【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くものの、行動制限や水際対策の緩和等により、社会経済活動に回復の動きが見受けられました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、資源価格や原材料価格の高騰及び円安による物価上昇等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
建築塗料業界におきましては、都市部や首都圏を中心とした大規模再開発案件の需要や戸建と集合住宅等民間の改装需要が持ち直してきました。一方では、慢性的な人材不足による現場技術者及び現場作業員の確保と育成が大きな課題であり、建築費・人件費の高騰等厳しい市場環境が続いております。
このような状況下、当社グループは、原価の低減と経費削減に努めるとともに、引き続き、新築市場だけではなく膨大なストックを有するリニューアル市場において、当社の技術革新による製品、超耐久・超低汚染塗料、地球温暖化現象に対応した省エネタイプの遮熱塗料、新型省力化建材、オリジナルの高意匠性塗材や耐火被覆材・断熱材等の拡販に努めてまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は、721億65百万円(前年同四半期比6.9%増)となりました。利益面におきましては、価格改定や経費削減等を行いましたが、営業利益は、75億90百万円(同8.4%減)、経常利益は、為替変動の影響等により、99億19百万円(同6.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、68億75百万円(同7.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①建築仕上塗材事業
建築仕上塗材事業におきましては、新築需要は減少いたしましたが、リニューアル市場においては超耐久性塗料や超低汚染機能で差別化された省エネタイプの遮熱塗料等の販売を行なったことにより、売上高は652億47百万円(同6.4%増)と前年同四半期に比べて39億12百万円の増収となりました。セグメント利益は85億50百万円(同8.5%減)と前年同四半期に比べて7億92百万円の減益となりました。
②耐火断熱材事業
耐火断熱材事業におきましては、首都圏、都市部の再開発事業における受注が続いており、売上高は52億18百万円(同10.0%増)と前年同四半期に比べて4億76百万円の増収となりました。セグメント利益は6億16百万円(同26.8%増)と前年同四半期に比べて1億30百万円の増益となりました。
③その他の事業
その他の事業におきましては、売上高は16億99百万円(同17.7%増)と前年同四半期に比べて2億55百万円の増収となりました。セグメント利益は74百万円(同25.4%増)と前年同四半期に比べて15百万円の増益となりました。
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は、次のとおりであります。
総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて98億61百万円増加し、1,673億29百万円(前連結会計年度末比6.3%増)となりました。増加した主なものは、現金及び預金51億96百万円(同4.9%増)、投資有価証券45億99百万円(同152.4%増)、受取手形及び売掛金12億84百万円(同7.6%増)、電子記録債権11億75百万円(同58.1%増)、減少した主なものは、有価証券36億71百万円(同100.0%減)であります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて15億90百万円増加し、274億15百万円(同6.2%増)となりました。増加した主なものは、支払手形及び買掛金21億28百万円(同28.8%増)、未払金4億61百万円(同8.4%増)、減少した主なものは、未払法人税等15億47百万円(同61.6%減)であります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて82億70百万円増加し、1,399億14百万円(同6.3%増)となりました。増加した主なものは、親会社株主に帰属する四半期純利益を含む利益剰余金57億96百万円(同4.3%増)、為替換算調整勘定24億77百万円(同156.9%増)であります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、6億62百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの建築塗料事業においては、公共投資、民間設備投資及び住宅投資の需要動向が大きく影響します。
官公庁案件や民間の大規模再開発案件などの新築工事は、新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの一定の水準で継続されており、需要は比較的堅調に推移するものと見込まれます。
一方、民間の一戸建や集合住宅の改修案件につきましては、需要は持ち直してきておりますが、景気先行き懸念による消費マインドの低下や、変異ウイルスによる同感染症の拡大もあり、未だに不透明な状況が続いております。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業運営上必要な資金は、自己資金より充当することを基本としております。
運転資金需要のうち主なものは、製品を製造するための材料仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要は、生産設備の購入等によるものであります。
資金の流動性について、当第3四半期連結会計期間末の資金の残高は682億92百万円であります。これは主に普通預金であり、当社グループの事業活動に必要な流動性を十分に満たしていると認識しております。