【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文章中の将来に関する事項は、当第2四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)
財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況 当第2四半期累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進み景気が持ち直していくことが期待される一方、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の景気への影響に注意が必要な状況が続いております。 国内の医療用医薬品市場においては、ドラッグ・ラグや後発医薬品の供給不足で医薬品供給の土台が揺らぐ中、薬価制度の抜本的見直しが議論されています。また、新型コロナウイルス感染症が拡大したことによって、ワクチンをはじめとする医薬品の開発・供給基盤を確保することが、安全保障面においても重要であることを多くの国民が認識するようになりましたが、医薬品の開発には膨大なコストと時間を要するため、最先端のICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の活用によって、新薬の研究や開発に必要となる期間やコストをいかに圧縮できるかが課題となっています。 このような状況の中、当社は「ICTの活用で“持続可能な医療”を目指す」というビジョンを掲げ、患者・医療従事者向けに自社開発した治療用アプリを提供する「DTx(デジタル治療:Digital Therapeutics)プロダクト事業」及び医薬企業向けに汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの提供、DTx開発の支援を行う「DTxプラットフォーム事業」を展開し、ブロックチェーンやAI(人工知能) 技術の応用で業界に新たな価値を生み出して社会課題を解決することを目指して事業を推進しています。 DTxプロダクト事業では、欧米で医薬品に依存しない不眠障害治療の選択肢として推奨されている認知行動療法をベースとして開発、承認申請した不眠障害治療用アプリが2022年12月に開催された厚生労働省薬事・食品衛生審議会プログラム医療機器調査会において、本アプリの医療機器製造販売承認が了承されました。本アプリは、塩野義製薬株式会社との間で締結した販売提携契約に基づき、今後の開発進展などに応じたマイルストン収入として総額最大45億円の受領を予定するとともに、製品上市後はその販売額に応じたロイヤリティを受領する予定です。 また、2022年11月に杏林製薬株式会社との間で締結した耳鼻科領域における治療用アプリの共同研究開発及び販売に関する契約に基づき、契約一時金1億円を受領いたしました。今後の開発進展などに応じたマイルストン収入として総額最大6億円の受領を予定するとともに、製品上市後はその販売額に応じたロイヤリティを受領する予定です。 その他のパイプラインにつきましても、アドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリのPoC取得に向けた探索的試験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を開始したほか、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリに関する探索的試験の準備を行っております。今後も長期的視点での収益の最大化のために、財務指標に先行する開発パイプラインの件数や、臨床試験の進捗を重要な経営指標と位置付けて事業運営を行ってまいります。 DTxプラットフォーム事業では、アキュリスファーマ株式会社において、当社のブロックチェーン技術を活用した、ヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisantの国内第Ⅲ相臨床試験が開始されました。これは、ブロックチェーン技術の企業治験での活用としては世界初の事例(当社調べ)となります。今後もブロックチェーン技術を用いた治験の実施により、新薬開発コストの適正化と治験データの信頼性向上を同時に実現することを目指してまいります。 アカデミア等との共同研究につきましては、新たに公立大学法人名古屋市立大学、公立大学法人横浜市立大学、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター等との取り組みが、国立研究開発法人日本医療研究開発機構並びに国立研究開発法人科学技術振興機構に事業採択されました。これまで社内で蓄積してきた知見をベースに社外の知識も取り込んで新しい価値を作り出すべく、これからも多くの大学や研究機関との共同研究を積極的に推進してまいります。 なお、現時点において、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢の地政学リスクによる当社業績への影響は軽微であります。
これらの結果、当第2四半期累計期間における業績は、事業収益63,171千円(前年同四半期は251,341千円)、営業損失189,546千円(前年同四半期は45,587千円の損失)、経常損失187,766千円(前年同四半期は73,745千円の損失)、四半期純損失190,450千円(前年同四半期は88,125千円の損失)となりました。なお、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業」に採択された国立大学法人九州大学との共同研究の分担金の確定などによる「助成金等収入」1,293千円を営業外収益に計上しております。 また、当社は営業キャッシュ・フローが継続してマイナスとなり、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回ることが見込まれるため、全社資産について減損損失を認識しております。減損損失の金額の内訳は工具器具備品で2,321千円となります。
