【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
また、セグメントの業績につきましては、当社はISP事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が第7波から第8波への長期化するものの経済活動は緩やかに戻りつつあります。しかしながら従来からの半導体不足によるサプライチェーンの混乱による供給制約に加え、資源価格の高騰や円安の進行によるエネルギー価格の上昇など将来に向けた不確実性は引き続き増加しております。当社が事業を展開する通信業界においては、新型コロナウイルス感染症が引き起こしたテレワーク需要や、生産性向上や業務効率化など政府が牽引するDX化に向けた情報通信への先行投資の増加は続くと考えております。このような状況下において、当社は社会的なインフラであるインターネット接続事業者として安定した通信環境とお客様に満足いただけるサービスの提供を維持し続けるための行動に努めております。
業界の動向
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)業界においては、2022年9月末のFTTH(光ファイバー)の利用者数は前年同期比134万契約増(3.7%増)の3,733万契約となり増加しております。また、FTTH契約数のうちNTT東西の卸電気通信役務(サービス卸)を利用して提供される契約数は1,664万契約となっておりFTTH全体契約数に占める割合は前年同期比0.4%増の44.6%となりました。
MVNOサービスの利用者は、前年同期比138万契約増(5.3%増)の2,757万契約となりました。そのうち高速モバイル通信やIoT(Internet of Things)およびM2M(Machine to Machine)に利用されるSIMカード型の契約者数は前年同期比10万契約減(0.7%減)の1,524万契約となりました。eSIM(イー・シム)を含む通信モジュールの契約者数は前年同期比155万契約増(18.8%増)の982万契約となりました。
1契約当たりのダウンロードトラフィックは、総務省が2022年8月に公開した集計結果で前年同月比38.9kbps増(7.0%増)の595.7kbpsとなりました。1カ月当たりのダウンロード量は186.7GBとなります。2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症対策による在宅時間の伸びに伴いインターネットトラフィックは増加傾向にあります。総務省が主催する「インターネットトラヒック流通効率化検討協議会」では毎月1回平日日中帯、休日日中帯、平日・休日夜間帯(ピーク)におけるトラフィック推移が公開されており、ここ数年は年率2割から4割増で推移しています。テレワークの常態化、クラウドサービスの利用拡大、オンラインゲームや動画配信サービスの契約者数増加など引き続きトラフィックは増加傾向にあります。2022年11月に開催されたワールドカップ配信は改めてインターネットの利用拡大が意識されたイベントとなりました。トラフィック増加に起因する通信速度及び通信品質の低下はISP業界に留まらず通信業界全体での課題となっています。デジタル社会の基盤となる通信インフラの重要性が高まっており、より安定したインターネット通信環境が求められています。
インターネット接続サービスの状況
2023年3月期 第3四半期 インターネット接続サービス 売上高 (単位:百万円)
2022年3月期
第3四半期
2023年3月期
第3四半期
増減額
増減率
ISP「ASAHIネット」
6,428
6,647
219
3.4%
VNE「v6 コネクト」
1,003
1,264
260
26.0%
合計
7,431
7,911
480
6.5%
当第3四半期のインターネット接続サービスの売上高は前年同期比480百万円増(6.5%増)の7,911百万円となりました。
(ISP「ASAHIネット」)
「ASAHIネット」インターネット接続契約数の状況 (単位:千ID)
2021年12月末
2022年12月末
増減数
増減率
FTTH(光接続)
438
454
16
3.6%
ADSL
10
6
△5
△44.6%
モバイル
47
47
0
0.4%
ISP「ASAHIネット」においては、FTTH接続サービスの2022年12月末の契約数は前年同期末比16千ID増(3.6%増)の454千IDとなりました。FTTH接続サービスにおいては、光コラボレーションモデルの「AsahiNet 光」や提供エリアが拡大している10Gbpsのフレッツ 光クロスの契約数が増加しております。一方で、電力会社や他キャリアなどフレッツ光以外のFTTH接続サービスと比較検討されるなど競争環境の変化による契約数の成長が鈍化傾向にあります。フレッツ光を扱うISP事業者の中で当社のシェア率を増加させるためにNTT東西の116チャネルやマンション全戸での契約数増加を推し進めております。
モバイル接続サービスの2022年12月末の契約数は前年同期末比0千ID増(0.4%増)の47千IDとなりました。モバイル接続サービスはSIMカード型で従量制のLTEとモバイルWi-Fiルーター型で定額制のWiMAXを提供しております。LTEはデータ通信と固定IPアドレスオプションを組み合わせた契約数が増加しており、インターネットを経由し遠隔地に設置された機器へセキュアに到達するための手段としての活用事例が増加しております。WiMAXは2022年から5G対応サービスを開始しております。
ASDL接続サービスの2022年12月末の契約数は前年同期末比5千ID減(44.6%減)の6千IDとなりました。2021年9月にADSL接続サービス「新超割ADSL」の提供を終了した影響と、2023年1月にNTT東西のフレッツADSLの提供エリアが縮小する影響によるものです。
