【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に移行したことを受け、経済活動の再開が本格化しつつあります。一方、米国における利上げをはじめとする各国金融施策の変更、ウクライナ情勢を巡る地政学的リスク、原材料価格や資源価格の高騰などを背景に、金融市場・為替相場が不安定化するとともに、世界的なインフレ拡大や景気後退に対する懸念が広がっており、世界経済の先行きと我が国経済への影響についても不透明な状況が続いております。
このような事業環境のもと、当社のヘルスケア事業においては、2019年よりブランド群の育成、デジタル化、マルチチャネル展開という3つの基本方針を推進し、当連結会計年度は、売上高成長と利益率を両立するサステナブルな成長の実現に向けて、成長ブランドの創出、顧客ロイヤルティの向上、チャネル販売力の強化、コストシナジーの創出に注力しております。当第2四半期連結累計期間は、直販における広告投資や定期顧客の継続率改善に向けた施策を継続するとともに、前連結会計年度に新規連結した子会社からの収益貢献により、売上高は22,805百万円(前年同期比5.7%増)となりました。
また、当社は、キャッシュ・フロー重視の経営にシフトする観点から、当社のキャッシュ・フロー創出力を示す指標として調整後EBITDAを開示しております。調整後EBITDAは、EBITDA(営業利益+のれん償却費及び減価償却費)+助成金収入+株式関連報酬+棚卸資産ステップアップ影響額、として算出しております。上述のヘルスケア事業における広告投資を継続していることに加えて、バイオ燃料事業や研究開発活動を中心に303百万円の助成金収入を計上した結果、当連結会計年度の調整後EBITDAは1,272百万円(前年同期比42.7%減)となりました。
一方、キューサイ株式会社(以下「キューサイ」)の連結子会社化等の過去のM&A案件に伴う無形固定資産及びのれん等の償却費の計上を主因として、営業損失は760百万円(前年同期は営業損失1,422百万円)となりました。また、助成金収入の計上に伴い、経常損失は639百万円(前年同期は経常損失597百万円)となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は914百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失465百万円)となりました。なお、キューサイの連結子会社化時における棚卸資産のステップアップにより計上した含み益の費用化処理は、前連結会計年度で完了しております。
前第2四半期連結会計期間から当第2四半期連結会計期間までの各四半期の業績推移は以下のとおりです。
前第2四半期
連結会計期間
前第3四半期
連結会計期間
前第4四半期
連結会計期間
当第1四半期
連結会計期間
当第2四半期
連結会計期間
売上高
(百万円)
10,761
10,752
12,056
10,837
11,967
調整後EBITDA(百万円)
665
267
160
776
495
営業損益 (百万円)
△695
△875
△1,158
△176
△584
経常損益 (百万円)
△679
△543
△1,348
△111
△528
セグメント別の状況については、以下のとおりです。
(ヘルスケア事業)
当第2四半期連結累計期間は、成長ブランドの創出に向けて、新たなスキンケアブランド「NEcCO(ネッコ)」のローンチ、前連結会計年度にローンチした新ブランドの育成、既存ブランドの商品ラインアップの拡充等に取り組むとともに、顧客ロイヤルティの向上、チャネル販売力の強化、コストシナジーの創出に向けた施策を推進しました。直販において、広告クリエイティブや広告手法の見直しにより投資効率の改善に取り組みつつ、広告投資を慎重にコントロールしながら継続し、グループ定期顧客数が増加に転じた他、2022年7月1日に連結子会社化した株式会社はこが収益貢献した結果、セグメント売上高は20,510百万円(前年同期比1.4%増)となりました。
セグメント損益においては、上述のキューサイの連結子会社化に伴う棚卸資産のステップアップにより計上した含み益の費用化処理は前連結会計年度で完了しており、当第2四半期連結累計期間は、キューサイの連結子会社化等の過去のM&A案件に伴う無形固定資産及びのれん等の償却費1,132百万円を計上しました。以上の結果、セグメント利益は724百万円(前年同期はセグメント損失122百万円)となりました。
(バイオ燃料事業)
バイオ燃料事業においては、バイオジェット・ディーゼル燃料実証プラントにおけるバイオ燃料の実証製造を継続するとともに、当社が製造・供給するバイオ燃料(ブランド名「サステオ」)の導入先の開拓や、バイオジェット・ディーゼル燃料商業プラント(以下「商業プラント」)の建設に向けた取り組みを推進しています。
実証事業については、当社バイオ燃料の導入事例は当第2四半期連結累計期間に累計84件に達し、東京都と締結したバイオ燃料導入促進事業に係る協定やG7広島サミット(主要国首脳会議)を通じた取り組みで「陸・海・空」の全領域のモビリティに「サステオ」を供給した他、本邦初となる航空自衛隊戦闘機へのSAF給油等を実現しました。
