【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 財政状態、経営成績の分析 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」について重要な変更はありません。
(2) 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されておりますが、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意が必要な状況であります。
このような状況の中、当社グループは、当第1四半期連結累計期間において、3ヵ年目となる「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」のもと、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマに、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みを進めてまいりました。
「経営改革」については「アセットライトな事業運営」「損益分岐点の引き下げ」「ニューノーマルに合わせたサービス変革」というテーマに加え、「都市交通・沿線事業の経営改革」に取り組んでまいりました。中でも「都市交通・沿線事業の経営改革」については、2023年4月1日に西武鉄道株式会社が、中核事業である鉄道業、ならびに沿線価値創造機能に特化するため、西武園ゆうえんちなど鉄道業以外の不動産を当社連結子会社である株式会社西武リアルティソリューションズへ移管いたしました。また、西武園ゆうえんちについては運営主体を当社連結子会社である株式会社横浜八景島へ変更いたしました。このような運営体制の見直しにより、より専門性を高め、収益力の強化やグループシナジーを発揮できる最善の組織・体制のもと運営をおこなっております。
「デジタル経営」については、「グループマーケティング基盤」の利活用を開始し、グループ顧客の拡充に向けたサービス構築に取り組んだほか、管理系基幹システムのグループ共通システム化などを進め、業務改革、働き方改革を実現し、固定費削減に努めました。
「サステナビリティ」については、引き続き安全、環境、社会、会社文化の4領域12項目のアジェンダにおいて持続可能な社会実現のため「サステナビリティアクション」に取り組んでまいりました。環境領域においては、西武バス株式会社では2023年4月より100%再生エネルギーで走る大型電気路線バスの導入を開始いたしました。また、箱根湯の花プリンスホテルにおいて、2023年6月より神奈川県で初となるバイナリー発電設備を導入いたしました。
当第1四半期連結累計期間における経営成績の概況は、新型コロナウイルス感染症の5類移行にともなう需要の増加を着実に取り込み、加えて値上げの取り組みにより、営業収益は、1,162億12百万円と前年同期に比べ127億79百万円の増加(前年同期比12.4%増)となりました。営業利益は、増収により、146億53百万円と前年同期に比べ70億29百万円の増加(同92.2%増)となり、償却前営業利益は、277億57百万円と前年同期に比べ63億15百万円の増加(同29.5%増)となりました。
経常利益は、138億15百万円と前年同期に比べ63億5百万円の増加(同84.0%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、90億99百万円と前年同期に比べ54億31百万円の増加(同148.1%増)となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。
なお、当第1四半期連結会計期間よりセグメントの区分を変更しております。
(単位:百万円)
営業収益
営業利益
償却前営業利益
セグメントの名称
当第1四半期
連結累計期間
前年同期比
増減
前年同期比
増減率 (%)
当第1四半期
連結累計期間
前年同期比
増減
前年同期比
増減率 (%)
当第1四半期連結累計期間
前年同期比
増減
前年同期比
増減率 (%)
都市交通・沿線事業
36,349
2,026
5.9
5,355
2,306
75.7
10,384
2,420
30.4
ホテル・レジャー事業
53,039
7,327
16.0
3,524
3,918
-
7,440
3,029
68.7
不動産事業
19,789
2,038
11.5
3,939
629
19.0
6,826
583
9.3
その他
13,416
1,703
14.5
1,618
319
24.6
2,637
456
21.0
合計
122,595
13,096
12.0
14,437
7,174
98.8
27,288
6,489
31.2
調整額
△6,383
△316
-
215
△145
△40.2
468
△174
△27.1
連結数値
116,212
12,779
12.4
14,653
7,029
92.2
27,757
6,315
29.5
