【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が弱まり、経済活動の正常化が進んだ一方、ロシアのウクライナ侵攻による資源価格・エネルギー価格の高騰と消費者物価の上昇等により、引き続き先行き不透明な情勢が続きました。当社グループの事業分野であります自動車業界におきましては、半導体不足等の緩和に伴い、自動車メーカーの生産調整は徐々に解消しつつあり、日系自動車メーカーのグローバル生産台数は前年を上回る実績となりました。このような環境下、当社グループは「中期経営計画~Mission 2025~」の2年目として、グループの4つの機能である開発機能、製造機能、調達機能、グローバル機能の一層の強化による「経済的価値の追求」と、環境・社会・ガバナンスの重要課題における「社会的価値の創造」に資する具体的施策を掲げ、活動を推進しております。こうした中、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は、一部商用車メーカーの減産継続の影響があったものの、主要得意先自動車メーカーの生産回復、及び新規受注品の売上寄与や円安に伴う為替換算のプラス影響もあり、9,278百万円(前年同期比12.1%増)となりました。一方、連結営業利益については、仕入価格・原材料価格の高騰と中国における売上減少の影響が大きく、353百万円(同36.5%減)となりました。また、経常利益は397百万円(同37.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は、海外子会社における資金流出事案による特別損失を計上したことから、23百万円(前年同期は、親会社株主に帰属する四半期純利益452百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(セグメント売上高は、外部顧客に対するものであり、セグメント利益は、四半期連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。)
〔日本〕
一部商用車メーカーの減産継続の影響があったものの、主要得意先自動車メーカーの生産回復、及び新規受注品の売上寄与により、売上高は4,509百万円(前年同期比10.4%増)となりました。セグメント利益は、売上の増加はありましたが、仕入価格・原材料価格の高騰と人材関連費用の増加等により、76百万円(同49.0%減)となりました。〔米州〕
主要得意先自動車メーカーの生産回復と新規受注品の売上寄与や円安に伴う為替換算のプラス影響により、売上高は2,786百万円(前年同期比55.5%増)となりました。セグメント利益は、売上の増加はありましたが、仕入価格・原材料価格の高騰と人材関連費用の増加等により、60百万円(同27.9%減)となりました。 〔中国〕
自動車販売台数に占める地場メーカーによるEV車・PHV車の比率が急速に高まり、エンジン車、HV車が主力の日系自動車メーカーの生産、販売が低迷し、売上高は835百万円(前年同期比39.5%減)となりました。セグメント利益は、売上減少の影響が大きく、0百万円(同99.8%減)となりました。〔アセアン〕新規受注品の売上寄与や円安に伴う為替換算のプラス影響により、売上高は782百万円(前年同期比8.5%増)となりました。セグメント利益は、製造原価の上昇により、96百万円(同2.7%減)となりました。〔欧州〕主要得意先自動車メーカーの生産回復と新規受注品の売上寄与や円安に伴う為替換算のプラス影響により、売上高は364百万円(前年同期比22.3%増)となりました。セグメント利益は、仕入原価の上昇により1百万円(同97.8%減)となりました。〔台湾〕台湾大橋精密股份有限公司は、グループ間取引のみのため、外部顧客への売上高はありません。グループ会社向けの輸出は増加しましたが、セグメント利益は、輸出条件の見直し等により、8百万円(前年同期比32.7%減)となりました。
当第1四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末比465百万円増加し、44,115百万円となりました。これは主として、商品及び製品の減少がありましたが、受取手形、売掛金及び契約資産、有形固定資産、投資有価証券が増加したことによるものであります。負債の残高は、前連結会計年度末比375百万円増加し、8,460百万円となりました。これは主として、電子記録債務が増加したことによるものであります。純資産の残高は、前連結会計年度末比90百万円増加し、35,655百万円となりました。これは主として、配当金の支払や親会社株主に帰属する四半期純損失による減少がありましたが、為替換算調整勘定や、その他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第1四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書の「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(5) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、22百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。 (7) 生産、受注及び販売の実績当第1四半期連結累計期間において、米州における販売及び生産の実績と、欧州における仕入の実績が著しく増加しております。米州におきましては、主要得意先自動車メーカーの生産回復と新規受注品の増加、また円安に伴う為替換算のプラス影響により、販売実績は2,787百万円(前年同期比55.5%増)となり、生産実績も517百万円(前年同期比93.8%増)となりました。欧州におきましては、主要得意先の新規品立ち上げに備えた、台湾のグループ会社からの仕入増加により、仕入実績は246百万円(前年同期比110.9%増)となりました。
(8) 主要な設備① 当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
会社名事業所名
所在地
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額(千円)
完了予定年月
オーハシ技研工業株式会社鈴鹿工場
三重県鈴鹿市
日本
生産設備
176,000
2024年9月
② 前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第1四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
会社名事業所名
所在地
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額(千円)
完了予定年月
OHASHI SATO(THAILAND)CO.,LTD.
タイ国プラチンブリ
アセアン
生産設備
220,000
2023年11月(注)
(注) 完了予定年月を2023年7月から2023年11月に変更しております。
(9) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの主要な資金需要は、販売のための商品仕入、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備、改修等に係る投資であります。当社グループの持続的な成長・企業価値の向上を図るためには、グローバル事業体制の拡充、強みのある製造基盤の構築を実現するための資本投下、製造設備の強化、M&Aを含めた投資等の検討が不可欠と考えております。中長期的な経営戦略に沿った開発・製造機能の強化、特にグループ製造拠点の生産能力拡大のための設備投資と主要調達先との戦略的資本提携に資金の投入を行う方針です。また、安定的な還元と積極的な資本政策についても引続き取り組んでまいります。これらの資金需要につきましては、自己資金を中心に対応していくこととしております。