【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、緩やかに回復しています。先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっているほか、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意が必要となります。
航空業界においては、新型コロナウイルスの感染症法上の分類変更に伴い、出入国制限を含む行動規制が全面的に解除されたことにより、着実な需要回復が続いております。第2四半期(7~9月)の羽田空港旅客数は、国内線では、前年同期比で1.2倍、コロナ影響前の2019年比で約85%、国際線では、前年同期比で4倍超、2019年同期を少し上回る水準となりました。
このような中、当社グループは、長期ビジョン“To Be a World Best Airport”の実現に向けて、中期経営計画の各施策を着実に実行しております。
施設面では、国際線旅客の急激な増加に国や航空会社と連携して対応するために、コロナ禍の影響で閉鎖していた第2ターミナル国際線施設を7月から供用再開しました。また、館内のWi-Fi通信環境の整備を進めるとともに、大規模災害に備えた改修工事や設置後年数の経過した搬送機などの更新工事を順次行っております。また、夏季においては、ターミナル内の照明の一部消灯や空調の運転制御等の省エネを実施しました。さらに、第2ターミナル北側サテライトと本館との接続工事の実施、第1ターミナル北側サテライト建設工事の施工者選定を進めるなど、将来へ向けた投資計画を着実に推進しております。加えて、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、羽田空港における空港車両のEV化の検討や水素エネルギーの利活用に向けた調査などを行っております。
営業面では、かねてよりコロナ後の国際線旅客需要の回復を見据えて、第3ターミナルに国内空港初の「ルイ・ヴィトン」を昨年11月に出店するなど、免税店舗の再配置を進めており、今年度はロビーエリアに4店舗を新たにオープンしました。国内線では、各種スポーツイベントの開催に合わせて「HANEDA Sports」内に期間限定ストアをオープンしたほか、全国各地の物産イベント等を積極的に展開しております。また、9月には第2ターミナルにブリティッシュパブ「HUB」がオープンするなど、快適な空港利用、滞在時間の価値向上に取り組んでおります。
羽田空港以外では、6月以降、成田空港第1ターミナルのロビーエリアで「AIRPORT DRUG」をリニューアルオープンし、免税エリアで「クレ・ド・ポー ボーテ」「SK-Ⅱ」「エルメス」のコスメブティックをオープンしました。また、羽田空港に隣接する「HANEDA INNOVATION CITY」では、空港の課題解決に異業種連携で取り組む研究開発拠点「terminal.0 HANEDA」の来年1月の開設に向けて、参画企業の募集を行いました。
組織・人財面では、採用活動を強化し人員確保に努めるとともに、人員定着に向けて待遇改善にも取り組んでおります。さらに、東京大学との産学連携プロジェクトや障がい者採用の拡充、インナーブランディング活動“プラスワンプロモーション”等を通じて、「自ら考え挑戦する人財」の活躍、多様な人財が互いを高め合う企業風土の構築を目指してまいります。
サステナビリティの面では、5月に公表したサステナビリティ中期計画の実現に向けて、全社横断的に取り組んでいるほか、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示を行い、CDP(気候変動関連質問書)などのESG関連調査への回答を進めており、11月には統合報告書の発行を予定しています。
なお、当社は7月の創立70周年を機に、どんな状況にあっても常に進化の道を選べる組織になるという決意表明として、グループ全20社のコーポレートロゴを刷新しました。新しいロゴマークは、役職員一人ひとりの意識を変えていくこと、挑戦の精神を未来に向けて羽ばたかせ世界一の空港へと飛躍していくという想いを込めたものです。
なお、羽田空港旅客ターミナルは、英国SKYTRAX社の“World Airport Star Rating”において、昨年11月に世界最高水準である「5スターエアポート」を9年連続で獲得しました。また、本年3月の“WORLD AIRPORT AWARDS 2023”において、国際空港の総合評価である「World’s Best Airports」部門で世界第3位、さらに「World’s Cleanest Airports」部門(8年連続)、「World’s Best Domestic Airports」部門(11年連続)、「World’s Best PRM / Accessible Facilities」部門(5年連続)で世界第1位の評価をいただきました。
(※ PRMは、Persons with Reduced Mobilityの略。高齢者、障がいのある方や怪我をされた方の意味。)
物価上昇や為替変動等の外部環境に加え、航空業界では国際線需要の急速な回復に伴う人手不足が課題となっておりますが、当社グループはコロナ禍での学びを活かしつつ、需要の回復にグループ一丸となってしっかりと対応してまいります。そして、利便性・快適性及び機能性の向上を目指し、顧客第一主義と絶対安全の確立に努め、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績につきましては、次のとおりとなりました。
①財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ 151億3百万円増加し、1,300億9千1百万円となりました。これは主に、旅客数の回復により商品売上が増加したことに伴う売掛金の増加によるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ 100億2千3百万円減少し、3,219億4千3百万円となりました。これは主に、減価償却に伴う減少によるものです。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ 50億7千9百万円増加し、4,520億3千5百万円となりました。
(負債)
負債合計は前連結会計年度末に比べ 43億3千4百万円減少し、3,016億6千9百万円となりました。これは主に、商品仕入の増加に伴う買掛金の増加があるものの、約定返済に伴い長期借入金が減少したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末に比べ 94億1千4百万円増加し、1,503億6千5百万円となりました。これは主に、利益剰余金及び非支配株主持分が増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、34.9%(前連結会計年度末は 33.6%)となりました。
②経営成績