(注)1 調整額については、主に連結会社間取引消去等であります。
2 償却前営業利益は、営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加えて算定しております。
3 当第1四半期連結会計期間より、以下3点につき、グループ内の専門性強化の観点からセグメント
区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み
替えて比較しております。
・都市交通・沿線事業に含んでいた西武園ゆうえんち等について、ホテル・レジャー事業へ移管。
・都市交通・沿線事業に含んでいたとしまえん跡地賃貸等について、不動産事業へ移管。
・不動産事業に含んでいた一部ゴルフ場等運営管理について、ホテル・レジャー事業へ移管。
①都市交通・沿線事業
都市交通・沿線事業の内訳は鉄道業、バス業、沿線生活サービス業、スポーツ業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
連結累計期間
2024年3月期
第1四半期
連結累計期間
増減額
営業収益
34,323
36,349
2,026
鉄道業
22,435
24,743
2,307
バス業
5,489
5,884
394
沿線生活サービス業
4,782
4,323
△458
スポーツ業
689
472
△216
その他
925
925
△0
(注) 当第1四半期連結会計期間より、「都市交通・沿線事業の経営改革」にともない、都市交通・沿線事業の内訳を変更しております。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。
鉄道業では、としまえん跡地に開業した「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター」と連携し、池袋駅と豊島園駅のリニューアルやフルラッピング電車「スタジオツアー東京 エクスプレス」の運行を実施し、豊島園駅周辺エリアの活性化に取り組みました。
バス業では、高速バスの一部減便はあるものの、需要の回復に合わせて運行ダイヤを順次戻し、着実に需要の取り込みができるよう努めました。
都市交通・沿線事業の営業収益は、リモートワークの定着などにより定期利用の回復は限定的であるものの、新型コロナウイルス感染症の5類移行にともなう需要の増加を着実に取り込み、定期外利用やレジャー施設の利用が進み、363億49百万円と前年同期に比べ20億26百万円の増加(同5.9%増)となりました。なお、鉄道業の旅客輸送人員は前年同期比4.9%増(うち定期4.1%増、定期外6.1%増)、旅客運輸収入は、前年同期比10.6%増(うち定期8.8%増、定期外11.9%増)となりました。営業利益は、53億55百万円と前年同期に比べ23億6百万円の増加(同75.7%増)となり、償却前営業利益は、103億84百万円と前年同期に比べ24億20百万円の増加(同30.4%増)となりました。
都市交通・沿線事業の主要な会社である西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績は以下のとおりであります。
(西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績)
種別
単位
2023年3月期
第1四半期
連結累計期間
2024年3月期
第1四半期
連結累計期間
営業日数
日
91
91
営業キロ
キロ
176.6
176.6
客車走行キロ
千キロ
42,285
42,446
輸送人員
定期
千人
87,664
91,272
定期外
千人
55,713
59,102
計
千人
143,377
150,375
旅客運輸収入
定期
百万円
9,222
10,036
定期外
百万円
12,228
13,684
計
百万円
21,451
23,720
運輸雑収
百万円
886
866
収入合計
百万円
22,338
24,587
一日平均収入
百万円
235
260
乗車効率
%
34.6
36.4
(注)1 乗車効率は 延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100 により、算出しております。
2 千キロ未満、千人未満及び百万円未満を切り捨てて表示しております。
3 運輸雑収は鉄道業以外の収入を含んでおります。
②ホテル・レジャー事業
ホテル・レジャー事業の内訳は国内ホテル業(保有・リース)、国内ホテル業(MC・FC)、海外ホテル業(保有・リース)、海外ホテル業(MC・FC)、スポーツ業(保有・リース)、スポーツ業(MC・FC)、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
連結累計期間
2024年3月期
第1四半期
連結累計期間
増減額
営業収益
45,712
53,039
7,327
国内ホテル業(保有・リース)
29,059
31,295
2,235
国内ホテル業(MC・FC)
66
2,620
2,553
