【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況ソリューション事業においては、新規契約における保証契約への切替の影響により減収となったものの、保証事業においては、ソリューションサービスからの切替や既存取引先の件数増加により、新規保証料及び更新保証料ともに大幅に増加し、増収に寄与しました。また、医療費用保証については、コロナ禍における営業活動の制約等の影響が少なくなり、新規の契約医療機関数が伸張し増収となりました。以上の結果、売上高に関しましては、保証事業の売上高は、4,943,044千円(前期比61.9%増)、ソリューション事業の売上高は、1,548,759千円(前期比18.1%減)となり、合計で6,491,803千円(前期比31.3%増)となりました。営業利益に関しましては、保証事業の増収に伴い管理会社への業務委託手数料及び貸倒費用の増加等があったものの、その他の費用増加を一定水準に抑制できたことにより、1,627,024千円(前期比37.4%増)となりました。経常利益は1,625,168千円(前期比37.7%増)、当期純利益は1,005,065千円(前期比28.9%増)となり、売上、利益ともに過去最高を更新いたしました。なお、当社は総合保証サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。また、総資産につきましては、口座振替の入金タイミング早期化により立替金が減少した一方、業績が順調に推移し、現金及び預金が増加したことなどにより、7,975,732千円となり、前事業年度末に比べ1,650,061千円増加いたしました。
② キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、5,686,779千円となり、前事業年度末に比べ2,418,691千円増加(前事業年度は192,174千円の増加)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は、2,783,689千円(前事業年度は618,675千円の増加)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益1,621,308千円、口座振替の入金タイミング早期化による立替金の減少額496,982千円、契約負債の増加額473,007千円、貸倒引当金の増加額363,162千円などであります。一方、主な減少要因は、前払費用の増加額32,343千円、法人税等の支払額415,263千円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は、74,441千円(前事業年度は169,437千円の減少)となりました。主な減少要因は、差入保証金の差入による支出41,325千円、投資有価証券の取得による支出29,430千円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の減少は、290,556千円(前事業年度は257,062千円の減少)となりました。主な減少要因は、配当金の支払額290,558千円などであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績該当事項はありません。
b. 受注実績該当事項はありません。
c. 販売実績当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
総合保証サービス事業
6,491,803
31.3
合計
6,491,803
31.3
(注)1.当社は総合保証サービス事業の単一セグメントであります。 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
大和リビング株式会社
1,360,248
27.5
1,125,814
17.3
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績当事業年度の売上高は前事業年度より1,548,105千円増加し、6,491,803千円(前期比31.3%増)となりました。これは、新規契約における保証契約への切替の影響によりソリューション事業の売上高が、1,548,759千円(前期比18.1%減)となったものの、ソリューションサービスからの切替や既存取引先の件数増加により、新規保証料及び更新保証料ともに大幅に増加し、また、医療費用保証については、コロナ禍における営業活動の制約等の影響が少なくなり、新規の契約医療機関数が伸張した結果、保証事業の売上高が、4,943,044千円(前期比61.9%増)となったことによります。また、保証事業の伸長により業務委託手数料等の売上原価は増加したものの、増収により売上原価の増加を吸収し、売上総利益は707,075千円増加し、3,105,893千円(前期比29.5%増)となりました。販売費及び一般管理費は前事業年度より264,348千円増加し、1,478,868千円(前期比21.8%増)となりました。これは、営業を中心に人材採用を積極的に行ったほか、貸倒費用、支払手数料が増加したことなどによります。この結果、営業利益は442,727千円増加し、1,627,024千円(前期比37.4%増)となりました。営業外収益は72千円減少し、4,547千円(前期比1.6%減)となりました。営業外費用は2,652千円減少し、6,404千円(前期比29.3%減)となりました。これは固定資産除却損が減少したことなどによります。この結果、経常利益は445,306千円増加し、1,625,168千円(前期比37.7%増)となりました。法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は616,242千円となりました。この結果、当期純利益は1,005,065千円(前期比28.9%増)となりました。なお、2021年5月に策定した中期経営計画では、下記の数値を主要な目標として掲げており、当該中期経営計画の2年目である当事業年度との比較は下記のとおりであります。
2023年3月期
2024年3月期目標
売上高 (千円)
6,491,803
8,000,000
