【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
財政状態及び経営成績の状況については「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載のとおりであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
建築資材事業 (百万円)
37,687
0.9
環境資材事業 (百万円)
23,595
4.6
高機能材事業 (百万円)
21,051
11.7
機能フィルム事業 (百万円)
23,574
13.5
合 計 (百万円)
105,909
6.4
(注)金額は、販売価格によっております。
b)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
建築資材事業 (百万円)
2,008
△16.5
環境資材事業 (百万円)
26,224
7.6
高機能材事業 (百万円)
1,544
△2.3
機能フィルム事業 (百万円)
60
△29.8
その他(注2) (百万円)
606
95.8
合 計 (百万円)
30,444
5.9
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、試験機の販売事業等を含みま
す。
c)受注実績
当社グループ製品は見込生産を主体としており、総販売高に占める受注生産の割合は僅少のため受注実績の記載を省略しております。
d)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
建築資材事業 (百万円)
44,795
0.8
環境資材事業 (百万円)
54,816
1.7
高機能材事業 (百万円)
22,729
5.1
機能フィルム事業 (百万円)
22,442
5.1
その他(注3) (百万円)
940
41.5
合 計 (百万円)
145,725
2.7
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
3.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、試験機の販売事業等を含みま
す。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a)財政状態
流動資産は98,095百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,691百万円増加しました。これは主に商品及び製品が2,504百万円、預け金が2,133百万円増加したことによるものです。固定資産は51,178百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,478百万円減少しました。これは主に有形固定資産が1,360百万円、繰延税金資産が787百万円減少したことによるものです。
この結果、総資産は、149,274百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,213百万円増加しました。
流動負債は46,233百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,505百万円増加しました。これは主に賞与引当金が450百万円減少したものの、短期借入金が2,025百万円増加したことによるものです。固定負債は10,382百万円となり、前連結会計年度末に比べ105百万円増加しました。
この結果、負債合計は、56,615百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,610百万円増加しました。
純資産合計は92,658百万円となり、前連結会計年度末に比べ602百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益2,460百万円によるものです。
b)経営成績
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期
増減額
前年同期
増減率(%)
売上高(百万円)
141,936
145,725
3,789
2.7
営業利益(百万円)
8,651
5,791
△2,859
△33.1
経常利益(百万円)
9,084
5,923
△3,161
△34.8
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)
6,660
2,460
△4,200
△63.1
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、社会経済活動が正常化に向かい景気に持ち直しの動きが見られたものの、ウクライナ情勢の長期化、世界的なエネルギー価格や原材料価格の上昇など先行きが不透明な状況が続きました。当社グループを取り巻く環境におきましては、年度上期の半導体活況に支えられた製造設備関連事業やマンション改修工事の需要は概ね堅調に推移したものの、土木インフラ業界全体の低迷や世界的な金融引締め等を背景とした海外市場の減速、原材料価格の販売価格への転嫁の遅れなど予断を許さない状況が続きました。
このような環境のもと、中期経営計画「変革への決意 Commit to Transformation 2023(CX2023)」の2年目として、「1.社会課題の解決、2.新事業・新製品・新技術の獲得、3.ボーダレスの加速、4.デジタルの実装、5.グループ経営の再整備、6.経営基盤の進化」の6つの重点実施項目を設定し計画達成に向け事業活動を行ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は145,725百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は5,791百万円(前年同期比33.1%減)、経常利益は5,923百万円(前年同期比34.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,460百万円(前年同期比63.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績等の詳細は、「d)セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析」に記載しております。
c)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d)セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析
建築資材事業セグメント
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期
増減額
前年同期
増減率(%)
売上高(百万円)
44,418
44,795
377
0.8
営業利益(百万円)
2,716
2,484
△231
△8.5
[事業別]
住設建材事業
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期
増減額
前年同期
増減率(%)
売上高(百万円)
25,927
26,506
579
2.2
営業利益(百万円)
1,099
1,628
529
48.2
床・建装事業
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期
増減額
前年同期
増減率(%)
売上高(百万円)
18,491
18,288
△202
△1.1
