【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年9月30日)における国内経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動制限も緩和され、経済活動は持ち直しが見受けられますが、ロシアのウクライナ侵攻による国際情勢の不安定化やエネルギー価格の高騰、急激な円安など、依然として厳しい状況が続いております。
当社グループ事業を取り巻く環境は、原油価格の高騰等を背景に、食品の値上げが相次ぎ、消費者の家計防衛意識は一層高まっており、厳しい状態が続いております。また、当社グループにおいても、ユーティリティ単価の高騰や原材料値上げの影響等による各種コストの増加が収益を圧迫しております。
このような環境の中、当社グループは、中期経営計画に基づき、これまで長年培ってきた当社の生産技術・ノウハウ、販売力を活かし、プレミアムきのこ総合メーカーとしての基盤の確立を図っております。これに加え、まいたけを中心としたきのこが持つ機能性の開発と訴求により、安全・安心な製品を提供することを通じて消費者の健康に寄与し、健やかな社会の実現に貢献すべく事業展開を図ってまいりました。
また、約6年間の開発期間を経て、デリケートな性質のため栽培が難しく、安定生産には多くの高いハードルが存在していた白まいたけについて、高品質で安定生産できる新・白まいたけの自社菌の開発、量産化に成功し、本年8月から「雪国まいたけ極 白」の発売を開始いたしました。「雪国まいたけ極 白」は従来の「雪国まいたけ極」の持つ栄養素はもちろんのこと、食感や味を継承した当社オリジナルの品種となります。これを機に、極ブランドの強化及びPRを実施し皆様より好評をいただいております。スタートして間もないこともあり、当第2四半期連結累計期間での効果は限定的ではありました。引き続き、当社は「雪国まいたけ極 白」に続く、プレミアムきのこの拡充を図ってまいります。
なお、消費者の皆様が最もきのこ製品を目にする機会が増える秋を迎え、消費者の皆様に改めて「雪国まいたけ極」の持つ魅力を紹介するため、関東・関西を中心に、テレビCMを実施しております。当社は、栄養豊富なまいたけの美味しさや機能性、手軽に調理できるまいたけの簡便性や利便性を多くの人に知っていただくことで、全てのお客様が健康で楽しい食生活を送れますよう、今後も「雪国まいたけ極」をはじめとする当社きのこ製品の良さを伝え続けてまいります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の収益は、17,513百万円(前年同期比14.6%減)、このうち、売上収益は、12,757百万円(同7.7%減)となりました。また、売上総利益は、4,508百万円(同28.7%減)となりました。販売費及び一般管理費は、3,668百万円(同2.4%減)となりました。営業利益は、814百万円(同68.1%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、431百万円(同71.6%減)となりました。なお、当第2四半期連結累計期間においては、IAS第41号「農業」の適用に関する公正価値変動による利得が、収益に4,755百万円(同28.9%減)、売上原価に3,959百万円(同27.0%減)、それぞれ含まれております。
当第2四半期連結累計期間における事業セグメント別の売上収益の状況は以下のとおりであります。
〔茸事業〕
① まいたけ
まいたけの魅力をより広く消費者の皆様に知っていただくため、他食品メーカーとの共同企画による食べ方提案やSNSを活用したレシピ紹介等を実施いたしましたが、他社増産の影響もあり、前年同期に比べ販売単価、販売量は低調に推移いたしました。この結果、当第2四半期連結累計期間においては、まいたけ事業の売上収益は、7,051百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
② エリンギ
生産品質の向上により安定した供給を維持し、簡便性の高いピロー製品の導入等これまでのアイテム構成の見直しを図っておりますが、販売単価、販売量いずれも前年同期に比べ低調に推移いたしました。この結果、当第2四半期連結累計期間においては、エリンギ事業の売上収益は、1,413百万円(同10.7%減)となりました。
③ ぶなしめじ
青果市況と市場の動向を注視しながら、需給バランスに応じて1株製品と2株製品といった量目が異なる製品を活用した柔軟な製品投入を実施いたしましたが、他社増産の影響もあり、販売単価、販売量いずれも前年同期に比べ低調に推移いたしました。この結果、当第2四半期連結累計期間においては、ぶなしめじ事業の売上収益は、2,526百万円(同5.7%減)となりました。
④ その他の茸
マッシュルームは、一時的に生産が不安定になったことにより市場の旺盛な需要にお応えすることができなかったため、前年同期に比べ販売は低調に推移いたしました。その他、はたけしめじや本しめじについては、販売は堅調に推移いたしました。この結果、当第2四半期連結累計期間においては、その他の茸事業の売上収益は、1,573百万円(同8.1%減)となりました。
〔その他〕
その他の売上収益は、主に健康食品の販売及び瑞穂農林株式会社が取り扱う培地活性剤によるものであります。当第2四半期連結累計期間においては、健康食品は前年同期に比べ堅調に推移しましたが、培地活性剤の製造及び販売量が減少いたしました。この結果、その他の売上収益は、191百万円(同18.7%減)となりました。
各事業セグメント別売上収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前第2四半期連結累計期間
(自2021年4月1日
至2021年9月30日)
当第2四半期連結累計期間
(自2022年4月1日
至2022年9月30日)
増減率
(%)
茸事業
13,580
12,566
△7.5
まいたけ
7,604
7,051
△7.3
エリンギ
1,582
1,413
△10.7
ぶなしめじ
2,680
2,526
△5.7
その他の茸
1,712
1,573
△8.1
その他
235
191
△18.7
売上収益
13,816
12,757
△7.7
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末(2022年9月30日時点)の資産合計は、34,844百万円(前連結会計年度末比1,252百万円減)となりました。流動資産は、8,285百万円(同1,450百万円減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出、配当金の支払い、法人所得税の支払い等により現金及び現金同等物が3,023百万円減少した一方、営業債権及びその他の債権が282百万円、棚卸資産が279百万円及び公正価値変動による利得により生物資産が984百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。非流動資産は、26,559百万円(同197百万円増)となりました。これは主に、有形固定資産が112百万円、投資不動産が104百万円及び繰延税金資産が16百万円増加した一方、使用権資産が53百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、24,576百万円(同1,049百万円減)となりました。流動負債は、7,618百万円(同392百万円減)となりました。これは主に、短期借入金が1,500百万円増加した一方、未払法人所得税が1,274百万円、未払費用や未払消費税を含むその他の負債が603百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。非流動負債は、16,958百万円(同656百万円減)となりました。これは主に、約定返済等により借入金が619百万円減少したこと等によるものであります。
