【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在におきまして判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が2023年5月より5類に移行され社会経済活動が一段と正常化に向かうなか、半導体不足による納期遅延の影響がほぼ解消されるなど、緩やかな景気回復がみられました。
このような状況のもと、当社グループは中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の対象期間を「将来にわたる発展を見据えた転換期」と捉え、グループ基本方針として「次世代成長ドライバーの創出」「リーディングカンパニーとして新たな社会作りへの貢献」「経営基盤変革」を掲げ、次なる時代に向けた成長戦略と事業を通じた社会貢献の実践による企業価値の向上に取り組んでおります。
当第1四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、売掛金の減少等により前連結会計年度末に比べて20,020百万円減少し386,668百万円となりました。また、負債は、支払手形及び買掛金の減少等により前連結会計年度末に比べて22,094百万円減少し240,631百万円となり、純資産は、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末に比べて2,074百万円増加し146,036百万円となりました。
b.経営成績
当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は209,337百万円(前年同期比12.9%増)、営業利益は4,938百万円(前年同期比13.4%増)、経常利益は5,044百万円(前年同期比11.1%増)となりました。これに特別損失として関係会社株式評価損23百万円、その他1百万円を計上し、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,442百万円(前年同期比9.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
ITインフラ流通事業
コーポレート向け市場では、全国の営業拠点を活用した対面での商談の重要性が再認識され、円滑なコミュニケーションにより多くの商談が発生したことで、企業・官公庁・文教のいずれの市場においても中型から大型案件まで安定的に受注を獲得することができました。主にPCやサーバー、サービス&サポートが好調となり、またiKAZUCHI(雷)を通じたサブスクリプション製品の契約数が増加し、ソフトウェアを中心としたクラウドサービスの売上も拡大しました。
コンシューマ向け市場では、EC向け販売はノートPCやモニタの販売が好調に推移しました。量販店向けが苦戦したことで売上高は前年を下回りましたが、利益率改善により増益となりました。
以上の結果、当事業の売上高は192,592百万円(前年同期比14.2%増)、営業利益は4,538百万円(前年同期比15.7%増)となりました。
繊維事業
合繊・レーヨン部門では、制汗シートやコスメ分野等の不織布製品や海外向けの難燃レーヨン素材は好調に推移しましたが、原燃料価格高騰等の影響が長引き利益面では苦戦しました。産業資材部門では、重布関連商品は堅調に推移しましたが、カートリッジフィルターの受注は伸び悩みました。衣料製品部門では、国内向けは価格改定等により一定の業績改善は図られましたが、米国向けの需要回復遅れもあり苦戦しました。
以上の結果、当事業の売上高は14,417百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は224百万円(前年同期比8.5%減)となりました。
産業機械事業
工作機械部門では、エネルギー業界で風力発電や高効率ガスタービン等の需要が旺盛であることに加え、コロナ禍により低迷していた航空機業界向けエンジンの需要回復がみられました。また、中国向け市場においては風力発電業界からの受注が継続しました。自動機械部門では、本体機台の納品が第2四半期以降に集中することとなり、減収減益となりました。
以上の結果、当事業の売上高は2,182百万円(前年同期比7.5%減)、営業利益は137百万円(前年同期比17.8%減)となりました。
その他
報告セグメントに含まれない事業セグメントにつきまして、当事業の売上高は144百万円(前年同期比35.4%減)、営業利益は20百万円(前年同期比12.1%増)となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等につきまして重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上していくことを可能とする者であるべきと考えております。
当社は、金融商品取引所に株式を上場していることから、市場における当社株式の取引につきましては株主の自由な意思によって行われるべきであり、たとえ当社株式等の大規模買付行為がなされる場合であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これをすべて否定するものではありません。また、経営の支配権の移転を伴う株式の大規模買付提案に応じるかどうかは、最終的には株主の判断に委ねられるべきだと考えております。
しかしながら、資本市場における株式の大規模買付提案の中には、その目的等から見て、例えばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができないことが予測されるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言いがたいもの、あるいは株主が最終的に判断されるために必要な時間や情報が十分に提供されずに、大規模買付行為が行われる可能性も否定できません。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主から負託された者の責務として、株主のために必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉、場合によっては必要かつ相当な対抗措置を取る必要があると考えております。
Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み
当社は、上記方針の実現、つまり企業価値向上及び株主共同の利益のために、次の取組みを実施しております。
中期経営3ヵ年計画
当社グループは第111期から中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)をスタートさせました。本計画の対象期間を「将来にわたる発展を見据えた転換期」と捉え、グループ基本方針として「次世代成長ドライバーの創出」「リーディングカンパニーとして新たな社会作りへの貢献」「経営基盤変革」を掲げ、次なる時代に向けた成長戦略と事業を通じた社会貢献の実践による企業価値の向上に取り組んでおります。
Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社株式等の大規模買付行為が行われる場合には、買付者等に対して必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見の開示など適時適切な開示を行い、株主の皆様の検討時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他関連法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
Ⅳ.具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記Ⅱ及びⅢで述べた取組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させるための具体的な方策として策定されたものであり、また上記Ⅰの会社の支配に関する基本方針及び株主共同の利益に沿うものであるため、当社の会社役員の地位の維持を目的としているものではないと判断しております。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、240百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。