【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態の状況(資産)当連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて710百万円減少し、1,398百万円となりました。これは現金及び預金が709百万円減少したこと等によるものです。流動資産は1,087百万円となりました。主な内容は、現金及び預金994百万円等であります。固定資産は311百万円で、主な内容は建物及び構築物218百万円、長期前払費用44百万円及び差入保証金38百万円等であります。(負債)負債は、前連結会計年度末に比べて32百万円増加し、185百万円となりました。これは主に未払金の増加56百万円、未払法人税等の減少24百万円等によるものであります。流動負債は158百万円となりました。主な内容は未払金137百万円、未払法人税等18百万円であります。固定負債は27百万円となりました。内容は資産除去債務22百万円、繰延税金負債5百万円であります。(純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べて742百万円減少し、1,212百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失1,111百万円により利益剰余金のマイナスが1,111百万円拡大したこと、行使価額修正条項付第24回新株予約権の行使によって資本金及び資本剰余金がぞれぞれ177百万円増加したこと等によるものであります。また、 2022年3月30日開催の第20期定時株主総会において、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分に関する議案が承認可決されました。その結果、資本金及び資本準備金がそれぞれ7,753百万円、4,486百万円減少しており、その合計額12,240百万円を繰越利益剰余金に振り替えることにより欠損てん補を行いましたが、これによる純資産に与える影響はありません。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の89.9%から82.2%となりました。
② 経営成績の状況当連結累計期間の売上高は59百万円(前年同期は8百万円)、研究開発費用とその他経費を合わせた販売費及び一般管理費は1,155百万円(前年同期は1,067百万円)を計上しました。営業損失は1,098百万円(前年同期は1,061百万円)、営業外収益に、主に東かがわ市事業強靭化補助金交付事業に係る助成金収入1百万円等を含め1百万円、営業外費用に、主に破産更生債権に係る貸倒引当金繰入額2百万円、在外子会社の財務諸表項目の換算及び外貨建未払金の換算等により生じた為替差損3百万円、第22回及び第23回新株予約権並びに行使価額修正条項付第24回新株予約権の発行に係る営業外支払手数料7百万円、行使価額修正条項付第24回新株予約権の行使に係る株式交付費1百万円等を含め14百万円を計上し、経常損失は1,112百万円(前年同期は1,066百万円)、特別利益として、新株予約権戻入益2百万円があり、法人税等1百万円の計上によって親会社株主に帰属する当期純損失は1,111百万円(前年同期は1,059百万円)となりました。なお、当社は単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ709百万円減少し、994百万円となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用したキャッシュ・フローは、1,073百万円(前連結会計年度は923百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失が1,109百万円となったこと、減価償却費が46百万円になったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは1百万円(前連結会計年度は2百万円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出1百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得したキャッシュ・フローは356百万円(前連結会計年度は815百万円の収入)となりました。これは,取締役、監査役、子会社取締役及び従業員を対象とする第22回新株予約権(有償)及び行使価額修正条項付第24回新株予約権の発行による収入4百万円、行使価額修正条項付第24回新株予約権の行使による収入352百万円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績当社グループの製品は、すべて製造委託しております。
b.受注実績当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
事業の名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
医薬事業(製品売上高)
12,082
1,397.6
2,600
―
合計
12,082
1,397.6
2,600
―
c.販売実績当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
事業の名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
医薬事業(製品売上高)
9,482
113.6
医薬事業(研究開発等収入)
50,000
―
合計
59,482
712.4
(注)
1. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
帝國製薬株式会社
7,485
89.6
57,509
96.7
株式会社マリーヌ
864
10.4
1,972
3.3
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、ヨードコート軟膏の製造販売権を帝國製薬株式会社に譲渡したことによるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。なお、この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に資産の評価や引当金の計上であり、これらの見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
創薬パイプライン型ベンチャーである当社グループにおいては、創薬パイプラインの開発を一歩一歩進めて開発アセットの価値を高めていくことが、当社企業価値を最大化する唯一の道筋と考えています。当社グループにとって2022年は、<MRX-5LBT “Lydolyte”>について大きな進展があった一方で、<CPN-101 (MRX-4TZT)>については前年度からの足踏みが続き、その他のパイプラインの進捗も含め功罪相半ばする年となりました。
<MRX-5LBT:帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)”Lyodolyte”>開発が最も進んでいる本パイプラインに関して、大きな進展がありました。FDAから承認取得のために必要であると指摘を受けた試験に関して、試験内容詳細についてFDAと合意した上で追加実施し良好な結果を得ました。現在、再申請に向けた準備を進めており、2023年前半に承認申請を行い、6ヶ月間の審査期間を経て2023年後半に承認取得することを見込んでいます。
<CPN-101(MRX-4TZT):痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)>開発・販売提携先のCiplaから今後の開発の進め方について申し入れがあり協議を続けています。1日でも早く開発再開することで本パイプラインの価値向上を図りたい当社グループとして、当社グループが臨床第Ⅱ相試験費用の一部または全部を負担することを本線として協議を進めていますが、残念ながら現時点において開発を進めるための決定には至っていません。開発再開するための合意を早期に形成したいと考えています。
<MRX-9FLT:中枢性鎮痛貼付剤(フェンタニルテープ剤)>MRX-9FLTが持つ誤用事故防止機能が評価され、FDAからファスト・トラック指定(重篤または生命を脅かす恐れのある疾患やアンメットメディカルニーズの高い疾患に対して治療効果が期待される新薬を優先的に審査する制度。開発から審査までの迅速化を目的としている。ファスト・トラック指定により、臨床試験に関する相談などFDAと協議する機会がより多く与えられる)を受けています。早期の承認取得を目指して開発を進めてまいります。
<MRX-7MLL:アルツハイマー治療薬(メマンチン貼付剤)>非臨床試験および治験薬製造が完了し2021年11月にINDを提出して、臨床試験開始の許可を得ました。一方で、INDにおけるFDAとのやりとりの中で製剤改良に関する示唆・助言を得ました。FDAからの示唆・助言を反映する形で製剤を改良し一部の非臨床試験を追加実施した上で、臨床試験を開始する計画です。
<マイクロニードルアレイ(MN)>国内外の複数の製薬会社・ワクチンベンチャー等とフィージビリティスタディ(実現可能性を検討する研究)を実施しながら、事業提携を模索しています。その一つとして、2021年8月に株式会社ファンペップと抗体誘導ペプチドMN製剤についての共同研究を、2022年3月には米国コロンビア大学と免疫賦活剤および抗がんペプチドとMNを組み合わせた乳がん治療のための共同研究を、2022年10月には米国VaxSyna Inc.とヒトパピローマウイルスに対するワクチンとMNを組み合わせた子宮頸がんワクチンに関する共同研究を開始しています。
繰り返しになりますが、創薬パイプライン型ベンチャーである当社グループにおいては、創薬パイプラインの開発を一歩一歩進めて開発アセットの価値を高めていくことが、当社企業価値を最大化する唯一の道筋と考えています。医薬品の開発にはリスクがつきものですが、今後も開発パイプライン群のポートフォリオ構成に留意しつつ、早期の製品化に向けて積極的に開発を進めるとともに、製薬会社等との事業提携を模索してまいります。未だ主要パイプラインが臨床開発段階にある創薬パイプライン型ベンチャーの当社グループとして、最重要視している財務指標は現有資金です。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は994百万円であり、当面の開発及び運転資金相当と考えています。今後も、提携済みパイプラインからのマイルストン収入や新たな事業提携による契約一時金収入等の事業収益と、適時適切な財務活動による資金調達を組み合わせて、開発資金の確保と中長期的企業価値の最大化を追求してまいります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの資金需要のうち主なものは、研究開発資金及び運転資金であります。 これらの資金は基本的に自己資金によっておりますが、必要に応じて増資や新株予約権の発行により資金を調達することとしております。 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