営業利益(百万円)
1,617
856
△761
△47.1
住設建材事業は、建設資材や畜産飼料価格の高騰による設備投資減少の影響を受け、非住宅物件および畜産資材の販売が低調に推移しましたが、原材料価格高騰に伴う製品値上げによる売上高の増加やサイネージの需要回復もあり、事業全体では増収となりました。
床・建装事業は、床材は国内におけるマンション改修物件が好調に推移しました。建装資材は海外市場の主力である欧州市場が更に減速し、事業全体の売上高はほぼ前年並みの結果となりました。
その結果、建築資材事業セグメントの売上高は44,795百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は2,484百万円(前年同期比8.5%減)となりました。
環境資材事業セグメント
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期
増減額
前年同期
増減率(%)
売上高(百万円)
53,874
54,816
942
1.7
営業利益(百万円)
1,405
304
△1,100
△78.3
[事業別]
アグリ事業
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期
増減額
前年同期
増減率(%)
売上高(百万円)
33,874
35,658
1,784
5.3
営業利益(百万円)
753
597
△156
△20.7
インフラマテリアル事業
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期
増減額
前年同期
増減率(%)
売上高(百万円)
20,000
19,158
△841
△4.2
営業利益(百万円)
651
△292
△944
–
アグリ事業は、肥料を含む農業資材の価格高騰により生産者の投資意欲が低下し、販売量は低調に推移しましたが、価格改定や販売戦略の見直しにより増収となりました。
インフラマテリアル事業は、業界全体に新型コロナウイルス感染症による土木工事の発注数の減少および工事の中断などの影響が継続しており、当社インフラマテリアル事業全体で大型受注案件の長期中断や工事計画自体の変更などの影響が継続したため、減収となりました。
その結果、環境資材事業セグメントの売上高は54,816百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益は304百万円(前年同期比78.3%減)となりました。
高機能材事業セグメント
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期
増減額
前年同期
増減率(%)
売上高(百万円)
21,625
22,729
1,104
5.1
営業利益(百万円)
3,144
2,603
△541
△17.2
高機能材事業は、前半の半導体需要の堅調から一転、後半は中国への輸出規制の影響もあり、製造装置向けの工業用プレート、エンプラ材の販売は大きく減速しました。電子回路基板向けのナノ材料販売は、DRAMを中心としたメモリー市況の悪化が響き前年を下回りました。一方、眼鏡フレーム用アセテート板の販売は、海外ブランドメーカーからの引き合いが旺盛で伸長しました。マイクロモータは、上海ロックダウンによる操業停止の影響を受けましたが、操業再開後は民生用機器向けを中心に高い水準を維持しました。
その結果、高機能材事業セグメントの売上高は22,729百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は2,603百万円(前年同期比17.2%減) となりました。
機能フィルム事業セグメント
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期
増減額
前年同期
増減率(%)
売上高(百万円)
21,352
22,442
1,089
5.1
営業利益(百万円)
1,440
126
△1,313
△91.2
[事業別]
ボンセット事業
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期
増減額
前年同期
増減率(%)
売上高(百万円)
17,526
18,987
1,460
8.3
営業利益(百万円)
1,079
20
△1,058
△98.1
サンジップ事業
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期
増減額
前年同期
増減率(%)
売上高(百万円)
3,826
3,455
△370
△9.7
営業利益(百万円)
361
105
△255
△70.7
ボンセット事業は、シュリンクフィルムが国内および欧州市場で原材料価格高騰に伴う製品値上げにより増収、北米市場では上期の原材料不足および下期の流通在庫調整の影響により数量面では苦戦を強いられたものの製品値上げと円安により増収となりました。
サンジップ事業は、ジッパーテープが国内販売は堅調ながら、海外販売は上海ロックダウンにより2ヶ月間に亘る操業停止を余儀なくされた影響により減収となりました。
その結果、機能フィルム事業セグメントの売上高は22,442百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は126百万円(前年同期比91.2%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、5,603百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フローは、5,729百万円の収入となりました。これは、主に棚卸資産の増加額3,967百万円の支出要因があったものの、税金等調整前当期純利益4,393百万円、減価償却費5,434百万円の収入要因によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フローは、6,787百万円の支出となりました。これは、主に預け金の増加額2,133百万円、有形固定資産の取得による支出3,704百万円の支出要因によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動によるキャッシュ・フローは、1,262百万円の支出となりました。これは、主に短期借入金の増加額1,717百万円の収入要因があったものの、配当金の支払額2,632百万円の支出要因によるものです。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要は、製品の製造販売に係る原材料費や営業費用などの運転資金、M&A等による新規事業への投資、設備投資資金及び研究開発資金等であります。 当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、自己資本比率やD/Eレシオ等の財務健全性指標やROEを注視しながら、最適な選択を実施しています。また、日本国内の各拠点においては、グループ内余剰資金を活用するためキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上に努めております。
なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は9,026百万円となりました。
また、金融機関には十分な借入枠を有しており、高水準で維持している現預金と併せ、今般策定しました単年度経営計画で掲げた戦略投資を機動的に実施することが可能となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。