【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況 当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が再流行するなか経済活動の正常化に向けた動きがみられたものの、半導体不足は依然として解消しておらず、急激な円安の進行や原材料・エネルギー価格の高騰などの影響により、先行き不透明な状況が継続しております。また、海外経済についても、ロシアのウクライナ侵攻による地政学的リスクの影響に加え、欧米におけるインフレの加速や金融引き締め政策の実施、中国主要都市のロックダウンからの回復の遅れや中国経済の停滞の影響などにより、先行き不透明な状況が継続しております。このような状況下、当社グループは、化学繊維用紡糸ノズル事業において、風力発電用ブレード向け炭素繊維用紡糸ノズルの売上を中心に堅調に推移いたしましたが、特殊精密機器事業においては、世界的な半導体不足や中国経済の停滞の影響などを受け厳しい事業環境となりました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は1,821百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益は43百万円(前年同期比57.5%減)、経常利益は88百万円(前年同期比11.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は35百万円(前年同期は51百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 特殊精密機器事業特殊精密機器事業については、工作機械向け耐摩工具関連分野、産業機械向け実装機用ノズル分野ともに、世界的な半導体不足や中国経済の停滞の影響により厳しい受注環境になり、売上高の減少に加え、原材料価格やエネルギーコストの高騰などの影響を受け、損益面も厳しい状況となりました。これらの結果、売上高は387百万円(前年同期比18.0%減)、セグメント損失は7百万円(前年同期は73百万円のセグメント利益)となりました。
② 化学繊維用紡糸ノズル事業化学繊維用紡糸ノズル事業については、風力発電用ブレード向け炭素繊維用紡糸ノズルの売上の伸長に加え、不織布製造装置案件が検収されるなど堅調に推移いたしました。これらの結果、売上高は1,305百万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益は232百万円(前年同期比23.2%減)と、新型コロナウイルスの感染拡大に起因したマスク特需により売上が大きく伸長し、高収益であった前年同期と比較すると減収減益という結果となりました。
③ 電子材料スライス周辺事業電子材料スライス周辺事業については、当社の半導体向けダイヤモンドワイヤを正式採用する企業が徐々に増えてきており、それに伴いダイヤモンドワイヤの販売量も増加しております。また、新型ダイヤモンドワイヤ製造装置(PHX-01)販売については、中国ダイヤモンドワイヤメーカーへの販売案件において、その対価の一部を収益計上いたしました。これらの結果、売上高は54百万円(前年同期比448.8%増)、セグメント損失は116百万円(前年同期は210百万円のセグメント損失)となりました。
④ マテリアルサイエンス事業新規事業として取り組んでいるナノサイズゼオライトについて、一部顧客において開発ステージからエンドユーザでの評価ステージへ移行しております。また、業務提携先である山全社からのパイロットプラントに係る受託収入を計上しております。これらの結果、売上高は73百万円(前年同期比687.1%増)、セグメント損失は53百万円(前年同期は77百万円のセグメント損失)となりました。
(2) 財政状態の分析① 資産契約資産が303百万円減少、現金及び預金が256百万円減少、商品及び製品が194百万円減少したこと等により、総資産は前連結会計年度末に比べ789百万円減少し5,085百万円となりました。
② 負債支払手形及び買掛金が365百万円減少、契約負債が220百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が66百万円減少したこと等により、負債は前連結会計年度末に比べ748百万円減少し4,286百万円となりました。
③ 純資産利益剰余金が35百万円減少したこと等により、純資産は前連結会計年度末に比べ40百万円減少し799百万円となりました。この結果、自己資本比率は15.4%(前連結会計年度末は14.1%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ256百万円減少し、2,675百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における連結キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動によって得られた資金は、89百万円(前年同期は303百万円の収入)となりました。これは、契約資産の減少303百万円、棚卸資産の減少223百万円、未収消費税等の減少107百万円等の増加要因が、仕入債務の減少375百万円、契約負債の減少220百万円等の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動によって支出された資金は、276百万円(前年同期は199百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出245百万円、有形固定資産の除却による支出18百万円、無形固定資産の取得による支出12百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動によって支出された資金は、79百万円(前年同期は308百万円の収入)となりました。これは、長期借入金の返済による支出66百万円、リース債務の返済による支出12百万円によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は123百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。