商業プラントの建設については、2022年12月に、グローバル大手統合エネルギー企業であるPetroliam Nasional Berhad及びEni S.p.A.と共同で、マレーシアにおいて商業規模のバイオ燃料製造プラント(以下「本商業プラント」といいます。)の建設及び運転するプロジェクトを検討しており、本商業プラント建設に係る技術的・経済的な実現可能性評価を進めていることを発表しました。本商業プラントの原料処理能力は年間約65万トン、バイオ燃料の製造能力は最大で日産1万2,500バレル(年産約72.5万KL相当)となる見通しで、2023年中に3社間で最終投資決定を行い、2025年中に完成することを目指しております。
また、商業化後を見据えて、サプライチェーン構築に向けた取り組みや研究開発活動も展開しております。サプライチェーン構築については、国内外パートナー企業と連携したバイオ燃料のテスト取引を進めており、当第2四半期連結会計期間に大口取引を実行しました。研究開発活動については、マレーシアに新たな研究開発拠点となる「熱帯バイオマス技術研究所」を開設し、これまで国内を中心に進めてきた微細藻類ユーグレナの大規模培養実証に向けた研究開発成果を活用しながら、ユーグレナなどの微細藻類、その他の藻類や植物など、バイオ燃料原料用途のバイオマス生産・利用の最大化・最適化を中心とする研究を推進していきます。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間は、セグメント売上高901百万円(前年同期はセグメント売上高63百万円)、セグメント損失は432百万円(前年同期はセグメント損失376百万円)となりました。
(その他)
当第2四半期連結累計期間は、2021年12月31日をみなし取得日として連結子会社化した大協肥糧株式会社を中心に肥料領域における事業拡大に取り組むとともに、バイオインフォマティクス領域、ソーシャルビジネス領域、先端研究領域においても、事業成長や事業開発に向けた投資を継続しております。以上の結果、当第2四半期連結累計期間は、セグメント売上高1,392百万円(前年同期比7.7%増)、セグメント損失は189百万円(前年同期はセグメント損失113百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
① 資産、負債及び純資産の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は60,817百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,541百万円の増加となりました。これは主に無形固定資産が1,251百万円、受取手形及び売掛金が593百万円、商品及び製品が404百万円それぞれ減少した一方で、2023年2月に完了した第三者割当による新株式発行及び転換社債型新株予約権付社債の発行により現金及び預金が6,344百万円増加したこと等によるものです。
負債は前連結会計年度末から1,159百万円増加し、39,081百万円となりました。これは主に長期借入金が1,376百万円、未払金が567百万円、未払法人税等が349百万円、支払手形及び買掛金が320百万円それぞれ減少した一方で、転換社債型新株予約権付社債が4,800百万円増加したこと等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末から2,382百万円増加し、21,735百万円となりました。これは主に2023年2月に完了した第三者割当による新株式発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,499百万円増加したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は35.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から6,344百万円増加し、16,158百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失618百万円が計上されておりますが、減価償却費1,255百万円、売上債権の減少577百万円を計上したこと等により、500百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出226百万円等により、351百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出1,481百万円があったものの、新株予約権付社債の発行による収入4,800百万円、株式の発行による収入2,962百万円等により、6,195百万円の収入となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、591百万円となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。