(資本)
当第2四半期連結会計期間末の資本合計は、10,268百万円(同202百万円減)となりました。これは主に、四半期利益の計上及び期末配当の実施等により利益剰余金が204百万円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ3,023百万円減少し、699百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、1,383百万円(前年同期は385百万円の使用)となりました。これは主に、税引前四半期利益620百万円、減価償却費及び償却費1,027百万円の計上があった一方、営業債権及びその他の債権の増加額282百万円、棚卸資産の増加額279百万円、生物資産の増加額984百万円の計上及び法人所得税の支払い1,475百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,715百万円(前年同期は1,013百万円の使用)となりました。これは主に、茸事業に係る設備更新等に伴う有形固定資産の取得による支出1,692百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、75百万円(前年同期は808百万円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の借入による収入1,500百万円、約定返済の実施により長期借入金の返済による支出674百万円、配当金の支払い637百万円等があったことによるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、今般のロシア及びウクライナを巡る国際情勢に関しては、当社は両国と取引はなく、現時点では直接的な影響はありません。しかしながら、国際情勢の先行き不安から、為替変動やエネルギー価格の高騰は、当社グループの業績に大きな影響が発生する可能性があります。これらにつきましては、包装資材の軽量化や切り替えによる使用量低減、高効率エネルギー使用への転換を図るなどして、製造原価低減に努めております。
今後の業績等の推移に応じて、通期の連結業績予想を見直す必要が生じた場合には、速やかに公表する予定であります。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、144百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究活動において、生産技術開発に係る研究活動として、マイタケ生産技術の開発は新規種菌製造技術の開発を終え当連結累計期間より稼働開始いたしました。また、マイタケ菌株の開発は、新品種(白マイタケ)の開発を終え、当連結累計期間より生産を開始し、8月より販売を開始しております。加えて、新規事業に関する研究として、キノコの特徴を活かした加工食品や組成物の研究開発を推進しております。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、新たに経営成績に重要な影響を与える要因についての変更はありません。
(8) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載については、重要な変更はありません。
(参考情報)
当社グループは、2021年11月に公表いたしました中期経営計画の策定に伴い、経営成績の推移を把握するための重要な経営指標の見直しを実施し、以下の算式により算出されたコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンを、新たに重要な経営指標として位置づけております。当第2四半期連結累計期間のコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは以下のとおりであります。
(単位:百万円)
回次
国際会計基準
第5期
第6期
第5期
決算期
2022年3月期
第2四半期
連結累計期間
2023年3月期
第2四半期
連結累計期間
2022年3月期
営業利益
2,551
814
4,975
(調整額)
- IAS第41号「農業」適用による影響額 (注)4
△1,056
△642
382
- その他の収益及び費用 (注)5
15
24
231
- 一時的な収益及び費用 (注)6
–
–
–
調整額小計
△1,040
△617
614
コア営業利益 (注)1、7
1,510
197
5,590
(調整額)
+ 減価償却費及び償却費
969
1,021
1,974
コアEBITDA (注)2、7
2,479
1,218
7,564
コアEBITDAマージン(%) (注)3、7
17.9
9.6
23.3
(注) 1.コア営業利益=営業利益 - IAS第41号「農業」適用による影響額 - その他の収益及び費用 - 一時的な収益及び費用
2.コアEBITDA=コア営業利益 + 減価償却費及び償却費
3.コアEBITDAマージン=コアEBITDA ÷ 売上収益
4.IAS第41号「農業」適用による影響額とは、IAS第41号「農業」を適用し、きのこの生産工程である仕込みから収穫時までのきのこを生物資産として、売却費用控除後の公正価値で測定するものであり、当該公正価値の変動による利得及び損失を影響額としております。
5.その他の収益及び費用とは、主に減損損失、固定資産除却損等となります。
6.一時的な収益及び費用とは、通常の営業活動では発生しない一過性の収益及び費用(例として、前連結累計期間まで参考情報として記載しておりました上場関連費用等がこれにあたります。)となります。なお、現在、一時的な収益及び費用の発生はありません。
7.コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは国際会計基準により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社グループが有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は、非経常的損益項目及び競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目の影響を除外しております。なお、コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、国際会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が低下する可能性があります。
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