【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、社会経済活動の正常化に伴う持ち直しの動きがみられましたが、各国で進展する物価上昇やそれを抑制するための各国中銀による金融引き締め政策により回復ペースは鈍化がみられます。また、ロシア・ウクライナ情勢の長期化やそれに伴うエネルギー供給の懸念など先行きは不透明な状況にあります。
米国経済は、貯蓄取崩しによる個人消費や雇用情勢などに底堅い動きがみられるものの、高インフレや政策金利の引き上げが景気を下押しし、全体として減速しつつあります。欧州経済は、資源価格に落ち着きがみられるものの、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が引き続き懸念材料となり、先行きは不透明です。中国経済は2022年12月にゼロコロナ政策の緩和に舵を切り、回復基調にあるものの、突然の緩和による新規感染者の急増など混乱もみられ、本格的な回復までには時間を要する見通しです。一方、国内経済は個人消費の持ち直しや高水準を維持する企業収益により緩やかな回復基調にありますが、世界経済の減速懸念や物価上昇、今後の金利動向など不確実性は高く予断を許さない状況にあります。
このような状況下、当社グループは「三井E&Sグループ 事業再生計画」(2019年5月に策定、2019年11月に一部見直し、以下、事業再生計画)に沿って、不採算事業の整理・撤退等を進め、最大の懸案であったインドネシア共和国向け火力発電所土木建築工事については、既に発電プラントの商業運転が開始されました。また、2022年10月3日付で「三井E&S造船株式会社の株式追加譲渡」を完了する等、事業再生計画に一定の目途が付けられる状況に至りました。
一方で、当社を取り巻く事業環境が大きく変化していることを踏まえ、「2023年度中期経営計画」(以下、2023中計)を1年前倒しで2022年度からスタートすることを2022年5月13日に公表し、その成長戦略の一環として、中核事業である舶用推進エンジン事業における開発・生産・アフターサービスの強化を目的に、2022年9月27日付で、「株式会社IHI原動機の舶用大型エンジン及びその付随事業の承継に関する株式譲渡契約」を締結いたしました。
また、財務体質の健全化及び成長投資のための資本対策として、2022年3月31日に「第三者割当によるA種優先株式の発行、第三者割当による第1回行使価額修正条項付新株予約権の発行」によって、合計約170億円の資金調達を行うことを公表し、2022年4月18日に第1回行使価額修正条項付新株予約権の発行価額全額の払込が完了、2022年6月30日に「A種優先株式」の払込手続が完了しております。この成長投資の一環として、岡山県の当社グループ玉野機械工場敷地内で二元燃料ディーゼルエンジン試験運転用の設備増強工事に着手いたしました。(2022年11月9日公表)
さらに、当社グループは、今後の成長と収益力向上のため、事業と経営との距離を縮め、一体となることで戦略の立案・実行スピードを上げることを目的に、2023年4月1日を目処とした純粋持株会社体制解消に向けた吸収合併契約を、株式会社三井E&Sマシナリー及び株式会社三井E&Sビジネスサービスとの間で締結(2022年3月31日付)し、2022年6月28日開催の定時株主総会で定款の一部変更が承認されました。
本吸収合併後、2023年4月1日付で、当社は商号を「株式会社三井E&S」に変更(2022年3月31日公表)いたします。また、2023年6月開催予定の定時株主総会で承認されることを条件として、当社は2023年6月定時株主総会後に監査等委員会設置会社へ移行する予定です。(2023年1月26日公表)
当社グループでは、2022年度を事業再生計画の仕上げと、2023中計に掲げた成長戦略の遂行に向けた土台固めの年と位置づけ、各施策の確実な遂行と、更なる成長戦略を実行・加速させることで、新生三井E&Sグループの企業価値向上に取り組んでまいります。
当第3四半期連結累計期間の受注高は、前年同期と比べて2,188億93百万円減少(△50.6%)の2,140億19百万円となりました。売上高は、海洋開発部門の三井海洋開発株式会社を連結の範囲から除外したことにより、前年同期と比べて3,353億44百万円減少(△65.9%)の1,731億94百万円となりました。営業損失は、エンジニアリング部門において円安の影響で引当済みの外貨建て費用が増加したことなどにより、25億42百万円(前年同期は94億18百万円の営業損失)となりました。経常損失は、営業損失の計上及び為替差益や持分法投資利益の計上などにより4億47百万円(前年同期は86億29百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、22億15百万円(前年同期は19億33百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
報告セグメント別の状況は次のとおりです。
(船舶)
船舶セグメントを構成する三井E&S造船株式会社及びその子会社2社は、持分の減少に伴い、当第3四半期連結会計期間より連結の範囲から除外したため、受注高、売上高、営業損益の認識は連結子会社であった第2四半期連結累計期間までとなります。