海外ホテル業(保有・リース)
7,414
9,115
1,701
海外ホテル業(MC・FC)
40
113
73
スポーツ業(保有・リース)
4,009
3,108
△900
スポーツ業(MC・FC)
-
501
501
その他
5,122
6,284
1,162
(注) 当第1四半期連結会計期間より、「都市交通・沿線事業の経営改革」にともない、ホテル・レジャー事業の内訳を変更しております。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。
国内ホテル業では、ホテルオペレーターである株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが運営をおこなう、G7広島サミットの主会場となったグランドプリンスホテル広島、外相会合の会場となった軽井沢プリンスホテル、気候・エネルギー・環境大臣会合の会場となった札幌プリンスホテルの3ホテルで、観光品質認証制度「サクラクオリティ」及びSDGsを実践する宿泊施設の国際認証「Sakura Quality An ESG Practice(通称:サクラクオリティグリーン)」を同時取得するなどお客さまに安全・安心を追求したサービスを引き続き提供できるよう努めてまいりました。サービスの向上に合わせ、レベニューマネジメントを強化し、値上げに取り組んでおります。引き続き新規出店も進めており、「グランドプリンスホテル大阪ベイ」を2023年7月1日にリブランドオープンいたしました。
海外ホテル業では、株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが北野合同建物株式会社の米国法人Kitano Arms Corporationと、ニューヨークのホテル「ザ・キタノホテル ニューヨーク」の運営開始に向け準備を進めております。
そのほか、2023年4月1日より株式会社横浜八景島が「西武園ゆうえんち」の運営を受託し、新体制による営業をおこなっております。
ホテル・レジャー事業の営業収益は、国内ホテルやハワイ、レジャー施設において回復に向かう需要に加え、インバウンド需要の着実な取り込みや値上げの取り組みなどにより、530億39百万円と前年同期に比べ73億27百万円の増加(同16.0%増)となりました。なお、ホテル業のRevPAR(注)については、11,989円と前年同期に比べ6,607円増となりました。営業利益は、増収により、35億24百万円と前年同期に比べ39億18百万円の改善(前年同期は、営業損失3億94百万円)となり、償却前営業利益は、74億40百万円と前年同期に比べ30億29百万円の増加(同68.7%増)となりました。
(注)RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
ホテル・レジャー事業の国内ホテル業(保有・リース)、国内ホテル業(MC・FC)、海外ホテル業(保有・リース)、海外ホテル業(MC・FC)の定量的な指標は以下のとおりであります。
(国内ホテル業の運営形態別施設概要)
施設数
(か所)
客室数
(室)
宴会場数
(室)
宴会場面積
(㎡)
国内ホテル業
57
19,549
293
72,871
保有・リース
42
13,537
234
50,940
MC・FC
15
6,012
59
21,931
(国内ホテル業のエリア別施設概要)
施設数
(か所)
客室数
(室)
宴会場数
(室)
宴会場面積
(㎡)
首都圏・中日本
26
10,963
217
47,553
高輪・品川エリア
4
5,138
103
20,322
東日本
19
5,614
38
14,252
軽井沢エリア
3
687
11
3,670
西日本
12
2,972
38
11,065
(注)1
面積1,000㎡以上の宴会場は20室であります。
2
首都圏・中日本の代表例として高輪・品川エリア、東日本の代表例として軽井沢エリアを記載しております。
3 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
4 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
(海外ホテル業の施設概要)
施設数(か所)
客室数(室)
宴会場数(室)
宴会場面積
(㎡)
海外ホテル業
28
4,853
85
12,792
保有・リース
12
1,518
34
5,185
ハワイエリア
3
1,064
22
4,090
The Prince Akatoki
1
82
2
115
MC・FC
16
3,335
51
7,607
(注)1 海外ホテル業(保有・リース)の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiを記載しております。
2 ハワイエリアに含まれるホテルはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルであります。
(国内ホテル業の運営形態別営業指標)
