【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況については次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の蔓延が長期化する中、ワクチン接種が進み、経済活動が徐々に正常化に向かっていましたが、強い感染力をもつ新たな変異株の再拡大により注視が必要な状況が継続しております。また、ウクライナ情勢の長期化や、資材価格の高騰、円安等による金融情勢の変化など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループでは、コロナ禍における新しい生活様式の中でも「安心・安全に働く環境」を創出するため、最先端のAI(画像認識)技術とセキュリティ専門企業としての長年の実績・ノウハウを駆使し、最適なソリューションの提供に努めてまいりました。「SECURE AC(入退室管理システム)」では、データセンターやフィットネスジムなど新たな販売領域への導入が進んだことに加え、大企業を中心に新型コロナウイルス感染症の影響で控えられていたオフィスへの投資が徐々に戻りつつある傾向から前年同期比で微増となりました。また、顔認証システムの販売が堅調に推移した結果、案件単価は上昇傾向となりました。「SECURE VS(監視カメラシステム)」では、物流倉庫やデータセンター、コンビニチェーンなど新たな販売領域への導入が進んだことに加え、パートナー企業とのリレーション強化施策を進めたことで、中小型案件を中心に引き合いが増加し、堅調に導入企業数を増加させましたが、上期での需要調整や期ズレの影響が大きく、前年同期比で微減となりました。また、当連結会計年度の重点アクションとして取組んでいるセールス・マーケティング部門の大幅な強化に関しては、採用活動が想定どおりに進捗し当連結会計年度末で50名と前連結会計年度末日比で約1.8倍に増強しております。引き続き、事業の拡大を目指して、優秀な人財の確保に努めるとともに、顧客開拓や商品価値向上のためのマーケティング活動の拡充に取組んでまいります。なお、2月には中部エリアの営業活動を促進すべく名古屋出張所を新たに開設し、7月には事業の進展とより一層の業務効率化を目的として、Security System Labを東京都新宿区(本社オフィス)に移転しました。以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は3,384,508千円(前連結会計年度比0.2%増)、営業損失は169,596千円(前年同期は営業利益155,416千円)、経常損失は183,605千円(前年同期は経常利益148,041千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は227,627千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益131,476千円)となりました。なお、当社グループは「セキュリティソリューション事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりません。
② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における総資産は1,993,000千円となり、前連結会計年度末に比べ11,533千円増加しました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少38,153千円及び繰延税金資産の減少25,094千円があったものの、商品の増加165,951千円があったことによるものであります。
(負債)当連結会計年度末における負債合計は1,150,861千円となり、前連結会計年度末に比べ152,481千円増加しました。これは主に、未払消費税等の減少44,076千円があったものの、未払費用の増加77,177千円及び長期借入金の増加106,822千円があったことによるものであります。
(純資産)当連結会計年度末における純資産は842,138千円となり、前連結会計年度末に比べ140,947千円減少しました。これは主に、第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)及び新株予約権の行使により、資本金及び資本剰余金の増加93,189千円があったものの、親会社株主に帰属する当期純損失による利益剰余金の減少227,627千円があったことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、474,194千円となり、前連結会計年度末に比べ201,739千円減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、支出した資金は268,301千円(前年同期は122,231千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上197,082千円、棚卸資産の増加177,699千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、支出した資金は144,709千円(前年同期は70,779千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出83,148千円、敷金及び保証金の差入による支出60,008千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、得られた資金は210,163千円(前年同期は252,140千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出173,834千円があったものの、長期借入れによる収入300,000千円、株式の発行による収入93,189千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b 受注実績当社グループが営む事業は、受注から納品までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
c 販売実績当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループはセキュリティソリューション事業の単一セグメントであるため、当社が提供するサービス区分別に記載しております。
サービス区分
販売高(千円)
前年同期比(%)