営業利益 (千円)
1,627,024
2,000,000
営業利益率 (%)
25.1
25.0
b. 財政状態当事業年度末における総資産は、7,975,732千円となり、前事業年度末に比べ1,650,061千円増加となりました。流動資産は、6,871,648千円となり、前事業年度末に比べ1,561,297千円増加となりました。これは、現金及び預金が2,418,691千円増加した一方、立替金が496,982千円減少し、貸倒引当金が363,162千円増加したことなどによります。固定資産は、1,104,083千円となり、前事業年度末に比べ88,764千円増加となりました。これは、投資その他の資産が101,117千円増加した一方、無形固定資産が31,849千円減少したことなどによります。当事業年度末における負債合計は、2,765,893千円となり、前事業年度末に比べ894,701千円増加となりました。流動負債は、2,655,063千円となり、前事業年度末に比べ880,147千円増加となりました。これは、契約負債が458,613千円、未払法人税等が229,785千円、保証履行引当金が85,152千円増加したことなどによります。固定負債は、110,829千円となり、前事業年度末に比べ14,554千円増加となりました。これは、その他固定負債が14,393千円増加したことによります。当事業年度末における純資産合計は、5,209,838千円となり、前事業年度末に比べ755,359千円増加となりました。これは、配当の支払により290,663千円減少したものの、当期純利益1,005,065千円を計上したことにより、利益剰余金が同額増加したことなどによります。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因保証事業については、大和リビング株式会社が管理している物件を対象とした保証サービスに係る保有契約者数は、ソリューションサービスからの移行により大幅な増加傾向にあります。また、家賃債務保証を取り巻く環境は、保証会社の利用が定着し、保証会社利用割合は増加傾向にあるものと考えております。このような環境のもと、新規の業務委託先の開拓により、保証サービスの拡販に注力すると共に、既存の大手パートナー企業との協業による家賃債務保証商品の開発にも力を入れていく方針であります。また、介護費用保証及び医療費用保証については、自社による販売推進に加え、パートナー企業との協業を通じてマーケットの開拓に努め、新たな分野の保証サービスとして家賃債務保証に並ぶ主力商品となるよう、引き続き拡販に努めてまいります。さらに、販売面において拡販を進める一方で、代位弁済した債権の回収力の安定化により、代位弁済額の圧縮及び求償債権の正常化に継続して取り組んでまいります。ソリューション事業については、保証関連業務の受託サービスを個別又は一括で提供することで、新たな収益の柱とすべく積極的な営業活動に努めるほか、Doc-onサービス及び保険デスクサービスについても、引き続き拡販に取り組んでまいります。中長期的展望としまして、家賃債務保証ビジネスはいずれ成熟化し、競争は激しくなっていくものと考えております。そのため、当社は総合保証サービス会社として、家賃債務保証で培ったノウハウを活かし、他の分野における保証サービスの開発・販売、業務上の課題を解決する専門的な業務支援サービスであるソリューションサービスの提案を積極的に行うことで、収益の拡大を目指して取り組んでまいります。これらの方針を事業計画として明示し実行するために、2021年5月に中期経営計画を策定し開示いたしております。また、当該中期経営計画において、当社の重要な指標として、売上高、営業利益、営業利益率、配当性向、ROEについて、目標値を定めております。本目標値を達成し、企業価値を継続的に向上させるため、中期経営計画に掲げた事業展開の基本方針のもと、保証事業及びソリューション事業における以下の重点戦略を推進してまいります。(中期経営計画の各重点戦略の骨子) ・賃貸不動産分野 … 新しい保証商品を投入し、多様な顧客ニーズを実現する ・医療及び介護分野 … 導入期から成長期に突入し、成長を加速させる ・養育費保証分野 … 最初のBtoC事業として育成する ・新商品・事業開発 … 新たな保証の創造に挑む なお、中期経営計画は、当社ウェブサイトよりご覧いただくことができます。 (当社ウェブサイト)https://www.entrust-inc.jp/
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当事業年度末におけるキャッシュ・フローは、営業活動による資金の増加が2,783,689千円、投資活動による資金の減少が74,441千円、財務活動による資金の減少が290,556千円となりました。営業活動による資金の増加の主な増加要因は、税引前当期純利益1,621,308千円、口座振替の入金タイミング早期化による立替金の減少額496,982千円、契約負債の増加額473,007千円、貸倒引当金の増加額363,162千円などであります。一方、主な減少要因は、前払費用の増加額32,343千円、法人税等の支払額415,263千円などであります。投資活動による資金の減少は、差入保証金の差入による支出41,325千円、投資有価証券の取得による支出29,430千円などがあったことによります。財務活動による資金の減少は、当社は、業績と連動した安定的な配当を継続することを方針としており、これに基づいた配当金の支払額290,558千円などがあったことによります。なお、当社は、保証事業において代位弁済を行なうため、一定の立替金が発生します。保証事業を安定的に運営するうえで、立替資金の確保は重要な要素でありますが、当該立替資金については、自己資金で賄われております。また、当事業年度において実施いたしました設備投資の総額は、68,151千円となり、その他の経費も含め自己資金で行なっております。今後の資本的支出の予定に関しましては、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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