【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
下記の文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大、ウクライナ情勢の悪化による資源価格の高騰や円安・金融資本市場の変動等、依然として先行きの不透明な状況が続いております。また、当社の属するスペースシェア市場においても、引き続き厳しい競争環境が継続し、厳しい経営環境となりました。一方、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載のとおり、シェアリングエコノミーの領域での経済規模は、引き続き拡大傾向を維持している状況です。このような外部環境の中、当社グループにおいては、「チャレンジを生み出し、世の中を面白くする」というビジョンのもと、「スペースシェアをあたりまえ」にというミッションを掲げており、当社のプラットフォーム「スペースマーケット」を運営してまいりました。当連結会計年度においては、当社の主要KPIの構成要素である利用スペース数は堅調に推移しているものの、1人でのスペース利用の割合が増加していることから、利用スペースあたりのGMVは減少し、最終的にGMVは前年同期比で微増にとどまっております。2022年春以降、スペースシェアの普及とともに、競争環境が激化し、利用者獲得構造に変化が生じ、GMVにおける対前年成長には伸び悩みがみられましたが、2022年10月以降、対応策として注力していた検索エンジンへの施策効果が徐々に発現してきたことに伴い、当社のプラットフォームのGMVは第4四半期において、回復が見受けられ、前年同期を上回る水準で推移いたしました。また、新規事業に対する投資は年間を通じて継続的に実施しております。以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は1,232,780千円(前年同期比0.4%増)、営業損失は114,098千円(前年同期は営業利益59,584千円)、経常損失は113,668千円(前年同期は経常利益65,772千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は114,933千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益38,614千円)となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)当連結会計年度末における流動資産は1,378,449千円となり、前連結会計年度末に比べ19,178千円増加しました。これは主に、未収入金が159,535千円増加した一方で、現金及び預金が126,504千円減少したことによるものです。
(固定資産)当連結会計年度末における固定資産は318,668千円となり、前連結会計年度末に比べ21,157千円減少しました。これは主に、のれんの償却によるものです。
(流動負債)当連結会計年度末における流動負債は987,008千円となり、前連結会計年度末に比べ168,580千円増加しました。これは主に、新規借入により短期借入金が150,000千円増加したことによるものであります。
(固定負債)当連結会計年度末における固定負債は11,764千円となり、前連結会計年度末に比べ68,190千円減少しました。これは主に、返済により長期借入金が32,050千円減少したことによるものであります。
(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は698,345千円となり、前連結会計年度に比べ102,369千円減少しました。これは主に、当連結会計年度に親会社株主に帰属する当期純損失114,933千円を計上したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、445,004千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは159,191千円の支出(前連結会計年度は85,866千円の収入)となりました。これは主として税金等調整前当期純損失113,668千円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは82,880千円の支出(前連結会計年度は224,967千円の支出)となりました。これは主として前連結会計年度において連結子会社化した子会社株式の取得代金の分割払いによる支出36,000千円、有形固定資産の取得による支出5,295千円、無形固定資産の取得による支出37,952千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは115,567千円の収入(前連結会計年度は65,732千円の支出)となりました。これは主として短期借入金の借入による収入150,000千円、長期借入金の返済による支出37,596千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(b) 受注実績当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(c) 販売実績当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループはスペースマーケット事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
サービスの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
プラットフォーム
987,753
99.1
シェアスペース運営サービス
153,711
583.6
法人向けソリューション・他
91,315
44.5
合計
1,232,780
100.4
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。2.当社グループは単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。3.前連結会計年度にはその他へ含めていたシェアスペース運営サービスを金額的重要性が増したことに当連結会計年度よりシェアスペース運営サービスとして記載をしております。4.当連結会計年度において、シェアスペース運営サービスが大きく増加している要因は、子会社であるスペースモールの運営代行の物件数が増加したことに伴う売上高の増加と、同社の連結財務諸表への取込期間が前連結会計年度は6か月間に対して、当連結会計年度は12か月間と期間が異なるためです。5. 法人向けソリューション・他サービスの売上が大きく減少している要因は、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載の通り、法人向けソリューションサービスの終了に伴い新規受注を停止したためです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)当連結会計年度の売上高は1,232,780千円(前年同期比0.4%増)となりました。主な内容は、当社サービス「スペースマーケット」に係る売上高です。
(売上原価、売上総利益)当連結会計年度の売上原価は325,144千円(前年同期比4.7%減)となりました。主な内容は人件費と法人ソリューション原価とで構成されます。以上の結果、売上総利益は907,635千円(同2.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,021,734千円(前年同期比23.5%増)となりました。主な内容は人件費、支払手数料、広告費で構成されます。以上の結果、営業損失は114,098千円(前年同期は営業利益59,584千円)となりました。
(経常利益)当連結会計年度の営業外収益は主に補助金の計上により783千円(前年同期比88.6%減)、営業外費用は主に支払利息の計上により352千円(前年同期比48.1%減)となりました。以上の結果、経常損失は113,668千円(前年同期は経常利益65,772千円)となりました。
(当期純利益)当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は114,933千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益38,614千円)となりました。
なお、当連結会計年度における財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」を、キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性資本の財源及び資金の流動性について、当社の運転資金需要のうち主なものには、人件費、支払手数料、広告宣伝費等があります。運転資金は、主として内部資金及び金融機関による借入により調達しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は445,004千円であり、当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えておりますが、今後、利用者獲得に向けマーケティング投資を継続して行う方針です。また、必要な資金は自己資金及び銀行等から借入等を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率といった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保、市場のニーズにあったサービスの展開等により、当社グループの経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは、スペースシェアをあたりまえにするため、お客様へ届けた価値の合計である全社総取扱高を重要な経営指標としてモニタリングしております。また、直近は全社総取扱高の大部分を締めるGMVの成長も重要指標としており、この2つの最大化へ向けて、経営努力を重ねてまいります。
重視する指標の推移
期間
全社総取扱高(単位:千円)
GMV(単位:千円)
利用スペース数(単位:千スペース)
利用スペースあたりのGMV(単位:千円)
2018年12月期
1,552,300
1,386,478
21.4
64.7
2019年12月期
2,590,750
2,441,043
35.2
69.1
2020年12月期
2,306,500
2,174,568
39.1
55.5
2021年12月期
3,483,939
3,236,722
59.2
54.5
2022年12月期
3,780,716
3,486,803
75.3
46.2
(注)利用スペース数、利用スペースあたりのGMVは小数第2位を切り捨てしております。
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