【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況 当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響は薄れた一方、依然として緊張状態にある米中関係及びウクライナ・ロシア情勢の長期化に伴う地政学リスクに加え、中国不動産市場の不振や世界的な金融引き締め等を背景とした景気後退も懸念されるなど、先行き不透明な状況が継続しております。 国内経済においては、経済活動の正常化が進むとともに賃上げが実施されたこと等により、企業の設備投資や個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、全体としては緩やかに景気回復していくことが期待される状況となりました。しかしながら、円安の継続により原材料及びエネルギーコストは高水準で推移し、サプライチェーンの在庫調整などにより、半導体や化学業界の一部では稼働回復に遅れが見られ、稼働低迷の影響は当初の見通しよりも長期化するとの見方が強まるなど、今後の動向には十分に留意する必要があります。 このような状況下において、当社グループは環境を軸とした事業活動を展開し、サステナブルな社会の実現に貢献することを通じて、社会から必要とされる環境リーディングカンパニーとなることを目指し、2030年度を見据えた長期ビジョン「グランドビジョン2030」を策定いたしました。また、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画では、確実性の高い安定的な事業成長・業績拡大を進めるとともに、2030年度に向けて事業規模を倍増させるという目標を実現するため、次期大型設備投資の準備を進める期間と位置付けております。当第2四半期連結累計期間においては、今後の成長ドライバーとなる産業廃棄物の有効利用やエレクトロニクス業界向けの製品供給等に注力いたしましたが、半導体や化学業界の一部をはじめとする顧客の稼働回復遅れや在庫の消費待ち等、外部環境の影響を大きく受ける状況となりました。 その結果、当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高8,011百万円(前年同四半期比11.0%減)、営業利益769百万円(前年同四半期比22.6%減)、経常利益787百万円(前年同四半期比22.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益527百万円(前年同四半期比19.1%減)となりました。 当社グループは、環境関連事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載を省略しておりますが、主な事業は5つに区分しており、事業種類別の業績は次のとおりです。
①リユース当事業は、廃棄物の再資源化に対する社会的ニーズが年々高まる中、サーキュラーエコノミーの形成に貢献していくことを目指し、有機溶剤、リン酸及び希少金属等のマテリアルリサイクル推進とその付加価値向上に注力しております。資源価格及び各種コスト上昇分の価格転嫁を進めてきたことから、再生製品の販売価格は前年同期比で上昇した一方、半導体業界等の一部で顧客の工場稼働が低迷していることから、取扱数量は減少しました。その結果、売上高は1,471百万円(前年同四半期比7.5%減)となりました。
②リサイクル当事業は、これまでに東西工場拠点において投資をしてきたリサイクル施設の稼働率を向上させるため、新規顧客開拓による取扱数量の増加に注力しております。当社茨城事業所(茨城県稲敷市)及び連結子会社であるサンワ南海リサイクル株式会社(和歌山県和歌山市)において、廃油・廃酸・廃アルカリ等の液体廃棄物と、汚泥・廃プラスチック類等の固形廃棄物のいずれも取扱数量が増加しました。その結果、売上高は2,793百万円(前年同四半期比8.7%増)となりました。
③化学品当事業は、次世代自動車の台頭やIT技術・情報通信技術の高度化に伴い、半導体・電池等のマーケット拡大が期待される中、そのようなエレクトロニクス業界向けの製品供給に注力しております。電池向けの製品需要は堅調に伸長した一方、原材料の主要品目が大きく価格低下していることに加え、半導体関連顧客の生産調整に伴う需要低下により、溶剤販売数量が減少しております。その結果、売上高は2,126百万円(前年同四半期比34.6%減)となりました。
④自動車当事業は、従来からの部品加工分野は需要が縮小していくことが見込まれます。さらに、自動車完成車メーカーの稼働は回復に向かう一方、サプライチェーンの川上である部品加工メーカー等では積み上がった在庫の消費局面が継続しており、金属加工油や潤滑油等の販売数量は伸び悩みました。しかしながら、売価への価格転嫁が進んだことに加え、顧客工場の生産ライン改廃に伴う設備の撤去・移設や清掃作業などの新たな顧客ニーズへの対応に努めてまいりました。その結果、売上高は1,290百万円(前年同四半期比6.5%増)となりました。
⑤PCB当事業は、PCB特別措置法で定められた2027年の処理期限に向けて、適切に処理を進めるためのソリューション提 供を通じて顧客の信頼を獲得し、他の事業での取引へ展開していく活動に注力しております。顧客ニーズに的確に対応しておりますが、想定の範囲内で徐々に市場は縮小しております。その結果、売上高は330百万円(前年同四半期比13.1%減)となりました。
(2)財政状態の状況 当第2四半期連結会計期間末の総資産は20,279百万円と前連結会計年度末に比べ563百万円減少いたしました。これは主に投資有価証券が213百万円増加したものの、現金及び預金が355百万円、受取手形及び売掛金が121百万円減少したこと等によります。負債は8,715百万円と前連結会計年度末に比べ1,092百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が761百万円減少したこと等によります。純資産は11,563百万円と前連結会計年度末に比べ、529百万円増加いたしました。その主な要因は、利益剰余金が372百万円、その他有価証券評価差額金が147百万円増加したこと等によります。
(3)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ355百万円減少し2,622百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払238百万円があったものの、税金等調整前四半期純利益787百万円や減価償却費505百万円を源泉とした収入等により1,252百万円の収入(前年同四半期連結累計期間比227百万円の収入増加)になりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出534百万円等により、513百万円の支出(前年同四半期連結累計期間比970百万円の支出減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済額931百万円等により、1,094百万円の支出(前年同四半期連結累計期間比755百万円の支出増加)となりました。
(4)経営方針・経営戦略等 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動 当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は189百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。