2023年3月期
第1四半期
連結累計期間
2024年3月期
第1四半期
連結累計期間
RevPAR(円)
保有・リース
5,506
12,634
MC・FC
2,331
10,321
宿泊部門全体
5,382
11,989
平均販売室料(円)
保有・リース
13,673
19,256
MC・FC
65,070
17,922
宿泊部門全体
13,858
18,918
客室稼働率(%)
保有・リース
40.3
65.6
MC・FC
3.6
57.6
宿泊部門全体
38.8
63.4
(注)1 国内ホテル業のRevPAR及び客室稼働率の算出に用いる客室総数には、行政機関へのホテル客室全室貸出にともない一時営業休止しているホテルの客室を含んでおります。
2 当第1四半期連結会計期間より、「都市交通・沿線事業の経営改革」にともない、「掬水亭」は国内ホテル業に区分を変更し、保有・リースに含めております。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分に組み替えて比較しております。
(国内ホテル業のエリア別営業指標)
2023年3月期
第1四半期
連結累計期間
2024年3月期
第1四半期
連結累計期間
RevPAR(円)
首都圏・中日本
4,884
13,767
高輪・品川エリア
3,789
12,798
東日本
6,163
7,420
軽井沢エリア
14,532
17,056
西日本
6,583
11,150
宿泊部門全体
5,382
11,989
平均販売室料(円)
首都圏・中日本
13,564
20,532
高輪・品川エリア
11,193
19,764
東日本
13,147
15,197
軽井沢エリア
25,221
29,426
西日本
16,462
16,392
宿泊部門全体
13,858
18,918
客室稼働率(%)
首都圏・中日本
36.0
67.1
高輪・品川エリア
33.8
64.8
東日本
46.9
48.8
軽井沢エリア
57.6
58.0
西日本
40.0
68.0
宿泊部門全体
38.8
63.4
(注)1
首都圏・中日本の代表例として高輪・品川エリア、東日本の代表例として軽井沢エリアを記載しております。
2
高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
3
軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
4
国内ホテル業のRevPAR及び客室稼働率の算出に用いる客室総数には、行政機関へのホテル客室全室貸出にともない一時営業休止しているホテルの客室を含んでおります。
5
当第1四半期連結会計期間より、「都市交通・沿線事業の経営改革」にともない、「掬水亭」は国内ホテル業に区分を変更し、首都圏・中日本に含めております。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分に組み替えて比較しております。
(海外ホテル業の営業指標)
・ハワイエリアの営業指標
2023年3月期
第1四半期
連結累計期間
2024年3月期
第1四半期
連結累計期間
RevPAR (円)
38,883
46,130
RevPAR (米ドル)
360.03
354.85
平均販売室料 (円)
47,319
56,140
平均販売室料 (米ドル)
438.14
431.85
客室稼働率 (%)
82.2
82.2
・The Prince Akatoki Londonの営業指標
2023年3月期
第1四半期
連結累計期間
2024年3月期
第1四半期
連結累計期間
RevPAR (円)
12,733
32,435
RevPAR (ポンド)
90.67
193.71
平均販売室料 (円)
41,233
48,771
平均販売室料 (ポンド)
293.60
291.28
客室稼働率 (%)
30.9
66.5
(注)1
海外ホテル業の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiのうち、直営のThe Prince Akatoki Londonを記載しております。
2
ハワイエリアに含まれるホテルはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルであります。
(国内ホテル業における宿泊客の内訳)
(単位:名、%)
2023年3月期
第1四半期連結累計期間
邦人客
外国人客
計
比率
比率
比率
宿泊客
776,350
99.1
7,000
0.9
783,350
100.0
保有・リース
772,722
6,979
779,701
MC・FC
3,628
21
3,649
2024年3月期
第1四半期連結累計期間
邦人客
外国人客
計
比率
比率
比率
宿泊客
760,338
71.4
304,665
28.6
1,065,003
100.0
保有・リース
529,796
239,660
769,456
MC・FC
230,542
65,005
295,547
