【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行したことを背景に、景気回復の動きが緩やかに続きました。国内景気の先行きは、構造的な賃上げをはじめとする諸政策により回復傾向の継続が期待されますが、物価上昇や海外景気の減速懸念などの影響に十分注意を要する状況となっております。
共同印刷グループを取り巻く環境は、コロナ禍からの回復が進む一方で、各資源の高騰や既存印刷事業におけるデジタルシフトの加速により厳しい状況が続きました。
このような状況の中で当社グループは、中期経営方針「豊かな社会と新たな価値を創造するために未来起点の変革に挑戦」に基づく各施策を推進するとともに、エネルギーや原材料の価格高騰へ対処するための取り組みにも注力しております。
情報系事業では、「印刷事業で培った強みを軸とし、新たな価値創出を実現」するため、コンテンツを生かした事業機会の獲得や、販促及び業務支援事業のデジタルシフトを支援する製品・サービスの提案など、注力領域の強化とデジタル領域の伸長に取り組んでおります。また、層構成の一部にリサイクル材料を用いたICカードを開発するなど、循環型社会の実現に向けた取り組みも進めました。
生活・産業資材系事業では、「パッケージソリューションベンダーの地位確立」に向け、プラスチックフィルムを使わない紙仕様包材など環境配慮製品の開発や提案を強化するとともに、食品・日用品向けのパッケージやラミネートチューブの受注拡大の取り組みを進めております。
なお、当社グループは「地球環境との共生」をマテリアリティの一つとして特定し、気候変動が及ぼす影響を重要な経営課題と捉えております。2023年4月に脱炭素社会の実現に向け「2050年カーボンニュートラル」を掲げ、5月には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しました。今後、サプライチェーン全体を通じた温室効果ガス(GHG)排出量削減への積極的な取り組みや、TCFDコンソーシアムへの参画などを通じて、持続可能な社会の実現及び当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をめざします。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高225億8千1百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益1千4百万円(前年同期は営業損失2億5千1百万円)、経常利益3億4千8百万円(前年同期比258.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1億7千3百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失3億4千万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
情報コミュニケーション部門
出版印刷は、雑誌の付録、人気まんがの展覧会向けグッズといったコンテンツ周辺領域が増加したほか、電子書籍が好調に推移しました。しかし、発行部数の減少などで雑誌が前年同期並みに留まったほか、コミックスや単行本なども低調で、前年同期を下回りました。
一般商業印刷は、カタログやチラシ類のほか、Webサイトやコンテンツ制作などのデジタル案件が増加しましたが、POPなどが低調で、前年同期を下回りました。
以上の結果、部門全体の売上高は75億6千2百万円(前年同期比2.9%減)、営業損失は3億9千5百万円(前年同期は営業損失2億6千4百万円)となりました。
情報セキュリティ部門
ビジネスフォームは、給付金など感染症対策に関連した自治体向けデータプリントやBPOが減少し、前年同期を下回りました。一方、証券類とカードは、ウィズコロナのもと旅客流動が活性化していることを受けて乗車券や交通系カードが増加し、前年同期を大きく上回りました。
以上の結果、部門全体の売上高は70億2千4百万円(前年同期比14.7%増)、営業利益は4億3百万円(前年同期比154.3%増)となりました。
生活・産業資材部門
紙器は、ティシューカートンは減少しましたが、ラップカートンが業務用の回復もあって増加し、前年同期を上回りました。軟包装は、「パーシャルオープン」などのフタ材が増加して前年同期を上回りました。チューブは、歯磨き向けが順調に推移し前年同期を上回りました。また、調味料向けのブローチューブ・ブローボトルは一部で小売り価格値上げの影響を受けましたが、全体では増加し前年同期を上回りました。産業資材は、医薬品向けが好調で前年同期を上回りました。
以上の結果、部門全体の売上高は74億8千9百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益1億6千万円(前年同期は営業損失5千2百万円)となりました。
その他
不動産賃貸収入の増加により、売上高は5億4百万円(前年同期比17.1%増)、営業利益は1千8百万円(前年同期は営業損失3千万円)となりました。
(2) 財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の資産、負債及び純資産は、前連結会計年度末との比較において以下のとおりになりました。
総資産は1,230億7千2百万円(前連結会計年度末1,234億7千1百万円)となり、3億9千8百万円減少しました。これは主に、投資有価証券が19億5千5百万円増加した一方、現金及び預金が12億8千9百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が10億5千7百万円減少したことによるものです。負債は640億8千7百万円(前連結会計年度末657億5千1百万円)となり、16億6千3百万円減少しました。これは主に、長期借入金が5億7千9百万円、独占禁止法関連損失引当金が8億3千8百万円減少したことによるものです。純資産は、589億8千5百万円(前連結会計年度末577億2千万円)となり、12億6千5百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益1億7千3百万円、その他有価証券評価差額金13億8千1百万円の増加と、配当金の支払3億9千5百万円があったことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億8千9百万円減少し92億1千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において営業活動により得られた資金は、5億2千8百万円(前年同期比179億5千2百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益3億8千7百万円、減価償却費13億8千2百万円の計上と引当金の減少17億4千5百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において投資活動により使用した資金は、6億9千5百万円(前年同期比5億7千9百万円増)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出8億9千4百万円と投資有価証券の売却による収入1億7千9百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間において財務活動により使用した資金は、10億8千5百万円(前年同期比68億8千6百万円減)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出6億7百万円、配当金の支払3億9千5百万円があったことによるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針等
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した経営方針に重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(8) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、272百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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