【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結会計期間の財政状態及び当第2四半期連結累計期間の経営成績は次のとおりであります。
a.
財政状態
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は前連結会計年度末と比較して92億26百万円(7.1%)減少して、1,202億36百万円となりました。これは主に商流移管による売上高の減少に伴い、受取手形、売掛金及び契約資産が68億92百万円減少したためであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比較して6億44百万円(3.9%)減少し、157億92百万円となりました。これは主に政策保有株式縮減を目的とした売却により投資有価証券が11億38百万円減少したためであります。
以上のことから、当第2四半期連結会計期間末における資産の部全体としては、前連結会計年度末と比較して98億71百万円(6.8%)減少し、1,360億29百万円となりました。
負債につきましては、流動負債が前連結会計年度末と比較して92億16百万円(13.6%)減少して、585億57百万円となりました。これは主に売上債権の減少に伴う運転資本の減少により短期借入金が54億円減少したためであります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して19億53百万円(13.7%)減少し、123億10百万円となりました。これは主に、運転資本の減少に伴い長期借入金が29億9百万円減少したためであります。
以上のことから、当第2四半期連結会計期間末における負債の部全体としては、前連結会計年度末と比較して111億69百万円(13.6%)減少し、708億67百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して12億98百万円(2.0%)増加し、651億61百万円となりました。これは主に政策保有株式縮減のための売却によりその他有価証券評価差額金が5億64百万円減少した一方で、期初以降の円安の進行により、為替換算調整勘定が15億63百万円増加したためであります。
b.
経営成績
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻から来る不確実性の高まりやインフレの進行が継続し、各国のインフレ抑制に向けた政策金利の引き上げ加速など、世界経済は景気停滞局面が続いております。
我が国の経済については、米中間での貿易摩擦に端を発した地政学上や経済安全保障上のリスク、更には物価高による内需の停滞感など負の側面があるものの、経済活動の再開と円安を追い風にした訪日外国人旅行者数増加によるインバウンド需要の拡大や活発な設備投資など、景気回復の期待感が続いております。
当社グループが主力事業を展開するエレクトロニクス業界においては、スマートフォン・PC・民生等は依然として需要低迷が続いているものの、一部で回復局面の兆しも見えてきております。またEV関連のパワーデバイス・再生エネルギー関連・生成AIサーバ関連等は引き続き好調に推移している一方、産業機器分野では在庫調整の影響など、用途・市場によって好不調がまだら模様となっております。
このような状況のもと、当社グループの電子部品事業においては、車載関連用途のICは一部の製品で引き続き納期問題が継続しているものの徐々に供給難は解消されつつあり、販売数も増加しております。一方で民生機器をはじめとする他の分野では中国市場の低迷と顧客の在庫調整が続いており、対前年同期比で減収となりました。
電子・電気機器事業においては、米中間の貿易規制で中国市場においては慎重な対応を迫られていますが、真空関連やPCB関連において計画より前倒しで納入を進めることができたため、対前年同期比で増収となりました。
工業薬品事業においては、主に中国の景気低迷により化粧品原料の需要が回復せず、対前年同期比で減収となりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の連結売上高は932億23百万円(前年同期比18.8%減)となりました。
損益面につきましては、当第2四半期連結累計期間の連結売上総利益は139億38百万円(同15.1%減)となり、連結販売費及び一般管理費として92億23百万円(同0.2%増)を計上した結果、連結営業利益は47億15百万円(同34.5%減)、連結経常利益は43億79百万円(同40.0%減)となり、特別利益として投資有価証券売却益1,340百万円、特別損失として貸倒引当金繰入額1,125百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は30億19百万円(同41.3%減)となりました。
また、1株当たり四半期純利益は161円35銭となり、前年同四半期より107円71銭減少いたしました。
報告セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。
[電子部品事業]
電子部品事業では、車載関連用途のICが引き続き堅調に推移しましたが、テレビ等の民生機器分野やPC・スマートフォンなど情報通信・モバイル分野を中心に中国の景気低迷等の影響を受けました。また、大手半導体メーカー製品の商流変更による減収及び前年度における連結売上総利益の押し上げ要因となった円安進行による為替影響も当第2四半期累計期間は比較的軽微でありました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は734億36百万円(前年同期比24.1%減)となり、販売減少に伴う利益額の減少等の要因により、セグメント利益は32億22百万円(同43.3%減)となりました。