当第2四半期連結累計期間の業績については、旅客数の増加に伴いすべてのセグメントで売上高が増加し、営業収益は 1,001億4千8百万円(前年同期比 129.6%増)となりました。旅客数や売上増に伴い営業費用は前年から増加しておりますが、売上の増加が牽引し、営業利益は 135億8百万円(前年同期は営業損失 92億7千3百万円)、経常利益は 124億8千1百万円(前年同期は経常損失 97億5千9百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は 82億3千4百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失 33億4千1百万円)となりました。
(単位:百万円)
区 分
前第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)
当第2四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
前年同期比増減率(%)
営 業 収 益
43,613
100,148
129.6
施設管理運営業
27,311
43,683
59.9
物品販売業
12,871
49,490
284.5
飲食業
3,430
6,974
103.3
営 業 損 益
△ 9,273
13,508
-
経 常 損 益
△ 9,759
12,481
-
親会社株主に帰属する
四半期純損益
△ 3,341
8,234
-
セグメント別の概況
セグメント別の業績は次のとおりです。なお、各事業における売上高はセグメント間の内部売上高を含み、営業利益(損失)はセグメント利益(損失)に該当します。
(施設管理運営業)
(単位:百万円)
区 分
前第2四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)
当第2四半期連結累計期間
(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
前年同期比
増減率
(%)
外部顧客への売上高
27,311
43,683
59.9
家賃収入
10,009
9,824
△ 1.9
施設利用料収入
11,146
25,098
125.2
その他の収入
6,155
8,760
42.3
セグメント間の内部売上高
1,095
1,491
36.1
売上高 合計
28,406
45,174
59.0
セグメント損益
△ 4,062
9,239
-
家賃収入については、歩合賃料収入が増加したものの、水際対策終了に伴い国へ提供していた検疫スペースが返却されたこと等により、前年を下回っております。
施設利用料収入については、旅客数の回復に伴う旅客取扱施設利用料(PSFC)収入の増加等により、前年を上回っております。
その他の収入については、ラウンジ収入や駐車場収入の増加等により、前年を上回っております。
費用面では、旅客数の増加や物価上昇に伴い、業務委託料や修繕費などのターミナル維持管理コストが増加しております。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 451億7千4百万円(前年同期比 59.0%増)となり、営業利益は92億3千9百万円(前年同期は営業損失 40億6千2百万円)となりました。
(物品販売業)
(単位:百万円)
区 分
前第2四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)
当第2四半期連結累計期間
(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
前年同期比
増減率
(%)
外部顧客への売上高
12,871
49,490
284.5
国内線売店売上
4,036
6,333
56.9
国際線売店売上
5,624
31,144
453.8
その他の売上
3,211
12,012
274.1
セグメント間の内部売上高
426
701
64.5
売上高 合計
13,298
50,192
277.4
セグメント損益
△ 664
8,883
-
国内線売店売上については、国内線旅客数の回復に伴い前年を上回っております。
国際線売店売上については、羽田空港や成田空港等での国際線旅客数の増加及び、円安影響等で免税売店の購買単価が上昇したことにより、前年を上回っております。
その他の売上については、主に地方空港国際線向けの卸売売上が増加し、前年を上回っております。
その結果、物品販売業の営業収益は 501億9千2百万円(前年同期比 277.4%増)となり、営業利益は88億8千3百万円(前年同期は営業損失 6億6千4百万円)となりました。
(飲食業)
(単位:百万円)
区 分
前第2四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)
当第2四半期連結累計期間
(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
前年同期比
増減率
(%)
外部顧客への売上高
3,430
6,974
103.3
飲食店舗売上
2,449
3,509
43.3
機内食売上
766
2,876
275.1
その他の売上
213
588
175.1
セグメント間の内部売上高
432
343
△ 20.5
売上高 合計
3,863
7,318
89.4
セグメント損失
△ 818
△ 71
-
飲食店舗売上については、主に国内線旅客数の回復により、前年を上回っております。
機内食売上については、羽田、成田における外国航空会社の旅客数の回復により、前年を上回っております。
その結果、飲食業の営業収益は 73億1千8百万円(前年同期比 89.4%増)となりましたが、人手不足による店舗の営業時間短縮の影響や、原材料価格の高騰に伴う売上原価の上昇もあり、営業損失は 7千1百万円(前年同期は営業損失 8億1千8百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ 23億5千6百万円減少し、878億8千4百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べ 156億9千9百万円収入が増加
(前期比226.1%増)し、226億4千1百万円の収入となりました。
これは主に、税金等調整前四半期純利益(前期は税金等調整前四半期純損失)を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べ 138億4千2百万円支出が増加(前期比575.3%増)し、162億4千8百万円の支出となりました。
これは主に、有価証券の取得による支出、有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べ 21億9千8百万円支出が増加
(前期比33.4%増)し、87億8千4百万円の支出となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出、配当金の支払いであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、販売の実績に著しい変動がありました。その内容については「(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
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