【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化の過程にあり、内需を中心に持ち直し基調にあります。特に昨年10月以降は全国旅行支援等が追い風となり、国内における旅行、観光需要が拡大し個人のサービス消費が回復傾向で推移しました。また本年に入り、新型コロナウイルス感染症の分類見直しも決定し、経済活動の完全な正常化やインバウンド消費の回復が期待されます。一方、欧米各国の過度の金融引き締めによる景気減速や、国内の物価上昇が賃金上昇を上回って拡大する懸念があり、日本の輸出や個人消費に下押し圧力となる可能性があります。橋梁・鉄骨業界におきましては、橋梁の発注量は、前年同四半期を1割程度下回っておりますが、防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策による発注が順次執行されているなか、熾烈な受注競争が続いております。また、鉄骨の発注量は前年同四半期より下回っておりますが、通期では前年度と同水準となることが予想されるなか、鋼材価格を始めとする建設資材も引き続き高い水準で推移しており、首都圏を中心とした再開発の計画案件の見直しや工期・工程の遅延等の影響による業績の下振れが懸念されます。このような厳しい環境のなか、当第3四半期連結累計期間の受注高は総額332億3百万円(前年同四半期比67.7%増)を確保いたしました。売上高は総額267億9千万円(同27.1%増)となりました。損益につきましては、一部大型鉄骨工事に工期の遅延が生じたことに加え、引き続き追加変更の獲得交渉に時間を要していることから、遺憾ながら営業損失2億7千万円(前年同四半期は11億4千9百万円の利益)となりました。経常利益は2千7百万円(同98.1%減)の利益を確保しましたが、親会社株主に帰属する四半期純損失6千1百万円(同11億5千1百万円の利益)となりました。
セグメント別の概要は次のとおりであります。
― 橋梁事業 ―当第3四半期連結累計期間の受注高は、国土交通省中国地方整備局・令和4年度北条JCTランプ橋第3鋼上部工事、東京都・箱根ヶ崎陸橋(4)鋼けた製作・架設工事その2他の工事で117億3千9百万円(前年同四半期比0.3%減)となりました。売上高は、国土交通省中国地方整備局・令和2年度東広島バイパス海田西ランプ橋鋼上部他工事、石川県・主要地方道金沢美川小松線地方道改築5類工事(手取川橋梁P3-A2上部工)他の工事で104億7千3百万円(同20.2%増)となり、これにより受注残高は267億9千7百万円(同39.1%増)となっております。
― 鉄骨事業 ―当第3四半期連結累計期間の受注高は、明治安田生命新宿ビル建替工事、品川開発プロジェクト4街区大庇鉄骨工事他の工事で210億9千5百万円(前年同四半期比173.9%増)と大幅増加となりました。売上高は、(仮称)虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業施設建築物A街区、(仮称)虎ノ門一・二丁目地区第一種市街地再開発事業施設建築物等実施設計業(A-1街区)建築工事他の売上などで156億5千2百万円(同31.8%増)となり、これにより受注残高は366億6千8百万円(同159.0%増)と大幅な増加となっております。
― インフラ環境事業 ―風力発電等による環境事業、インフラを中心とした海外事業における当第3四半期連結累計期間の受注高は3億6千8百万円(前年同四半期比15.3%増)、売上高は2億6千5百万円(同248.7%増)となり、これにより受注残高は3億6百万円(同17.2%増)となっております。
― 不動産事業 ―当社グループは、大阪市西淀川区にある大阪事業所の未利用地部分等について賃貸による不動産事業を行っており、当第3四半期連結累計期間における不動産事業の売上高は3億6百万円(前年同四半期比1.5%減)となっております。
― その他 ―当社グループは、その他の事業として印刷事業等を行っており、当第3四半期連結累計期間におけるその他の売上高は9千2百万円(前年同四半期比9.6%減)となっております。
当第3四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、総資産は前連結会計年度末より16億4千6百万円増加し、541億7千3百万円となりました。資産の部では、前連結会計年度末より現金預金が65億8百万円減少したものの、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産が58億8百万円増加したことなどにより、流動資産が5億5千5百万円増加し、321億5千6百万円となりました。固定資産は前連結会計年度末より10億9千1百万円増加し、220億1千6百万円となりました。 負債の部では、前連結会計年度末より未成工事受入金が9億1千5百万円減少したものの、電子記録債務が30億3千7百万円増加したことなどにより、流動負債が10億2百万円増加し、148億4千9百万円となりました。固定負債は99億4千2百万円となり、負債合計は前連結会計年度末より18億9百万円増加し、247億9千2百万円となりました。 純資産の部では、前連結会計年度末よりその他有価証券評価差額金が1億8千9百万円増加したものの、利益剰余金が4億1千万円減少したことなどにより、純資産は1億6千2百万円減少し、293億8千万円となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億7千7百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。