【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に変更され、国内における行動制限解除や海外からの入国制限の緩和等により、サービス消費やインバウンド需要などの復調が続き、社会経済活動の正常化に向けた動きが進みました。また、各種政策の効果もあり、緩やかな回復がみられました。
一方で、円安の進行やエネルギー・資源価格の高騰などによる国内物価の上昇、中国不動産不況による中国大手デベロッパーの債務不履行・破産申請、米中対立による半導体市場低迷等、中国経済は力強さが見えず、更に米国や欧州の対インフレ金融政策が与える経済減速を懸念した地合いの悪さから、18L缶業界もこの影響を強く受けております。
当社グループの主力品種である18L缶は、前年同期比では、数量的には減少しましたが、原材料やエネルギーコスト高騰を背景にした製品価格値上げにより、当第2四半期の売上高は前年対比で10.1%増加しております。また、美術缶につきましては、数量的に増加したこと、及び原材料やエネルギーコスト高騰を背景にした製品価格値上げにより、当第2四半期の売上高は前年対比で21.0%増加しております。
このような中、当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は、5,994百万円(前年同期比12.7%増)、営業利益は194百万円(前年同期は9百万円の営業利益)、経常利益は227百万円(前年同期比589.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は145百万円(前年同期比141.1%増)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
①金属缶製造販売事業
製品別売上高 (単位:百万円、%)
前年同四半期
当第2四半期
前年同四半期比
金額
構成比
金額
構成比
金額
増減率
18L缶
3,456
66.0
3,807
64.4
350
10.1
美術缶
1,417
27.0
1,715
29.0
297
21.0
その他
367
7.0
392
6.6
25
6.8
計
5,241
100.0
5,915
100.0
673
12.8
金属缶製造販売事業の売上高は5,915百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益は153百万円(前年同期は29百万円の営業損失)となりました。
②不動産賃貸事業
不動産賃貸事業の売上高は79百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は41百万円(前年同期比5.7%増)となりました。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は7,788百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,289百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が337百万円、電子記録債権が737百万円、原材料及び貯蔵品が99百万円増加したことによるものであります。固定資産は7,421百万円となり、前連結会計年度末に比べ23百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が127百万円増加し、無形固定資産が9百万円、投資その他の資産が141百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は15,210百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,266百万円増加いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は5,813百万円となり、前連結会計年度末に比べ979百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が650百万円、1年内返済予定の長期借入金が76百万円、その他(主に未払金)が289百万円増加し、設備関係支払手形が36百万円減少したことによるものであります。固定負債は3,385百万円となり、前連結会計年度末に比べ291百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が317百万円増加し、繰延税金負債が40百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は9,198百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,271百万円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は6,011百万円となり、前連結会計年度末に比べ4百万円減少いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金の94百万円減少、非支配株主持分の増加34百万円と、親会社株主に帰属する四半期純利益145百万円及び剰余金の配当94百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は33.4%(前連結会計年度末は36.6%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同四半期末に比べ270百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末には、993百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は177百万円(前年同期比24.0%減)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益260百万円、減価償却費228百万円、投資有価証券売却益△32百万円、売上債権の増加△763百万円、棚卸資産の増加△153百万円、仕入債務の増加650百万円等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は140百万円(前年同期比60.7%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出△144百万円、無形固定資産の取得による支出△26百万円、投資有価証券の売却による収入37百万円等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果得られた資金は296百万円(前年同期比134.7%増)となりました。これは主に長期借入金の増加393百万円、配当金の支払額△94百万円等によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
①需要動向
当社グループを取り巻く事業環境は、短期的には、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に変更され、国内における行動制限解除や海外からの入国制限の緩和等により、サービス消費やインバウンド需要などの復調が続き、社会経済活動の正常化に向けた動きもみられてきております。一方で、円安の進行やエネルギー・資源価格の高騰などによる国内物価の上昇、海外経済減速等の影響を強く受けており先行きは明るい状況ではなく需要面は、今後も厳しい状況が続くものと予想されます。
中長期的には、少子高齢化、容器素材の多様化による金属缶の需要減少に直面しております。係る状況下、鉄鋼メーカーと一体となって、地球にやさしいLCAの優位性のある容器であるということをお客様に積極的にアピールを行い、微力ではありますが持続可能な社会構築の一助になるべく取り組んでまいります。
②コストアップの要因
主原料である鉄鋼薄板価格の高止まり、人手不足による人件費上昇、エネルギー・資源価格の高止まり、深刻な運転手不足による輸送費の更なる上昇等のコストアップ等が、今期も収益の圧迫要因となっております。
当社グループといたしましては、引続き稼働率向上、歩留り改善による生産効率改善と輸送効率改善に努めるとともに、お客様にコストアップの状況を丁寧に説明し続けてまいります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は993百万円となり前連結会計年度末に比べ332百万円増加いたしました。これは営業活動の結果得られた資金177百万円、投資活動の結果使用した資金140百万円、財務活動の結果得られた資金296百万円によるものであります。
その結果有利子負債残高は、3,241百万円となりました。
上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金等につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入につきましては、運転資金については短期借入金で、設備投資等の長期資金は長期借入金で調達することを基本としております。