報告セグメント別の実績は、以下のとおりです。(DTxプロダクト事業)当セグメントは、治療用アプリ開発で構成されております。治療用アプリ開発では、不眠障害治療用アプリの医療機器製造販売承認が了承されました。また、アドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリのPoC取得に向けた探索的試験を進めているほか、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリの探索的試験の準備を行っております。新たな取り組みとして製薬企業との共同開発に着手し、杏林製薬株式会社と耳鼻科領域における治療用アプリの共同研究開発及び製品上市後の販売に関する契約を締結いたしました。加えて、複数の医療機関と共同研究を行い、次のパイプラインの獲得を目指しております。販売段階にあるプロダクトはまだありません。この結果、本報告セグメントの当第2四半期累計期間の事業収益はなく(前年同四半期は200,000千円)、セグメント損失は46,466千円(前年同四半期は75,243千円の利益)となりました。(DTxプラットフォーム事業) 当セグメントは、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの提供、並びにこれらシステムを活用したDTx開発の支援で構成されております。汎用臨床試験システムの提供に関しては、アキュリスファーマ株式会社との間で締結した、治験の実施に関する契約に基づき、企業治験としては世界初(当社調べ)となるブロックチェーン技術を活用した治験が開始されました。また、機械学習自動分析システムの提供及びDTx開発の支援に関する活動につきましても継続利用に支えられ、収益は安定的に推移しております。この結果、本報告セグメントの当第2四半期累計期間の事業収益は63,171千円(前年同四半期は51,341千円)、セグメント利益は39,859千円(前年同四半期は21,067千円の利益)となりました。
②財政状態の状況(資産)当第2四半期会計期間末における流動資産合計は、4,871,787千円となり、前事業年度末に比べ63,811千円減少いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が4,332千円、前払費用が4,931千円増加した一方、現金及び預金が78,369千円減少したこと等によるものであります。当第2四半期会計期間末における固定資産合計は、19,426千円となり、前事業年度末に比べ11,302千円増加いたしました。これは主に無形固定資産が11,403千円増加したこと等によるものであります。(負債) 当第2四半期会計期間末の流動負債合計は、190,875千円となり、前事業年度末に比べ103,186千円増加いたしました。これは主に契約負債が115,556千円増加したほか、未払金が28,023千円増加した一方、未払法人税等が31,242千円減少したこと等によるものであります。 当第2四半期会計期間末の固定負債合計は、前事業年度末より増減はなく5,650千円となりました。(純資産) 当第2四半期会計期間末の純資産合計は4,694,688千円となり、前事業年度末に比べ155,696千円減少いたしました。これは、ストック・オプションの行使により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ14,703千円増加したほか、新株予約権が5,347千円増加した一方で、四半期純損失の計上に伴い利益剰余金が190,450千円減少したことによるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況 当第2四半期累計期間末における現金及び現金同等物の残高は4,825,705千円(前年同四半期は4,304,309千円)となりました。当第2四半期累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果支出した資金は93,546千円(前年同四半期は271,112千円の支出)となりました。これは主に、契約負債の増加115,556千円等により増加し、税引前四半期純損失189,845千円、未払法人税等の減少30,637千円等により減少したものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は14,881千円(前年同四半期は18,529千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出12,636千円及び有形固定資産の取得による支出2,245千円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果増加した資金は30,058千円(前年同四半期は2,967,306千円の増加)となりました。これは主に、新株予約権の行使に伴う新株式の発行による収入29,258千円等によるものであります。
(3) 経営方針・経営戦略等 当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期累計期間において発生した当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動 当第2四半期累計期間における当社の研究開発費の総額は、62,556千円であります。なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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