③不動産事業
不動産事業の内訳は不動産賃貸業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
連結累計期間
2024年3月期
第1四半期
連結累計期間
増減額
営業収益
17,750
19,789
2,038
不動産賃貸業
10,330
10,852
522
その他
7,420
8,936
1,516
(注) 当第1四半期連結会計期間より、「都市交通・沿線事業の経営改革」にともない、不動産事業の内訳を変更しております。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。
不動産賃貸業では、西武鉄道沿線の遊休地を活用し、趣味や生活を安全・安心かつ快適にお過ごしいただける賃貸ガレージハウス「エミベース」の2号物件となる「エミベース 小手指」を2023年秋の竣工に向けて、着工いたしました。
また、PM、BM業務の内製化など、固定費削減策に取り組みました。
不動産事業の営業収益は、西武造園における工事出来高の増加や東京ガーデンテラス紀尾井町におけるテナント入居の影響などにより197億89百万円と前年同期に比べ20億38百万円の増加(同11.5%増)となり、営業利益は、39億39百万円と前年同期に比べ6億29百万円の増加(同19.0%増)となり、償却前営業利益は、68億26百万円と前年同期に比べ5億83百万円の増加(同9.3%増)となりました。
不動産事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建物賃貸物件の営業状況)
期末貸付面積 (千㎡)
期末空室率 (%)
2023年3月期
第1四半期
2024年3月期
第1四半期
2023年3月期
第1四半期
2024年3月期
第1四半期
商業施設
244
253
2.1
3.0
オフィス・住宅
196
215
7.1
2.9
(注)土地の賃貸は含んでおりません。
④その他
スポーツ事業においては、ベルーナドームを最大限活用したサービスや演出、イベント開催などにより、楽しんでいただけるスポーツ・エンターテインメント体験の提供に努めてまいりました。伊豆箱根事業では伊豆・三津シーパラダイスを中心に回復に向かう観光需要の取り込みに努めたほか、近江事業においては、鉄道事業の公有民営方式による上下分離移行に向けた準備などを進めてまいりました。
営業収益は、埼玉西武ライオンズの観客動員数の増加や、グッズ販売の好調などにより、134億16百万円と前年同期に比べ17億3百万円の増加(同14.5%増)となり、営業利益は、16億18百万円と前年同期に比べ3億19百万円の増加(同24.6%増)となり、償却前営業利益は、26億37百万円と前年同期に比べ4億56百万円の増加(同21.0%増)となりました。
また、都市交通・沿線事業及びホテル・レジャー事業におけるスポーツ業、ならびにその他に含まれるスポーツ事業の営業収益の合計は、119億44百万円であり、前年同期に比べ3億80百万円の増加(同3.3%増)となりました。
(3) 財政状態の分析
①資産
流動資産は、862億63百万円と前連結会計年度末に比べ81億10百万円減少いたしました。その主たる要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少(32億97百万円)であります。
固定資産は、1兆4,928億57百万円と前連結会計年度末に比べ6億3百万円減少いたしました。その主たる要因は、有形固定資産及び無形固定資産の減少(80億95百万円)及び投資有価証券の増加(70億14百万円)であります。
以上の結果、総資産は1兆5,791億20百万円と前連結会計年度末に比べ87億13百万円減少いたしました。
②負債
流動負債は、3,512億48百万円と前連結会計年度末に比べ166億19百万円減少いたしました。その主たる要因は、西武鉄道株式会社等の工事未払金が減少したことなどによる流動負債「その他」の減少(478億27百万円)であります。
固定負債は、8,419億31百万円と前連結会計年度末に比べ4億1百万円減少いたしました。その主たる要因は、長期借入金の減少(37億97百万円)及び繰延税金負債の増加(32億49百万円)であります。
以上の結果、負債合計は1兆1,931億79百万円と前連結会計年度末に比べ170億21百万円減少いたしました。
③純資産
純資産は、3,859億41百万円と前連結会計年度末に比べ83億7百万円増加いたしました。その主たる要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上(90億99百万円)であります。
なお、負債の減少(170億21百万円)及び純資産の増加(83億7百万円)により、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.6ポイント上昇し24.1%となっております。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。