【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行するなど、感染拡大防止のための行動制限の緩和により、経済活動の再開が進み、個人消費や設備投資などの持ち直しが見られる一方で、ウクライナ情勢の長期化、資源価格や原材料価格の高騰、円安による物価上昇の影響など、先行きは不透明な状況で推移しております。
このような経済環境の中、当社グループは消費者の皆様及び従業員の安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に配慮しつつ、きのこ事業を中心として、健康食材である「きのこ」の研究開発、生産、販売を通してより多くの皆様へ、おいしさと健康をお届けできるよう事業活動を行ってまいりました。また、「きのこで健康を届けることを使命に市場と消費を拡大する」及び「利益の創出と企業の社会的責任を両立する」を経営ビジョンとして取り組んでまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループの業績は、売上高168億49百万円(前年同四半期比7.6%増)、営業損失12億48百万円(前年同四半期営業損失金額17億1百万円)、経常損失3億4百万円(同経常損失金額5億94百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は3億32百万円(同親会社株主に帰属する四半期純損失金額5億57百万円)となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間の生産量は、ブナピーを含めブナシメジ11,050t(同5.8%減)、エリンギ4,418t(同0.1%増)、マイタケ3,721t(同0.1%減)となりました。
当第1四半期連結累計期間の各セグメントの概況は次のとおりであります。
「国内きのこ事業」
生産部門におきましては、原材料価格、電力費、包装費などの製造原価が大幅に上昇する中、コスト削減に取り組むとともに、引き続き新型コロナウイルス感染症の拡大防止に配慮しつつ、衛生管理をより徹底し、品質の向上と安定栽培に努め、安全・安心なきのこを提供してまいりました。
研究部門におきましては、品質管理体制の強化、付加価値の高い新製品の開発、既存のきのこの改良及びきのこの薬理効果や機能性の追求に取り組んでまいりました。
営業部門におきましては、きのこ需要を喚起すべく、健康・美容・スポーツを3本柱とした「きのこで菌活」を提唱し、鮮度に拘った営業活動を行ってまいりました。販売面では、今期の初めより生産調整を行ったことにより、きのこの需給が改善し、価格も比較的堅調な動きとなるなど、安定した状況で推移いたしました。
以上の結果、国内きのこ事業全体の売上高は107億76百万円(同11.9%増)となりました。
「海外きのこ事業」
米国の現地法人「HOKTO KINOKO COMPANY」におきましては、長雨と低温の影響できのこを含め生鮮品販売全体において厳しい状況となりました。加えてエネルギーコスト、原料・資材の高騰により製造原価が上昇したため、売上高及び営業利益は計画を下回りました。台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」におきましては、野菜相場の下落により小売り全体の売上が減少する中、きのこも低調な動きとなり、売上高は計画に対し若干下回りましたが、営業利益は経費削減の効果等により、計画を若干上回ることとなりました。マレーシアの現地法人「HOKTO MALAYSIA SDN. BHD.」におきましては、昨年からのインフレの影響で市場環境は厳しい状況が続いている中、中国産のきのこがASEAN域内に安価で大量に輸入され、当社のきのこ販売に大きな影響がでました。その結果、売上高、営業利益共に計画を下回ることとなりました。しかしながら、米国の現地法人におきまして、昨年の後半より2回の値上げを行いました結果、前年に比べ売上高は増加いたしました。
以上の結果、海外きのこ事業全体の売上高は16億57百万円(同7.8%増)となりました。
「加工品事業」
加工品事業におきましては、水煮・冷凍などのきのこの加工品の販売を行うとともに、新商品の開発及び市場開拓に取り組んでまいりました。外食部門はデリカ向け商品や中食向け商品が好調だったほか、青果向け市販用加工商品も乾燥シイタケ・水煮・炊込みご飯の素などを中心に順調な販売となりました。一方、中食、コンビニエンスストア向けの業務用生鮮きのこの販売、冷凍きのこ商品の販売は苦戦いたしました。通販事業では、乾燥シイタケなど値上げしたにもかかわらず好調に推移し自社ECサイトを中心に売上は伸長いたしました。また、子会社の株式会社アーデンにおきましては、4月より値上げをした影響で受注が減少したため、売上高は計画を下回りました。
以上の結果、加工品事業の売上高は15億68百万円(同12.6%減)となりました。
「化成品事業」
包装資材を主要事業とする第一営業部では、品質劣化をおさえる機能性包材や、リサイクル原料を利用した環境包材を中心とした付加価値製品の提案営業に取り組みました。量販店向け売上が堅調に推移する一方、半導体・自動車関連部品関連メーカー向けの工業資材販売は苦戦しました。
自社製品の生産・販売及び農業資材販売を中心とする第二事業部では、引き続ききのこ生産農家様向けに需給がひっ迫する一部生産原料や培地の安定供給に注力したほか、自社製品の品質向上と販売拡大に努めました。
以上の結果、化成品事業の売上高は28億46百万円(同5.2%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における資産、負債、純資産の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は332億4百万円となり、前連結会計年度末より24億13百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金23億65百万円の増加によるものであります。固定資産は737億52百万円となり、前連結会計年度末より3億53百万円減少いたしました。
この結果、総資産は1,069億57百万円となり、前連結会計年度末より20億60百万円増加いたしました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は388億76百万円となり、前連結会計年度末より9億39百万円増加いたしました。固定負債は181億46百万円となり、前連結会計年度末より21億41百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金21億59百万円の増加によるものであります。
この結果、負債合計は570億22百万円となり、前連結会計年度末より30億81百万円増加いたしました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は499億34百万円となり、前連結会計年度末より10億20百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失3億32百万円を計上し配当金9億54百万円を支払ったことによる利益剰余金12億86百万円の減少によるものであります。
この結果、自己資本比率は46.7%(前連結会計年度末は48.6%)となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
研究開発活動につきましては、当社「開発研究本部」におきまして、バイオテクノロジーを駆使した新品種の開発、既存品種の改良、栽培技術の開発やきのこの健康機能性研究等、きのこ全般に関する研究活動につとめております。
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は176百万円となりました。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前事業年度有価証券報告書「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載の事項から重要な変更はありません。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当第1四半期連結累計期間において、経営者の問題認識と今後の方針についての変更はありません。
#C1379JP #ホクト #水産農林業セクター