【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものです。
また、セグメントの業績につきましては、当社はISP事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日まで)におけるわが国の経済状況は、外国人観光客などのインバウンド需要や新型コロナウイルス感染症の経済活動の制限解除などの影響もあり景気は緩やかに戻りつつあります。一方で半導体不足によるサプライチェーンの供給制約やエネルギー価格の上昇、物価高抑制のための金利上昇など、将来に向けて先行き不透明な状況は前期から継続しております。
当社が事業を展開する通信業界、教育業界においては、デジタル化(DX)への取り組みによる生産性向上や業務効率化の改善に加え、人手不足を補うための情報通信への先行投資は継続し続けると捉えております。このような状況下において、当社は社会的なインフラであるインターネット接続事業者として安定した通信環境とお客様に満足いただけるサービスの提供を維持し続けるための行動に努めております。
業界の動向
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)業界においては、2023年6月末のFTTH(光ファイバー)の利用者数は前年同期比196万契約増(5.2%増)の3,976万契約となり増加しております。また、FTTH契約数のうちNTT東西の卸電気通信役務(サービス卸)を利用して提供される契約数は1,690万契約となっており、FTTH全体契約数に占める割合は前年同期比1.2%減の42.5%となりました。
MVNOサービスの利用者は、前年同期比400万契約増(14.8%増)の3,091万契約となりました。そのうち高速モバイル通信やIoT(Internet of Things)およびM2M(Machine to Machine)に利用されるSIMカード型の契約者数は前年同期比75万契約増(5.0%増)の1,571万契約となりました。eSIM(イー・シム)を含む通信モジュールの契約者数は前年同期比163万契約増(17.6%増)の1,091万契約となりました。
1契約あたりのダウンロードトラフィックは、総務省が2023年8月に公開した2023年5月分の集計結果では、固定系ブロードバンド契約者1契約あたりのダウンロードトラフィックが前年同月比90.3kbps増(15.3%増)の681.8kbps、1カ月あたりのダウンロードトラフィックは約208GBとなりました。インターネットトラフィックのピーク時間帯は19時から21時に集中する傾向に変化はありません。トラフィックの伸びは平日より休日の伸びが強くなる傾向にありオンラインゲームや動画配信サービス等がトラフィックの伸びを牽引していると捉えております。
トラフィック増加に起因する通信速度および通信品質の低下はISP業界に留まらず通信業界全体での課題となっています。デジタル社会の基盤となる通信インフラの重要性が高まっており、安定したインターネット通信環境が求められています。
インターネット接続サービスの状況
2023年3月期 第2四半期 インターネット接続サービス 売上高 (単位:百万円)
2023年3月期
第2四半期
2024年3月期
第2四半期
増減額
増減率
ISP「ASAHIネット」
4,428
4,379
△48
△1.1%
VNE「v6 コネクト」
815
961
146
18.0%
合計
5,243
5,341
97
1.9%
当第2四半期のインターネット接続サービスの売上高は前年同期比97百万円増(1.9%増)の5,341百万円となりました。
(ISP「ASAHIネット」)
「ASAHIネット」インターネット接続契約数 (単位:千ID)
2022年9月末
2023年9月末
増減数
増減率
FTTH(光接続)
452
456
4
0.9%
ADSL
7
3
△4
△61.8%
モバイル
47
47
0
1.4%
ISP「ASAHIネット」においては、FTTH接続サービスの2023年9月末の契約数は前年同期末比4千ID増(0.9%増)の456千IDとなりました。FTTH接続サービスにおいてはNTT東西が提供する最大通信速度が概ね10Gbpsの光アクセスサービス「フレッツ 光クロス」の契約数が増加しています。加えて、NTT東西と協業して販売している「マンション全戸加入プラン」の契約数も増加しております。居住者が自身で契約する従来の形から入居時にインターネットが備え付けられている新しい形が増加しており今後も契約数の増加が見込めるマーケットと捉えております。
モバイル接続サービスの2023年9月末の契約数は前年同期比0千ID増(1.4%増)の47千IDとなりました。モバイル接続サービスはSIMカード型で従量制のLTEとモバイルWiFiルーター型で定額制のWiMAXの2つの接続サービスを提供しております。LTE接続サービスは固定IPアドレスオプションと組み合わせ、遠隔に設置している機器にインターネット経由でアクセスするなどIoT/M2Mの需要が増加しております。一方、定額で使い放題の5GサービスWiMAXは通信料と端末料の分離の影響もあり契約数が伸び悩んでおります。
ADSL接続サービスの2023年9月末の契約数は前年同期末比4千ID減(61.8%減)の3千IDとなりました。NTT東西のフレッツADSLの提供エリアが縮小したことにより契約数が減少となりました。
以上の結果、当第2四半期の「ASAHIネット」の売上高は前年同期比48百万円減(1.1%減)の4,379百万円となりました。
(VNE「v6 コネクト」)
「v6 コネクト」提携事業者数 (単位:社)
2022年9月末
2023年9月末
増減数
増減率
提携事業者数
11
12
1
9.1%
VNE「v6 コネクト」の2023年9月末の提携事業者数は12社となりました。前年同期末比1社の増加となります。当第2四半期の「v6 コネクト」の売上高は前年同期比146百万円増(18.0%増)の961百万円となりました。
「v6 コネクト」はVNO事業者(電気通信事業者)に対してNTT東西が提供するフレッツ光を使ったIPoE方式によるIPv6インターネット接続を卸提供するサービスです。当社は主として基本料およびVNO事業者が利用したトラフィックに応じた従量課金を売上として計上します。売上高の増収要因は主に2点から構成されます。1点目は提携事業者が取り扱うフレッツ光の回線数増加です。2点目は1回線あたりのトラフィック増加です。
当第2四半期は引き続き1回線あたりのトラフィック増加が売上高を牽引しております。第1四半期に提携事業者の一部と契約変更が発生した影響により増収額は前年同期比で微増となりましたが、第2四半期は従来通りの増収の伸びを確保しております。
インターネット関連サービスの状況
2023年3月期 第2四半期 インターネット関連サービス 売上高 (単位:百万円)
