【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)におけるわが国経済は、急激な物価上昇があったものの、賃上げや労働者不足を背景とした個人消費や設備投資が伸長し、景気の回復がみられました。米国経済は、雇用や個人消費に底堅い動きが見られるものの、インフレ抑制のための金融引き締め政策により、景気後退のリスクが高まっています。欧州経済は、高インフレにより個人消費が停滞したことで、景気の回復は低調となりました。中国経済は、ゼロコロナ政策の解除を機に個人消費を中心に持ち直しましたが、不動産市場の低迷や輸出の減少などにより、景気の回復は鈍化しました。
このような状況において当社は、中期成長目標「Vision 2025」を策定し、目標達成を通して持続可能な成長の実現を目指しています。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は44,910百万円と前年同期比9.5%の増収となりました。また利益につきましては、営業利益は2,284百万円と前年同期比9.7%の減益、経常利益は3,504百万円と前年同期比13.3%の減益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は3,409百万円と前年同期比5.0%の減益となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
なお、当第1四半期連結累計期間より報告セグメントの区分を「コンデンサおよびその関連製品」の単一セグメントから、「コンデンサ事業」と「NECST(Nichicon Energy Control System Technology)事業」の2区分に変更しています。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で表示しています。
(コンデンサ事業)
コンデンサ事業における売上高は27,504百万円(前年同期比3.4%減)、セグメント営業利益は1,556百万円(前年同期比47.0%減)と減収減益となりました。
自動車向けに関しては、xEV用フィルムコンデンサが顧客の半導体不足に伴う生産減および在庫過多による調整局面があった一方で、導電性高分子ハイブリッドアルミニウム電解コンデンサは昨年からの設備投資効果により伸長しました。また、生産の高度化・自動化を目的とした投資意欲の高まりを受け、産業機器向けのアルミ電解コンデンサが堅調に推移しました。PC、サーバーを中心とした情報通信市場においては顧客の在庫調整が完了し、受注が回復傾向にあります。今後も自動車の電動化が急速に進む中で、xEV用フィルムコンデンサ、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサを中心に旺盛な受注に対応してまいります。
(NECST事業)
NECST事業における売上高は17,406百万円(前年同期比38.9%増)の大幅増収、セグメント営業利益は729百万円(前年同期は406百万円のセグメント営業損失)となりました。
グローバルでEV普及が本格化するなか、日本市場においても軽EV市場の広がりと相まって、V2Hや急速充電器の市場も急速に立ち上がりつつあり、ニーズを捉えた商品展開・拡販に取り組みました。また、V2Hを取り込んだ当社独自の家庭用蓄電「トライブリッド蓄電システム®(※)」が電気料金の高騰や災害による停電対策などのニーズの高まりを受け、好調に推移しました。今後のさらなるEV化の進展に合わせ、急速充電器や公共・産業用蓄電システムの展開による社会インフラ構築など、事業活動を通じた社会貢献に努めてまいります。
※トライブリッド蓄電システム:蓄電池、太陽電池、EVの蓄電池3つの電池を効果的につなぎ合わせ、電気の家産家消に寄与するニチコン独自の家庭向け蓄電システム。
設備投資につきましては、新規事業の成長を見据えた技術・開発投資や当社のコア事業であるアルミ電解コンデンサやxEV向けフィルムコンデンサの生産能力増強、NECST製品生産工場の建屋増築などを中心に3,676百万円の設備投資を実施しました。
なお、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。
コンデンサ事業
3,417百万円
NECST事業
259百万円
(2)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ710百万円減少し24,358百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1,028百万円収入が増加し3,551百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益が3,481百万円、減価償却費を1,571百万円計上したことに加え、売上債権の減少額が2,202百万円となった一方で、和解金の支払額が2,796百万円となったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ2,008百万円支出が増加し3,931百万円の支出となりました。これは主に、有価証券・投資有価証券の売却・償還による収入が509百万円となりましたが、有形固定資産の取得による支出が3,917百万円、有価証券・投資有価証券の取得による支出が409百万円となったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1,033百万円支出が減少し1,191百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額が1,094百万円となったことなどによるものです。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
株式会社の支配に関する基本方針について
当社は、「より良い地球環境の実現に努め、価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献していくこと」を経営理念に掲げています。また、倫理的・社会的責任を果たすとともに、株主の皆様をはじめとする全ての人々を大切にし、企業価値の最大化を目指して、「誠心誠意」をもって「考働(※)」しています。
この経営理念に基づき、会社の支配に関する基本方針として、当社に対し買収提案が行われた場合は、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における当社株主の皆様に委ねられるべきであり、またその場合に株主の皆様が、十分な情報と相当な検討期間に基づき、公正で透明性の高い株主意思の確認手続きを通じた判断(インフォームド・ジャッジメント)を行えるようにすることが、企業価値および株主共同の利益の確保と向上のため必要であると考えています。
※考働:考えて働くという当社の造語。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1,290百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。
コンデンサ事業
402百万円
NECST事業
887百万円
