【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、7月以降の新型コロナウイルス感染症第7波の急拡大に加えまして、中国のロックダウンによるサプライチェーンの混乱、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や資源・エネルギー価格の上昇、急激な円安の進行など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経済環境の中、当社グループは消費者の皆様及び従業員の安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に配慮しつつ、きのこ事業を中心として、健康食材である「きのこ」の研究開発、生産、販売を通してより多くの皆様へ、おいしさと健康をお届けできるよう事業活動を行ってまいりました。また、「きのこで健康を届けることを使命に市場と消費を拡大する」及び「利益の創出と企業の社会的責任を両立する」を経営ビジョンとする新しい中期経営計画を策定し、2021年4月から取り組んでまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の当社グループの業績は、売上高316億17百万円(前年同四半期比0.4%増)、営業損失43億97百万円(前年同四半期営業損失金額9億13百万円)、経常損失27億69百万円(同経常損失金額7億25百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は22億8百万円(同親会社株主に帰属する四半期純損失金額6億12百万円)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の生産量は、ブナピーを含めブナシメジ23,565t(前年同四半期比5.0%増)、エリンギ8,988t(同2.7%減)、マイタケ7,785t(同20.1%増)となりました。
当第2四半期連結累計期間の各セグメントの概況は次のとおりであります。
「国内きのこ事業」
生産部門におきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の拡大防止に配慮しつつ、衛生管理をより徹底し、品質の向上と安定栽培に努め、安全・安心なきのこを提供してまいりました。
研究部門におきましては、品質管理体制の強化、付加価値の高い新製品の開発、既存のきのこの改良及びきのこの薬理効果や機能性の追求に取り組んでまいりました。
営業部門におきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響で直接的な販促活動が出来ない厳しい状況の中、きのこ需要を喚起すべく、健康・美容・スポーツを3本柱とした「きのこで菌活」を提唱し、鮮度に拘った営業活動を行ってまいりましたが、第一四半期と同様、野菜相場が安値で推移したことにより、きのこの価格も昨年に比べ安値で推移いたしました。
以上の結果、国内きのこ事業全体の売上高は188億96百万円(前年同四半期比4.5%減)となりました。
[海外きのこ事業]
米国の現地法人「HOKTO KINOKO COMPANY」におきましては、売上高は堅調に推移いたしましたが、輸入品との競合や物価高騰の影響で、営業利益は計画を若干下回りました。台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」におきましては、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限が緩和されたことにより国内観光と外食産業が一気に拡大した中で、小売り市場全体が苦戦し、きのこの販売も苦戦いたしました。伝統市場も不調であったものの、飲食店系は徐々に発注量が伸びてまいりましたが、売上高は計画を下回りました。マレーシアの現地法人「HOKTO MALAYSIA SDN. BHD.」におきましては、第一四半期同様マレーシア国内では、旅行、外食、贅沢品の購入等、コロナ禍で制限されていた行動が活発化いたしました。しかしインフレ圧力や中国国内のコロナ禍による厳しい行動制限により、ASEAN域内へのきのこの輸出が活発化したことで非常に安値での取引が行われ、当社のきのこの販売にも影響がでました。その結果、売上高、営業利益共に計画を下回ることとなりました。
以上の結果、海外きのこ事業全体の売上高は31億48百万円(同9.5%増)となりました。
[加工品事業]
加工品事業におきましては、水煮・冷凍などのきのこの加工品の販売を行うとともに、新商品の開発および市場開拓に取り組んでまいりました。食品NBメーカー・外食部門はデリカ向け商品や中食向け商品が好調だったほか、青果向け市販用加工商品も乾燥椎茸・水煮・炊込みご飯の素などを中心に順調な販売となりました。コンビニエンスストアではこの時期の採用メニューが思うように決まらず苦戦いたしました。通販事業では、新商品のスープ2品種が好調で自社ECサイトを中心に売上は伸長いたしました。また、子会社の株式会社アーデンにおきましては、引き続きOEM事業で主要得意先からの受注が好調に推移したため、売上高は計画を上回りました。
以上の結果、加工品事業の売上高は39億49百万円(同10.4%増)となりました。
[化成品事業]
包装資材を主要事業とする第一事業部では、食品トレーやフィルム・ラップなど資材の相次ぐ値上げについて対処したほか、生産性向上に資する機械販売等に努め、売上及び収益力の強化を図ってまいりました。自社製品の生産・販売及び農業資材販売を中心とする第二事業部では、原料価格上昇と仕入品の調達に不安定さが増す中、自社製品の新規受注に注力するとともにきのこ生産農家向けの培地等欠品防止に努め、お客さまの負託に応える営業を徹底してまいりました。
