【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)
経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、政府の新型コロナウイルス感染症対策の見直しによる「ウィズコロナ」の下で、社会経済活動の制限緩和が一段と進み、景気は内需を中心に緩やかに持ち直しの動きが続きました。しかしながら、長期化するウクライナ情勢など不安定な国際情勢による原材料・エネルギー価格の高止まりや、欧米各国の金融引き締めによる海外景気の下振れ影響が今後も懸念され、依然としてわが国の景気の先行きは不透明な状況にあります。このような環境のなか、当社グループは、構造改革後も継続して収益基盤の強化や採算性の改善に取り組み、中長期的な企業価値の向上に努めております。 不動産事業では、中核事業であるコクーンシティ(さいたま新都心駅前社有地)において、テナント入替や環境整備の推進による集客魅力、施設鮮度の維持向上を図るとともに、持続的な街の成長に向けて、エリアマネジメント活動等、地域、社会のニーズに応える街機能の充実に努めてまいりました。 医薬品事業では、強みである循環器領域において更なる独自性のある製品ラインナップの強化を図るほか、幅広く他の製薬会社や研究機関とも業務提携を進めるとともに、自社販売体制への移行など販売・生産・研究にかかるコスト構造の更なる見直しと、効率的な事業運営による安定した収益基盤の確立に努めてまいりました。機械関連事業の消防自動車事業では、トラック業界における車載用半導体不足により車両の調達に影響が出ているため、車両の確保に努めるとともに、引き続き仕様の集約や生産性向上に取り組むことで更なる採算性の改善に努めてまいりました。 繊維事業の実用衣料では、既存商材の拡販やコスト構造の見直し等による事業基盤の強化に加え、介護商品など高付加価値商品の拡充による収益力強化を進めてまいりました。また、機能性繊維については、新たな高機能素材の開発と耐熱性繊維の用途開発・販路拡大に努めてまいりました。 この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、機械関連事業の消防自動車事業でシャシの入庫遅れの影響により減収となったものの、医薬品事業で前期の自社販売体制への商流切り替えのための一時的な販売減からの回復により、107億円(前年同四半期比25.2%増)となりました。営業利益は、医薬品事業の増収により10億51百万円(前年同四半期は9億3百万円の損失)、経常利益は12億59百万円(前年同四半期は6億95百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、9億90百万円(前年同四半期比271.1%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①
不動産事業不動産事業は、当社運営のショッピングセンター「コクーンシティ」でテナント売上が回復傾向にあること等により増収となりました。この結果、不動産事業の売上高は25億80百万円(前年同四半期比3.4%増)、営業利益は10億45百万円(同8.9%増)となりました。
②
医薬品事業
医薬品事業は、前期の自社販売体制への商流切り替えのための一時的な販売減からの回復により増収となりました。この結果、医薬品事業の売上高は28億82百万円(同12,531.1%増)、営業損益は2億59百万円の損失(前年同四半期は22億53百万円の損失)となりました。
③
機械関連事業
機械関連事業は、消防自動車事業で車載用半導体の不足等によるシャシの入庫遅れの影響により減収となりました。この結果、機械関連事業の売上高は28億31百万円(前年同四半期比31.0%減)、営業利益は2億55百万円(同34.3%減)となりました。
④
繊維事業
繊維事業は、実用衣料の肌着及び耐熱性繊維等の機能性繊維が堅調に推移したことにより増収となりました。この結果、繊維事業の売上高は18億53百万円(同18.1%増)、営業利益は2億45百万円(同53.7%増)となりました。
⑤
その他
その他の区分は、ビル管理サービス、印刷紙器の製造・販売及び訪花昆虫の販売等により構成されております。当第1四半期連結会計期間より新規連結した子会社の寄与により増収となりました。この結果、その他の売上高は5億51百万円(同55.1%増)、営業利益は25百万円(同14.5%減)となりました。
(2)
財政状態の分析
(総資産)当第1四半期連結会計期間末における総資産は1,372億58百万円(前連結会計年度末比8億56百万円減、同0.6%減)となりました。これは、仕掛品、投資有価証券が減少したことが主因であります。(資産の部)流動資産は、558億51百万円(前連結会計年度末比5億28百万円減、同0.9%減)となりました。増減の主要な項目は、仕掛品であり、5億13百万円減少しました。固定資産は、814億6百万円(前連結会計年度末比3億28百万円減、同0.4%減)となりました。増減の主要な項目は、投資有価証券であり、6億1百万円減少しました。(負債の部)流動負債は、183億29百万円(前連結会計年度末比7億11百万円減、同3.7%減)となりました。増減の主要な項目は、支払手形及び買掛金、その他であり、支払手形及び買掛金は3億46百万円増加し、その他は10億77百万円減少しました。固定負債は、334億20百万円(前連結会計年度末比11億76百万円減、同3.4%減)となりました。増減の主要な項目は、長期借入金、繰延税金負債であり、それぞれ8億27百万円、2億14百万円減少しました。
(純資産の部)純資産は、855億7百万円(前連結会計年度末比10億31百万円増、同1.2%増)となりました。また、自己資本比率は51.5%となりました。
(3)
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)
研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5億84百万円であります。
(5)
生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、機械関連セグメントの受注実績及び受注残高が著しく増加しております。受注実績は12億19百万円(前年同四半期比635.7%増)、受注残高は34億10百万円(前年同四半期比429.5%増)となりました。これは、消防自動車事業でコロナ禍による自治体予算減少からの回復等によるものです。