【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウィズコロナが新たな段階へ進むなかで、各種政策の効果や経済の改善もあり、持ち直しの動きがみられてきております。但し一方で、エネルギー価格の高騰、円安に端を発した物価高、海外経済減速等の経済下押し圧力が成長の足かせとなっています。
当社グループの主力品種である18L缶は、化学向けが減少しましたが、油糧向けにつきましては好調に推移し、当第2四半期の売上高は前年対比で0.5%増加しております。また、美術缶につきましても昨年に比べ若干の回復があり、当第2四半期の売上高は前年対比で5.8%増加しております。
このような中、当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は、5,320百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益は9百万円(前年同期比91.3%減)、経常利益は32百万円(前年同期比78.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は60百万円(前年同期比51.0%減)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
①金属缶製造販売事業
製品別売上高 (単位:百万円、%)
前年同四半期
当第2四半期
前年同四半期比
金額
構成比
金額
構成比
金額
増減率
18L缶
3,438
67.4
3,456
66.0
17
0.5
美術缶
1,339
26.2
1,417
27.0
78
5.8
その他
324
6.4
367
7.0
42
13.1
計
5,102
100.0
5,241
100.0
138
2.7
金属缶製造販売事業の売上高は5,241百万円(前年同期比2.7%増)、営業損失は29百万円(前年同期は62百万円の営業利益)となりました。
②不動産賃貸事業
不動産賃貸事業の売上高は78百万円(前年同期比4.6%減)、営業利益は38百万円(前年同期比12.6%減)となりました。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は6,129百万円となり、前連結会計年度末に比べ69百万円増加いたしました。これは主に電子記録債権が46百万円、仕掛品が15百万円、原材料及び貯蔵品が82百万円増加し、受取手形及び売掛金が40百万円、その他(主に未収消費税)が33百万円減少したことによるものであります。固定資産は7,243百万円となり、前連結会計年度末に比べ314百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が93百万円、投資その他の資産が259百万円減少し、無形固定資産が38百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は13,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ245百万円減少いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は4,604百万円となり、前連結会計年度末に比べ131百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が73百万円、1年内返済予定の長期借入金が44百万円増加し、設備関係支払手形が107百万円、その他(主に未払金)が139百万円減少したことによるものであります。固定負債は3,207百万円となり、前連結会計年度末に比べ70百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が151百万円増加し、繰延税金負債が84百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は7,812百万円となり、前連結会計年度末に比べ61百万円減少いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は5,561百万円となり、前連結会計年度末に比べ183百万円減少いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が171百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は35.3%(前連結会計年度末は35.8%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同四半期末に比べ23百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末には、722百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は233百万円(前年同期比21.1%増)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益85百万円、減価償却費251百万円、役員退職慰労引当金の減少△11百万円、投資有価証券売却益△52百万円、棚卸資産の増加△95百万円等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は358百万円(前年同期比61.3%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出△355百万円、無形固定資産の取得による支出△73百万円、投資有価証券の売却による収入73百万円等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果得られた資金は126百万円(前年同期比1,169.8%増)となりました。これは主に長期借入金の増加195百万円、配当金の支払額△67百万円等によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
①需要動向
当社グループを取り巻く事業環境は、短期的にはウィズコロナが新たな段階へ進むなかで、各種政策の効果や経済の改善もあり需要は持ち直しの動きがみられてきております。一方で、エネルギーコストの上昇、円安に端を発した物価高、海外経済減速等の経済下押し圧力が今後の需要回復に暗い影を落としています。
また、ウクライナ問題に端を発した諸原材料やエネルギーコストの高騰、更には急激な円安が直接的に収益を圧迫するだけでなく、需要自体を冷やすのではないかと懸念されます。
中長期的には、少子高齢化、容器素材の多様化による金属缶の需要減少に直面しております。係る状況下、鉄鋼メーカーと一体となって、地球にやさしいLCAの優位性のある容器であるということをお客様に積極的にアピールを行い、微力ではありますが持続可能な社会構築の一助になるべく取り組んでまいります。
②コストアップの要因
主原料である鉄鋼薄板価格の更なる上昇、ガス・電気をはじめとしたエネルギーコストの上昇、人手不足による人件費増、深刻な運転手不足による輸送費の増加等のコストアップ等が、今期も収益の圧迫要因となっております。
当社グループといたしましては、引続き稼働率向上、歩留り改善による生産効率改善と輸送効率改善に努めるとともに、お客様にコストアップの状況を丁寧に説明し続けてまいります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は722百万円となり前連結会計年度末に比べ1百万円増加いたしました。これは営業活動の結果得られた資金233百万円、投資活動の結果使用した資金358百万円、財務活動の結果得られた資金126百万円によるものであります。
その結果有利子負債残高は、3,080百万円となりました。
上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金等につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入につきましては、運転資金については短期借入金で、設備投資等の長期資金は長期借入金で調達することを基本としております。