[電子・電気機器事業]
電子・電気機器事業においては、理化学関連機器では前年度の先行手配などの受注残を出荷できたことにより販売が増加しました。更にPCB関連ではパッケージ基板製造用に加え検査装置なども納入できたことにより、販売が伸長しました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は137億80百万円(前年同期比19.4%増)となり、販売増加に伴う利益額の増加等の要因により、セグメント利益は13億55百万円(同13.6%増)となりました。
[工業薬品事業]
工業薬品事業では、石油精製・石油化学分野における国内販売は堅調でしたが、海外プラントは石油石化・紙・パルプ分野ともに引き続き低稼働が続いております。また化粧品基剤においても主力の化粧品原料販売が中国を中心に需要が回復していないことにより減少し、対前年同期比で減収となりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は57億55百万円(前年同期比8.1%減)となり、原材料費の高騰及び販売減少に伴う利益額の減少などにより、セグメント利益は1億94百万円(同65.6%減)となりました。
[その他の事業]
その他の事業では、当社の業務・物流管理全般の受託事業と太陽光発電事業を行っております。当第2四半期連結累計期間の売上高は5億90百万円(前年同期比7.1%減)となり、太陽光発電事業において修繕費を計上したことなどにより、セグメント利益は14百万円(同90.7%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは86億96百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは12億8百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは113億74百万円の支出、現金及び現金同等物に係る換算差額が5億46百万円の増加となったため、現金及び現金同等物は前連結会計年度末と比較して9億22百万円減少し、当第2四半期末は158億29百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、業績動向に加えて、取引状況によって変動する売上債権、棚卸資産及び仕入債務等の運転資本にも影響を受けます。当第2四半期連結累計期間においては、棚卸資産の増加額20億60百万円等の支出要因がありましたが、売上債権の減少額107億15百万円、税金等調整前四半期純利益45億88百万円等の収入要因により、営業活動によるキャッシュ・フローは86億96百万円の収入となりました。なお、前年同四半期には棚卸資産の増加額等により89億89百万円の支出となっておりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動として、主に新規事業に係る投資や工業薬品事業における製造及び研究設備の更新等の資本的支出を行っております。当第2四半期連結累計期間においては、有形固定資産の取得による支出2億21百万円等の支出要因がありましたが、政策保有株式縮減に伴う投資有価証券の売却による収入16億89百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは12億8百万円の収入となりました。なお、前年同四半期には有形及び無形固定資産の取得による支出等により、2億39百万円の支出となっておりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動として、当社グループの営業活動に必要な資金は主に金融機関からの借入による調達を行っております。また、2021年4月より開始している中期経営計画「Change & Co-Create 2024」では、株主への還元方針として、配当と自己株式の取得による「総還元性向100%」を目標としております。当第2四半期連結累計期間においては、配当金の支払額29億91百万円、短期借入金の返済による支出(純)52億円、長期借入金の返済による支出31億9百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは113億74百万円の支出となりました。なお、前年同四半期には、長期借入による収入等により、79億32百万円の収入となっておりました。
③半導体市況の当社グループへの影響
新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートワークや巣ごもり消費の拡大により、2020年度第4四半期(2021年1月~3月)から世界的な半導体不足が表面化しました。当第2四半期連結累計期間においては、車載用途については依然として需給逼迫が続いておりますが、PC、スマートフォン及び民生機器向けについては需要の減少により過剰供給状態になっていると見られます。
当社グループでは、最終製品の需要動向に注視しながら適正な在庫水準の維持に努めておりますが、半導体製品の取引価格やサプライチェーンにおける在庫水準の変動、及び顧客企業の生産計画の変更等、市場動向の変化が今後の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、1億80百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。