受注高及び売上高は、前連結会計年度に艦艇事業を譲渡した影響などにより、それぞれ、前年同期と比べて43億48百万円減少(△34.0%)の84億39百万円、174億87百万円減少(△72.6%)の65億98百万円となりました。営業損益は、前年同期の2億16百万円の損失から83百万円の利益となりました。
(海洋開発)
当社の持分法適用関連会社である三井海洋開発株式会社及びその関係会社において、新型コロナウイルス感染症拡大によるFPSO等建造工事の収益率低下や追加的な修繕費用等の発生に加え、米ドル高による為替差損の発生、FPSOを保有する関連会社に対する追加融資に対して損失評価引当金を計上したことなどにより、持分法による投資利益は7億62百万円となりました。
(機械)
受注高は、各事業において新型コロナウイルス感染症拡大に伴う投資抑制が解消されつつあることに加え、舶用ディーゼル機関の前期からの期ずれ受注の影響などにより、前年同期と比べて514億58百万円増加(+46.6%)の1,619億34百万円となりました。売上高は、舶用ディーゼル機関の環境規制対応やコンテナクレーン工事の進捗などにより、前年同期と比べて131億36百万円増加(+12.2%)の1,206億88百万円となり、営業利益は、資機材の高騰を主要因とし、特に海外向けコンテナクレーン工事の一部で採算が悪化した影響などにより、前年同期と比べて8億32百万円減少(△23.0%)の27億91百万円となりました。
(エンジニアリング)
受注高は前年同期と比べて3億71百万円増加(+24.2%)の19億4百万円、売上高は2億80百万円減少(△4.1%)の66億50百万円となりました。営業損失は、引当済みの外貨建て費用が期末の為替相場により一時的に変動したことなどにより、前年同期と比べて4億1百万円改善し、50億27百万円となりました。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べて173億62百万円増加の4,265億13百万円となりました。これは、現金及び預金が116億19百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が67億85百万円それぞれ減少した一方、仕掛品が107億19百万円、投資有価証券が261億93百万円それぞれ増加したことなどによります。
負債は、前連結会計年度末と比べて193億58百万円減少の3,268億42百万円となりました。これは、短期借入金が135億18百万円、契約負債が57億68百万円それぞれ増加した一方、1年内償還予定の社債が100億円、受注工事損失引当金が113億9百万円、社債が50億円、長期借入金が52億11百万円それぞれ減少したことなどによります。
純資産は、A種優先株式の発行、第1回行使価額修正条項付新株予約権の行使、繰延ヘッジ損益の増加や為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末と比べて367億21百万円増加の996億70百万円となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は11億55百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)従業員数
当第3四半期連結累計期間末における従業員数は、前連結会計年度末に比べて888名減少し、5,777名になりました。これは主に船舶セグメントにおいて、連結子会社であった三井E&S造船株式会社の株式の一部を譲渡し、同社並びに同社の子会社である新潟造船株式会社及びMES由良ドック株式会社(2023年1月1日付で由良ドック株式会社に商号変更)を連結の範囲から除外したことによるものです。
なお、従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、前年同期に比べ、生産、受注及び販売の実績が著しく減少しております。これは主に海洋開発セグメントにおいて、前第3四半期連結会計期間末より、連結子会社であった三井海洋開発株式会社を連結の範囲から除外し、持分法適用関連会社としたことによるものであります。
(7)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、連結子会社であった三井E&S造船株式会社及び株式会社MESファシリティーズを連結の範囲から除外したことにより、同社及び三井E&S造船株式会社の子会社である新潟造船株式会社の設備は当社グループの主要な設備に該当しなくなりました。
国内子会社
2022年3月31日現在
会社名
事業所名
(主な所在地)
セグメントの名称
設備の内容
帳簿価額(百万円)
従業員数
(名)
建物及び
構築物
機械装置
及び
運搬具
土地
(面積千㎡)
リース
資産
その他
合計
三井E&S造船㈱
岡山県玉野市
船舶
その他設備
826
324
–
(-)
–
0
1,151
120
[10]
新潟造船㈱
新潟県新潟市
中央区
船舶
船舶生産設備
604
233
784
(172)
41
130
1,794
208
[10]
㈱MESファシリティーズ
岡山県玉野市
その他
その他設備
749
96
661
(236)
130
52
1,690
266
[507]
(注)従業員数の[ ]は、臨時従業員数(年間の平均人員)を外数で記載しております。
