し14,782百万円となりました。負債は、主に支払手形及び買掛金の増加により、155百万円増加し2,243百万円となりました。純資産は、四半期純利益で126百万円増加しましたが、配当金の支払い231百万円により、114百万円減少し12,538百万円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.0%減少し84.8%となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における研究開発費は、各事業に配分できない基礎研究費用も含め総額は118,802千円であります。なお、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(5) 経営者の問題意識と今後の方針について当社グループの経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めております。事業環境の変化に対応すべく経営戦略を明確にし、掲げた課題と施策を確実に実行してまいります。