以上の結果、化成品事業の売上高は56億23百万円(同6.9%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における資産、負債、純資産の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は276億2百万円となり、前連結会計年度末より5億2百万円増加いたしました。固定資産は764億36百万円となり、前連結会計年度末より13億96百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産19億63百万円の減少によるものであります。
この結果、総資産は1,040億39百万円となり、前連結会計年度末より8億94百万円減少いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は310億87百万円となり、前連結会計年度末より93億30百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金51億44百万円及び流動負債のその他に含まれる1年内返済予定の長期借入金40億16百万円の増加によるものであります。固定負債は223億67百万円となり、前連結会計年度末より62億99百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金59億69百万円の減少によるものであります。
この結果、負債合計は534億54百万円となり、前連結会計年度末より30億30百万円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は505億84百万円となり、前連結会計年度末より39億25百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失22億8百万円を計上し配当金15億90百万円を支払ったことによる利益剰余金37億98百万円の減少によるものであります。
この結果、自己資本比率は48.6%(前連結会計年度末は51.9%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は85億17百万円となり、前連結会計年度末より18億81百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により減少した資金は19億3百万円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失27億69百万円および減価償却費36億9百万円の計上、ならびに売上債権および棚卸資産の増加24億37百万円によるものであります。
また、前年同四半期連結累計期間と比較して5億61百万円の支出の増加となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により減少した資金は17億84百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出9億63百万円および定期預金の純増7億75百万円によるものであります。
また、前年同四半期連結累計期間と比較して9億31百万円の支出の減少となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により増加した資金は13億51百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増51億34百万円、長期借入金の返済22億57百万円および配当金の支払15億89百万円によるものであります。
また、前年同四半期連結累計期間と比較して56億18百万円の収入の減少となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
研究開発活動につきましては、当社「開発研究本部」におきまして、バイオテクノロジーを駆使した新品種の開発、既存品種の改良、栽培技術の開発やきのこの健康機能性研究等、きのこ全般に関する研究活動につとめております。
なお、当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は121百万円となりました。
これまでの研究開発活動で得られた成果のうち、公表された成果は以下の通りです。
特許登録関連
(国内)
発明の名称 ブナシメジ栽培ビンキャップ及びブナシメジの栽培方法
登録日 2022年6月2日
登録番号 7083385
発明の名称 キノコ栽培用容器の組立装置
登録日 2022年9月14日
登録番号 7141898
(海外)
台湾
発明の名称 ブナシメジ栽培ビンキャップ並びにブナシメジの栽培及び収穫方法
登録日 2022年7月11日
登録番号 1770082
米国
発明の名称 ブナシメジ栽培ビンキャップ並びにブナシメジの栽培及び収穫方法
登録日 2022年8月9日
登録番号 11,406,070
品種登録関連
(国内)
ブナシメジ
登録品種の名称 HKHM25
登録日 2022年8月25日
登録番号 29385
学会発表
演題 ビタミンD2高含有ブナシメジ摂取による血中25-hydroxyvitamin D濃度改善効果
発表日 2022年6月12日
学会 第76回日本栄養・食糧学会大会
大阪樟蔭女子大学との共同研究
演題 ビタミンD2高含有エリンギ摂取による血中25-hydroxyvitamin D濃度改善効果
発表日 2022年6月12日
学会 第76回日本栄養・食糧学会大会
大阪樟蔭女子大学との共同研究
演題 ヒラタケ属種間雑種(Pleurotus sp.)における自己消化時に特異的に発現するプロテアーゼの探索
発表日 2022年7月2日
学会 2022年度日本菌学会西日本支部・第5回次世代生物研究会合同大会
大阪公立大学との共同研究
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前事業年度有価証券報告書「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載の事項から重要な変更はありません。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当第2四半期累計期間において、経営者の問題認識と今後の方針について重要な変更はありません。
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