【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当期末における資産合計は5,473百万円(前期末比848百万円増)となりました。これは売掛金が186百万円減少しましたが、現金及び預金が155百万円、商品が37百万円及びその他(未収入金等)が27百万円増加したこと等により、流動資産が78百万円増加したこと、並びに建物が731百万円増加したこと等により固定資産が769百万円増加したことによるものであります。
負債合計は3,301百万円(前期末比805百万円増)となりました。これは買掛金が49百万円減少しましたが、長・短借入金が820百万円及び資産除去債務が36百万円増加したこと等によるものであります。
純資産合計は2,172百万円(前期末比42百万円増)となりました。これは利益剰余金35百万円とその他有価証券評価差額金7百万円の増加によるものであります。
②経営成績の状況
当期における我国経済は、新型コロナウイルス感染症による経済の混乱から徐々に立ち直りつつありますが、物価高などによる個人所得の伸び悩みなどにより消費マインドは改善せず景気は緩やかな回復に止まっております。
水産物流通業界におきましては、世界的な水産物に対する需要の増加や円安などによる水産物の価格の上昇並びに原油などの値上がりによる光熱費の増加などコスト増が生じております。
このような状況におきまして、当社は市場の特色である高鮮度商品を積極的に販売したことなどにより、売上高は、21,002百万円(前期比5.4%増)と増収になりました。
損益につきましては、売上高増加などにより売上総利益が増加した結果、貸倒引当金の増加など諸経費を吸収し、営業利益25百万円(前期営業損失48百万円)、経常利益79百万円(前期比389.3%増)、当期純利益54百万円(前期比388.5%増)と増益となりました。
部門別の営業の概況は以下のとおりであります。
a.鮮魚部門
販売数量は減少いたしましたが販売単価高により、売上高は増加いたしました。この結果、取扱数量は15,003トン(前期比7.2%減)、売上高は9,371百万円(前期比13.1%増)となりました。
b.冷凍、塩干部門
販売数量の減少により、売上高は減少いたしました。この結果、取扱数量は17,081トン(前期比9.9%減)、売上高は11,630百万円(前期比0.0%減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、投資活動によるキャッシュ・フローは支出超過になりましたが、営業活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローが収入超過となったことにより、前期末に比べ155百万円増加し、408百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 税引前当期純利益79百万円及び減価償却費63百万円が計上されたこと等により、110百万円の収入超過(前期 203百万円の支出超過)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 有形固定資産の取得762百万円等により、756百万円の支出超過(前期 45百万円の支出超過)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 長期借入金の借入800百万円等により、801百万円の収入超過(前期 118百万円の支出超過)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産及び受注実績
該当事項はありません。
b.販売実績
当事業年度
(自 令和4年4月1日
至 令和5年3月31日)
前年同期比(%)
受託商品(千円)
337,858
108.4
買付商品(千円)
20,664,182
105.3
合計(千円)
21,002,041
105.4
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前事業年度
(自
令和3年4月1日
至
令和4年3月31日)
当事業年度
(自
令和4年4月1日
至
令和5年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
株式会社横浜食品サービス
1,684,622
8.5
1,564,451
7.4
相鉄ローゼンフレッシュフーズ株式会社
2,360,587
11.8
2,832,742
13.5
(注)相鉄ローゼンフレッシュフーズ株式会社は、令和4年7月1日付で相栄フーズ株式会社より社名変更しております。
c.仕入実績
当事業年度
(自 令和4年4月1日
至 令和5年3月31日)
前年同期比(%)
買付商品(千円)
19,432,069
103.4
合計(千円)
19,432,069
103.4
(注)金額は仕入価格によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等の概要
当社は、市場の特色である高鮮度商品を積極的に販売したことなどにより、売上高は増加しました。
売上高の増加などにより売上総利益が増加し、貸倒引当金の増加など諸経費を吸収し、営業黒字となりました。
以上の結果、売上高は21,002百万円(前期比5.4%増)と増収、損益につきましては、営業利益25百万円(前期営業損失48百万円)、経常利益79百万円(前期比389.3%増)、当期純利益54百万円(前期比388.5%増)と増益になりました。
当社の経営目標である売上高営業利益率は0.5%でありますが、当期は未達であり、引続き当社の経営戦略である本業の拡大、効率化を進めるため、本年4月より横浜南部市場内の食品加工施設を活用した商品の販売などにより、目標達成を図ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動により得た利益、減価償却により営業活動によるキャッシュ・フローは収入超過となりました。食品加工施設を取得したことなどにより投資活動によるキャッシュ・フローは支出超過となりました。設備資金を借入れたことなどにより財務活動によるキャッシュ・フローは収入超過となりました。
以上により、期首253百万円あった現金及び預金は期末408百万円となりました。
資金需要
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、水産物の仕入代金と水産物卸売業にかかる営業費と一般管理費であります。また、設備資金需要としては、顧客ニーズに対応するための市場における物流及び加工設備並びに情報処理のための電算設備などがあります。
財政政策
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金は、資金計画に基づき銀行借入により調達しております。運転資金及び設備資金につきましては、各部署からの報告を基に管理部が資金計画を作成するなどして、一元管理しております。また、当社は一時的な余剰資金は金融機関からの借入金の返済に充当し、資金運用及びデリバティブ取引は行わないこととしております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって採用している「重要な会計方針」については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しているため省略しております。なお、将来の見通しに関する記述については、現在入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績・結果は異なる場合があります。