【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における世界経済は、段階的に経済社会活動の正常化が進むなかで景気の持ち直しの動きが続きました。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢等に起因する資源価格の高騰に加え、世界的な金融引き締め等による経済への影響に留意する必要があります。また、当社グループが最も影響を受ける自動車業界では、半導体等の部品不足の供給制約は一部で緩和されつつあるものの、生産が未だ本格的な回復トレンドに回帰しない等、予断を許さない状況です。このような経営環境のもと、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、半導体等の部品不足による生産調整の影響はあったものの、為替換算の円安効果等により前年同期に比べ増収となりました。この結果、売上高は、316億17百万円(前年同期比11.9%増)となりました。損益面につきましては、為替換算の影響を含めたエネルギーおよび原材料価格の上昇に伴う生産コストの増加等により、営業利益5億88百万円(前年同期比59.0%減)、経常利益8億87百万円(前年同期比44.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失34百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益5億52百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(小型エンジンバルブ)国内事業は、中国でのロックダウンや半導体等の部品不足による生産調整の影響等により四輪車用エンジンバルブは前年同期に比べ減収となりました。二輪車用エンジンバルブは、レジャー・中大型向け製品の好調等により前年同期に比べ増収となりました。海外事業は、北米および中国の子会社等において販売数量が減少したものの、その他の地域では概ね前年同期を上回る販売数量となったことや為替換算の円安効果等により、前年同期に比べ増収となりました。汎用エンジンバルブは、北米向け製品の需要拡大等により前年同期に比べ増収となりました。損益面につきましては、受注減少に伴う固定費の圧迫やエネルギーおよび原材料価格の上昇に伴う生産コストの増加ならびに円安に伴う一部子会社の損失幅拡大等の影響により減益となりました。この結果、売上高は、257億93百万円(前年同期比15.4%増)、セグメント利益(営業利益)は、6億5百万円(前年同期比57.8%減)となりました。
(舶用部品)舶用部品につきましては、経済活動の回復等により海外顧客向けの船舶用補用部品を中心に販売数量が増加したことや、国内においては高単価な船舶用補用部品の販売が好調であったことなどから、前年同期に比べ増収となりました。損益面につきましては、エネルギーや原材料価格の上昇に伴う生産コストの増加等により減益となりました。この結果、売上高は、27億30百万円(前年同期比17.3%増)、セグメント利益(営業利益)は、32百万円(前年同期比45.5%減)となりました。
(歯車)歯車につきましては、半導体等の部品不足による生産調整等の影響により自動車用製品の販売数量が減少し、前年同期に比べ減収となりました。産業機械用製品については、回復基調にあるものの本格的な回復トレンドに回帰せず横ばいとなりました。損益面につきましては、製品価格改定や生産数量に応じた人員配置の適正化等を行ったものの、受注減少に伴う固定費の圧迫やエネルギーおよび原材料価格の上昇に伴う生産コストの増加影響等を吸収しきれず損失幅が拡大しました。この結果、売上高は、18億72百万円(前年同期比6.9%減)、セグメント損失(営業損失)は、2億30百万円(前年同期はセグメント損失(営業損失)82百万円)となりました。
(PBW)PBWにつきましては、半導体等の部品不足による生産調整および製品価格改定等の影響により前年同期に比べ減収となりました。損益面につきましては、生産性の改善や省人化等により増益となりました。この結果、売上高は、7億25百万円(前年同期比19.2%減)、セグメント利益(営業利益)は、9百万円(前年同期比166.0%増)となりました。
(その他)バルブリフターにつきましては、一部製品の転注等により減収となりました。可変動弁につきましては、補用品の減少により減収となりました。工作機械につきましては、グループ内部での取引が減少し減収となりました。ロイヤルティーにつきましては、為替換算の円安効果等により増収となりました。農作物につきましては、販路拡大等により増収となりました。この結果、当セグメントの売上高は、13億73百万円(前年同期比41.5%減)、セグメント利益(営業利益)は、19百万円(前年同期比27.5%減)となりました。なお、当セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高8億78百万円を含んでおります。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、571億91百万円となり、前連結会計年度末と比較して24億40百万円の増加となりました。資産の部の流動資産は、243億46百万円となり、前連結会計年度末と比較して20億71百万円の増加となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が7億18百万円、原材料及び貯蔵品が5億99百万円増加したことなどによるものであります。固定資産は、328億45百万円となり、前連結会計年度末と比較して3億68百万円の増加となりました。この主な要因は、有形固定資産が3億89百万円増加したことなどによるものであります。負債の部の流動負債は、129億64百万円となり、前連結会計年度末と比較して10億50百万円の増加となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が9億27百万円増加したことなどによるものであります。固定負債は、107億41百万円となり、前連結会計年度末と比較して6億73百万円の減少となりました。この主な要因は、長期借入金が7億3百万円減少したことなどによるものであります。純資産の部は、334億85百万円となり、前連結会計年度末と比較して20億63百万円の増加となりました。この主な要因は、為替換算調整勘定が16億12百万円、非支配株主持分が10億18百万円増加したことなどによるものであります。 なお、通貨別の為替の変動につきましては、当社の連結子会社のある国では、前連結会計年度末と比べ、インドルピーが円高に進み、米ドル・人民元・ポーランドズロチ・ベトナムドン・インドネシアルピア・台湾ドル・タイバーツが円安に進んでおり、上記の増減額に大きな影響を与えております。
(2) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は450,467千円であります。
#C6493JP #NITTAN #輸送用機器セクター