【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の第7波や第8波の影響を断続的に受けたものの、入国管理における水際対策の緩和やマスク着用ルールの見直し、全国旅行支援などの経済活動の正常化に向けた施策の効果もあり、引き続き消費活動は緩やかな回復の兆しを見せております。その一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や為替相場の変動によるエネルギー資源や原材料価格などの高騰、世界的に進む政策金利の見直しによる金融資本市場の変動リスクがあり、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いています。
外食業界においては、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限が緩和されたことで、外食需要の回復基調が続いているものの、生活様式の変化により外食から中食・内食へのシフト、大人数での外食や夜間の外出行動の抑制の影響を引き続き受けております。また、原材料価格や光熱費、人件費などの上昇、さらには急激な物価上昇から消費者の節約志向が強まるなど、厳しい経営環境に直面しております。
このような状況下において、当社グループは中期経営計画「ビジョン2025」の実現に向けて、お客様と従業員の安全・安心を最優先事項と捉え、感染症対策を継続しながら店舗運営を行いました。また、当社グループの売上向上施策として、既存店舗の内外装の積極的な改装や看板商品の磨きこみ、グランドメニューの変更、サービス力の強化を行い、他社との差別化を図るとともに顧客体験価値の向上に努めました。さらに、『焼肉きんぐ』や『丸源ラーメン』のテレビCMの放映、スマートフォンアプリやブランドサイト、SNSなどを活用したデジタルマーケティングの強化により、お客様からの認知度やブランドロイヤルティの向上を図りました。これらの施策の効果などにより国内既存店(注)の当第3四半期連結累計期間における売上高は、直営店において前年同期比18.6%増、フランチャイズ店において前年同期比20.2%増となりました。
また、昨今の原材料価格の高騰への対応策として、当社グループは商品ラインナップやメニュー価格、クーポンなどの各種販売促進施策の見直しを図っております。加えて、光熱費や人件費などの上昇への対応策として、店舗営業時間の適正化、電力自動制御装置(デマンドコントロール)の設置店舗拡大や配膳ロボットの活用、セルフレジならびにタッチパネル注文システムやキャッシュレス決済サービスの拡充を図るとともに、本社を含む業務の効率化や高度化に向けたIT化の推進に取り組んでおります。
新業態への取り組みとしては、『熟成醤油ラーメン きゃべとん』『牛たん大好き 焼肉はっぴぃ』『焼きたてのかるび』を軸に育成を進め、中国・上海で新たに『肉肉大米』『韓国焼肉 猪猪猪』を出店いたしました。また、中長期的な成長の実現にむけて、人財の採用や教育・研修による能力開発、健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定、IT化の推進、海外事業の強化などの基盤づくりを行いました。さらに、インドネシアにおける事業展開を目的とし、PT. Agrapana Niaga Gemilang社の株式の譲渡契約および合弁契約を締結することといたしました。
店舗出店については、国内において郊外ロードサイドの好立地への積極的な出店に加えて、商業施設や都市部などの新たなロケーションへの進出により、直営21店、フランチャイズ5店、また海外において6店を出店した結果、当第3四半期連結会計期間末における当社グループの店舗数は648店舗(直営390店、フランチャイズ237店、海外21店)となりました(後掲表1参照)。
以上の結果により、売上高は68,355百万円(前年同期比26.6%増)、営業利益5,631百万円(前年同期比186.4%増)、経常利益5,575百万円(前年同期比17.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,531百万円(前年同期比21.9%増)となりました。
(注)国内既存店とは、開店から18カ月以上経過している国内の店舗と定義しております。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の概況については、当社グループの事業は単一セグメントでありますので、その概況を部門別に示すと次のとおりであります。
①焼肉部門
当第3四半期連結累計期間中において、『焼肉きんぐ』は14店舗出店(直営10店、フランチャイズ4店)いたしました。これにより、焼肉部門の当第3四半期連結会計期間末の店舗数は299店舗(直営185店、フランチャイズ114店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は35,982百万円(前年同期比25.7%増)となりました。
②ラーメン部門
当第3四半期連結累計期間中において、『丸源ラーメン』は7店舗出店(直営6店、フランチャイズ1店)いたしました。これにより、ラーメン部門の当第3四半期連結会計期間末の店舗数は196店舗(直営96店、フランチャイズ100店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は10,702百万円(前年同期比37.8%増)となりました。
③お好み焼部門
当第3四半期連結累計期間中において、『お好み焼本舗』は1店舗出店(直営1店)いたしました。これにより、お好み焼部門の当第3四半期連結会計期間末の店舗数は22店舗(直営16店、フランチャイズ6店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は1,458百万円(前年同期比20.7%増)となりました。
④ゆず庵部門
当第3四半期連結会計期間末におけるゆず庵部門の店舗数は94店舗(直営77店、フランチャイズ17店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は11,573百万円(前年同期比26.6%増)となりました。
⑤専門店部門
当第3四半期連結累計期間中において、『牛たん大好き 焼肉はっぴぃ』は1店舗出店(直営1店)し、『焼きたてのかるび』は3店舗出店(直営3店)いたしました。これにより、専門店部門の当第3四半期連結会計期間末の店舗数は16店舗(直営16店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は1,860百万円(前年同期比38.3%増)となりました。
⑥フランチャイズ部門
主にフランチャイズ加盟企業からの売上分配方式の売上ロイヤルティ・加盟金・業務受託料などであります。当第3四半期連結累計期間中においてフランチャイズは5店舗出店いたしました。これにより、フランチャイズ部門の当第3四半期連結会計期間末の店舗数は237店舗となりました。
以上の結果により、売上高は4,406百万円(前年同期比20.7%増)となりました。
⑦その他部門
主に連結子会社である物語(上海)企業管理有限公司による取り組みであります。当第3四半期連結累計期間中に6店舗出店いたしました。これにより、その他部門の当第3四半期連結会計期間末の店舗数は21店舗となりました。
以上の結果により、売上高は2,371百万円(前年同期比4.3%増)となりました。
表1「部門別店舗数の状況」
(単位:店)
直営(国内)
FC(国内)
海外
2023年3月末
店舗数
焼肉部門
185
114
-
299
ラーメン部門
96
100
-
196
お好み焼部門
16
6
-
22
ゆず庵部門
77
17
-
94
専門店部門
16
-
-
16
その他部門
-
-
21
21
合計
390
237
21
648
当第3四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は50,846百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,649百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金が1,643百万円増加、有形固定資産が1,325百万円増加、売掛金が1,273百万円増加、差入保証金が240百万円増加、無形固定資産が123百万円増加したことなどによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債は25,158百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,921百万円の増加となりました。これは主に買掛金が1,228百万円増加、流動負債のその他に含まれている未払消費税等が486百万円増加および未払費用が333百万円増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は25,688百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,728百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金が2,683百万円増加したことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は49.9%(前連結会計年度末は49.0%)となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。
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