SECURE AC入退室管理システム
984,267
104.8
SECURE VS監視カメラシステム
2,268,704
96.8
SECURE Analytics画像解析サービス/その他
131,535
137.4
合計
3,384,508
100.2
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当連結会計年度(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
綜合警備保障株式会社
780,070
23.1
1,040,970
30.8
CBC株式会社
573,332
17.0
413,274
12.2
株式会社JVCケンウッド・公共産業システム
564,747
16.7
376,633
11.1
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えうるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、判断時には予期しえなかった事象等の発生により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の分析(売上高)売上高は、前連結会計年度に比べ5,931千円増加の3,384,508千円となりました。うち、SECURE AC(入退室管理システム)については、データセンターやフィットネスジムなど新たな販売領域への導入が進んだことにより前連結会計年度に比べ4.8%増加となる984,267千円を計上しました。また、SECURE VS(監視カメラシステム)については、物流倉庫やデータセンター、コンビニチェーンなどの新たな販売領域への導入が進んだこと、中小型案件の増加があったものの、上期での需要調整と期ズレがあり、前連結会計年度に比べ3.2%減少となる2,268,704千円を計上しました。
(売上原価、売上総利益)売上原価は、半導体不足による資材価格の高騰や円安による仕入原価上昇の影響を受け、前連結会計年度に比べ14,358千円増加の2,072,504千円となりました。この結果、売上総利益は、前連結会計年度に比べ8,426千円減少の1,312,003千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ316,585千円増加の1,481,600千円となりました。これは主に社員の増加や人材採用による人件費関連費用の増加に加え、広告宣伝費や研究開発費等の戦略費の増加によるものであります。その結果、営業損失は、169,596千円(前連結会計年度は営業利益155,416千円)となりました。
(営業外損益・経常損失)営業外収益は466千円となりました。これは主に雑収入によるものであります。営業外費用は14,475千円となりました。これは主に事務所移転費用及び借入利息の支払いによるものであります。その結果、経常損失は、183,605千円(前連結会計年度は経常利益148,041千円)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純損失)当連結会計年度においては、特別利益は発生しておりません。特別損失は、13,477千円となりました。これは投資有価証券評価損の計上によるものであります。その結果、税金等調整前当期純損失は、197,082千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益148,041千円)となりました。法人税、住民税及び事業税は2,192千円、法人税等調整額は28,353千円を計上し、その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、227,627千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益131,476千円)となりました。
③ 財政状態の分析及びキャッシュ・フローの状況の分析財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要②財政状態の状況及び③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの事業活動における運転資金需要のうち主なものは、販売用商品の仕入、開発活動に係る人件費及び研究開発費、販売費及び一般管理費における営業関連費用であります。これらの資金につきましては、営業活動によって得られる資金でまかなうことを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの調達を実施する方針であります。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループは経営目標の達成状況を判断するための経営上の指標として、システム単位での導入件数(※)を活用しています。当社グループの主たる収益源は、SECURE AC(入退室管理システム)とSECURE VS(監視カメラシステム)のシステム案件に係る売上であり、システム単位での導入件数を増加させることで将来の収益拡大が見込まれます。当該指標については、SECURE AC(入退室管理システム)が、2018年12月期は577件、2019年12月期は721件、2020年12月期は907件、2021年12月期は966件、2022年12月期は960件、SECURE VS(監視カメラシステム)が、2018年12月期は721件、2019年12月期は896件、2020年12月期は2,035件、2021年12月期は2,296件、2022年12月期は2,798件となっております。2022年12月期においては、物流倉庫やデータセンターなど新たな販売領域への導入が進んだことに加え、パートナー企業とのリレーション強化施策を進めたことで、SECURE VS(監視カメラシステム)を中心に導入件数が大幅に増加しました。今後も、AI実装サービスの拡充や、パートナー企業との新サービスの共同開発等を通して、システム導入件数を増大させることで収益拡大に取組んでまいります。※導入件数とは、SECURE AC(入退室管理システム)は販売単価が20万円以上、SECURE VS(監視カメラシステム)は販売単価が10万円以上のシステム案件としており、不具合対応やOEM等のプロジェクトは対象外としております。
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