2023年3月期
第2四半期
2024年3月期
第2四半期
増減額
増減率
「manaba」
395
312
△82
△20.8%
「その他」
406
388
△17
△4.4%
合計
801
701
△100
△12.5%
当第2四半期のインターネット関連サービスの売上高は前年同期比100百万円減(12.5%減)の701百万円となりました。
(教育支援サービス「manaba」)
「manaba」契約ID数と全学導入校数 (単位:千ID)
2022年9月末
2023年9月末
増減数
増減率
契約ID数
818
785
△33
△4.1%
全学導入校数
99校
93校
△6校
△6.1%
(注)全学導入校数の集計対象は大学と短期大学です。専門学校や高等学校及び高等専門学校は集計対象に含めておりません。
教育支援サービス「manaba(マナバ)」の2023年9月末の契約ID数は前年同期末比33千ID減(4.1%減)の785千IDとなりました。全学導入校数は前年同期末比6校減(6.1%減)の93大学となりました。
当第2四半期の「manaba」の売上高は前年同期比82百万円減(20.8%減)の312百万円となりました。株式会社レスポンとの販売店契約が2023年3月末で契約終了したことおよび2023年4月以降に7大学の解約があり減収となりました。解約の理由は、「Google Workspace」や「Microsoft 365」の利用拡大や大学内で利用する他サービスとの統廃合によるものです。
大学を取り巻く環境は文部科学省が進める教育のDX化が後押しされたことにより、LMSやポートフォリオは新たな価値を求められております。教育支援サービス「manaba」は教育の質保証や大学IRを実現するために必要なサービスの提供が必要と考えており、2024年3月期は下記3点を重点取り組みとして活動しております。
1点目は変わりつつある学修環境に対応するための各種システムとの連携強化です。2点目は学修行動を分析するためのログの抽出です。3点目は学生の能動的な学修を促すための機能提供です。アクティブラーニングと呼ばれる学生が能動的な活動を推し進めるための機能開発を進めます。
(その他)
「その他」はメールサービスやセキュリティサービス、その他関連サービスの売上高となります。当第2四半期の「その他」の売上高は前年同期比17百万円減(4.4%減)の388百万円となりました。
収益の状況
2023年3月期 第2四半期の業績 (単位:百万円)
2023年3月期
第2四半期
2024年3月期
第2四半期
増減額
増減率
売上高
6,045
6,043
△2
△0.0%
営業利益
898
843
△55
△6.1%
経常利益
902
853
△49
△5.4%
四半期純利益
667
555
△111
△16.8%
売上高、営業利益は、業績予想に対し計画通りに進捗しております。2024年3月期は会員獲得および費用構造の改善を上期に進めており、下期以降に業績への影響が出る予定です。VNE「v6 コネクト」は取り扱い通信量の増加により増収となりました。ISP「ASAHIネット」は一部のFTTH接続サービスの契約数増加により増収となりました。しかしながらADSL接続サービスおよびナローバンド等の「その他」の契約数減少による減収がFTTH接続サービスの増収を上回る結果となりました。教育支援サービス「manaba」は株式会社レスポンとの販売店契約が2023年3月末で契約終了したことおよび2023年4月以降に7大学の解約により減収となりました。
売上原価は、今後も増加するトラフィックを効率的に処理するためのネットワーク構成の見直しを進めた結果、一時的に発生していた通信費が一段落し減少しました。また、光コラボやレスポン等の売上原価が減収に伴い減少しました。
販売費及び一般管理費は、ISP「ASAHIネット」のインターネット接続契約数の増加に向けて、NTTチャネルおよびWebチャネル等への業務委託費や広告宣伝費を投下しており下期も同様に増加を見込みます。
以上の結果、当第2四半期の売上高は6,043百万円(前年同期比2百万円減、0.0%減)、営業利益は843百万円(同55百万円減、6.1%減)、経常利益は853百万円(同49百万円減、5.4%減)、四半期純利益は555百万円(同111百万円減、16.8%減)となりました。当第2四半期は特別損失としてNTT東西に支払う通信設備除却費用負担金10百万円、減損損失41百万円を計上しております。減損損失については、2023年3月期末と同様に基幹システムの更改において当第2四半期末時点で一部の計画の再策定が必要であることが判明しました。既に計上済みの一部の資産について「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき将来の回収可能性を検討した結果、減損損失として41百万円を計上することとなりました。
財政の状況
財政状態は、無形固定資産の増加(前事業年度末比17.9%増)などにより、当第2四半期会計期間末の総資産は13,919百万円(同1.9%増)となりました。
負債は、未払金の減少(同14.7%減)があったものの、前受収益の増加(同332.5%増)などにより1,913百万円(同12.6%増)となりました。
純資産は、利益剰余金の増加などにより12,005百万円(同0.4%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べて212百万円増加し、3,859百万円となりました。
なお、当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は1,348百万円(前年同期は755百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前四半期純利益が801百万円、減価償却費が427百万円あったものの、法人税等の支払額364百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は618百万円(前年同期は931百万円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出が233百万円、無形固定資産の取得による支出が385百万円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は517百万円(前年同期は307百万円の使用)となりました。これは、自己株式取得による支出が195百万円、配当金の支払額321百万円があったことによるものです。
(3)資本の財源及び資金の流動性
当第2四半期累計期間において、資本の財源及び資本の流動性について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
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