【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大が見られたものの、感染対策が進み、経済社会活動が正常化する中で、景気は持ち直しの動きがみられました。しかしながら、米国の金利上昇による急激な円安による為替相場の変動や長期化するロシア・ウクライナ情勢に起因する原油などのエネルギー資源や原材料価格の高騰等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
建築塗料業界におきましては、都市部や首都圏を中心とした大規模再開発案件の需要や戸建と集合住宅等民間の改装需要が持ち直してきました。一方では、慢性的な人材不足による現場技術者及び現場作業員の確保と育成が大きな課題であり、建築費・人件費の高騰等厳しい市場環境が続いております。
このような状況下、当社グループは、原価の低減と経費削減に努めるとともに、引き続き、新築市場だけではなく膨大なストックを有するリニューアル市場において、当社の技術革新による製品、超耐久・超低汚染塗料、地球温暖化現象に対応した省エネタイプの遮熱塗料、新型省力化建材、オリジナルの高意匠性塗材や耐火被覆材・断熱材等の拡販に努めてまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は455億29百万円(前年同四半期比7.9%増)となりました。利益面におきましては、価格改定や経費削減等を行いましたが、営業利益は45億49百万円(同7.5%減)、経常利益は、為替変動の影響等により、88億28百万円(同69.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は60億32百万円(同68.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①建築仕上塗材事業
建築仕上塗材事業におきましては、新築需要が減少いたしましたが、リニューアル市場においては超耐久性塗料や超低汚染機能で差別化された省エネタイプの遮熱塗料等の販売を行なったことにより、売上高は414億3百万円(同7.8%増)と前年同四半期に比べて29億80百万円の増収となりました。セグメント利益は53億10百万円(同6.5%減)と前年同四半期に比べて3億70百万円の減益となりました。
②耐火断熱材事業
耐火断熱材事業におきましては、首都圏、都市部の再開発事業における受注が続いており、売上高は30億56百万円(同5.8%増)と前年同四半期に比べて1億67百万円の増収となりました。セグメント利益は3億38百万円(同23.7%増)と前年同四半期に比べて64百万円の増益となりました。
③その他の事業
その他の事業におきましては、売上高は10億68百万円(同23.3%増)と前年同四半期に比べて2億1百万円の増収となりました。セグメント利益は41百万円(同22.8%減)と前年同四半期に比べて12百万円の減益となりました。
当第2四半期連結会計期間末の財政状態は、次のとおりであります。
総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて82億86百万円増加し、1,657億55百万円(前連結会計年度末比5.3%増)となりました。増加した主なものは、投資有価証券45億98百万円(同152.4%増)、現金及び預金10億17百万円(同1.0%増)、有価証券6億72百万円(同18.3%増)、受取手形及び売掛金5億44百万円(同3.2%増)、電子記録債権4億85百万円(同24.0%増)であります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて12億39百万円増加し、270億64百万円(同4.8%増)となりました。増加した主なものは、支払手形及び買掛金8億56百万円(同11.6%増)、未払法人税等3億66百万円(同14.6%増)であります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて70億47百万円増加し、1,386億90百万円(同5.4%増)となりました。増加した主なものは、親会社株主に帰属する四半期純利益を含む利益剰余金49億54百万円(同3.7%増)、為替換算調整勘定20億97百万円(同132.8%増)であります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ43億61百万円減少し、682億75百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、18億3百万円(前年同四半期比42.1%減)となりました。
これは主に税金等調整前四半期純利益88億28百万円(同69.7%増)、仕入債務の増加額5億90百万円(同3.3%減)、為替差益39億2百万円(前年同四半期は83百万円の為替差益)、法人税等の支払額23億18百万円(前年同四半期比26.7%増)、売上債権の増加額5億89百万円(同190.7%増)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、62億56百万円(同67.1%増)となりました。
これは主に定期預金の預入による支出194億91百万円(同0.8%減)、有価証券及び投資有価証券の取得による支出46億円(前年同四半期は0円)、定期預金の払戻による収入179億27百万円(前年同四半期比12.4%増)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、10億32百万円(同7.2%減)となりました。
これは主に配当金の支払額10億77百万円(同0.0%減)によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4億30百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの建築塗料事業においては、公共投資、民間設備投資及び住宅投資の需要動向が大きく影響します。
官公庁案件や民間の大規模再開発案件などの新築工事は、新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの一定の水準で継続されており、需要は比較的堅調に推移するものと見込まれます。
一方、民間の一戸建や集合住宅の改修案件につきましては、回復の兆しは見えてきておりますが、景気先行き懸念による消費マインドの低下や、変異ウイルスによる同感染症の拡大の可能性もあり、未だに不透明な状況が続いております。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業運営上必要な資金は、自己資金より充当することを基本としております。
運転資金需要のうち主なものは、製品を製造するための材料仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要は、生産設備の購入等によるものであります。
資金の流動性について、当第2四半期連結会計期間末の資金の残高は682億75百万円であります。これは主に普通預金であり、当社グループの事業活動に必要な流動性を十分に満たしていると認識しております。