以上の結果、当第3四半期の「ASAHIネット」の売上高は前年同期比219百万円増(3.4%増)の6,647百万円となりました。
第三者機関の調査により利用者満足度の高いインターネット通信サービスを選出する「RBB TODAY ブロードバンドアワード2022」において、プロバイダ部門総合の部で9年連続の最優秀賞を受賞しました。当社が対処すべき課題として掲げる「増加する費用を抑え、利益が出せる構造を維持すること」「お客様に満足いただける品質のサービスを今後も提供し続けること」の両面を評価いただけたと捉えております。
(VNE「v6 コネクト」)
「v6 コネクト」提携事業者数の状況 (単位:社)
2021年12月末
2022年12月末
増減数
増減率
提携事業者数
11
12
1
9.1%
VNE「v6 コネクト」の2022年12月末の提携事業者数は12社となりました。前年同期末比1社の増加となります。その結果、当第3四半期の「v6 コネクト」の売上高は前年同期比260百万円増(26.0%増)の1,264百万円となりました。
「v6 コネクト」はVNO事業者(電気通信事業者)に対してNTT東西が提供するフレッツ光を使ったIPoE方式によるIPv6インターネット接続を卸提供するサービスです。当社は主として基本料及びVNO事業者が利用したトラフィックに応じた従量課金額を売上として計上します。売上高の増収要因は主に2点から構成されます。1点目は提携事業者が取り扱うフレッツ光の回線数増加です。2点目は1回線当たりのトラフィックの増加です。当第3四半期は引き続き1回線当たりのトラフィック増加により増収となりました。1回線あたりのトラフィックは、インターネット上で中継されたワールドカップ配信やオンラインゲームのアップデート等により今後も継続的に増加すると予測しております。
インターネット関連サービスの状況
2023年3月期 第3四半期 インターネット関連サービス 売上高 (単位:百万円)
2022年3月期
第3四半期
2023年3月期
第3四半期
増減額
増減率
「manaba」
555
569
13
2.4%
「その他」
605
606
1
0.2%
合計
1,161
1,175
14
1.3%
当第3四半期のインターネット関連サービスの売上高は前年同期比14百万円増(1.3%増)の1,175百万円となりました。
(教育支援サービス「manaba」)
「manaba」契約ID数と全学導入校数の状況 (単位:千ID)
2021年12月末
2022年12月末
増減数
増減率
契約ID数
801
818
17
2.2%
全学導入校数
98校
100校
2校
2.0%
(注)全学導入校数の集計対象は大学と短期大学です。専門学校や高等学校及び高等専門学校は集計対象に含めておりません。
教育支援サービス「manaba(マナバ)」の2022年12月末の契約ID数は前年同期末比17千ID増(2.2%増)の818千IDとなりました。全学導入校数は前年同期末比2校増(2.0%増)の100大学となりました。全学導入校として東京情報デザイン専門職大学に導入いただきました。2023年4月からの開校にあわせた導入です。当第3四半期の「manaba」の売上高は前年同期比13百万円増(2.4%増)の569百万円となりました。
当事業年度は出席管理機能と教育の質保証の2つを軸に大学への提案を進めております。当社が大学へ提供する出席・リアルタイムアンケート「レスポン」について、サービス提供元である株式会社レスポンと当社間での販売委託契約が2023年3月末で終了することに伴い一部売上の減少を見込みます。当社が2022年に開発した出席管理機能への移行提案を進めることで減収を補う計画です。出席管理機能は大学の教務システムと日次で連携することで、大学が学生の出席状況をもとに適切なフォローを実現できることや、学修行動ログとして分析に活用できることが差別化と考えております。教育の質保証を実現するためのポートフォリオ機能については2023年4月から獨協大学をはじめ複数大学での導入に向けた準備を進めております。
(その他)
「その他」はメールサービスやセキュリティサービス、その他関連サービスの売上高となります。当第3四半期の「その他」の売上高は前年同期比1百万円増(0.2%増)の606百万円となりました。
収益の状況
2023年3月期 第3四半期の業績 (単位:百万円)
2022年3月期
第3四半期
2023年3月期
第3四半期
増減額
増減率
売上高
8,592
9,087
494
5.8%
営業利益
1,439
1,366
△73
△5.1%
経常利益
1,444
1,370
△73
△5.1%
四半期純利益
1,011
1,004
△7
△0.7%
売上高は、ISP「ASAHIネット」のFTTH接続サービスの契約数増加、VNE「v6 コネクト」の取り扱い通信量増加、教育支援サービス「manaba」の契約ID数増加により増収となりました。売上原価はISP「ASAHIネット」の新規契約に伴う回線仕入や、2022年3月期第4四半期に追加したNTT東西との相互接続するIPv6ネットワークの契約による通信費及び通信品質を維持するための設備投資に伴う減価償却費が増加しております。また、2022年8月にメールサービスをリリースしたことに伴い、売上原価と減価償却費が増加しております。当事業年度第2四半期は一時的な費用が発生していたため、四半期での営業利益は改善傾向にあります。
以上の結果、当第3四半期の売上高は9,087百万円(前年同期比494百万円増、5.8%増)、営業利益は1,366百万円(同73百万円減、5.1%減)、経常利益は1,370百万円(同73百万円減、5.1%減)、四半期純利益は1,004百万円(同7百万円減、0.7%減)となりました。当第3四半期は特別利益として投資有価証券売却益127百万円、特別損失として、NTT東西に支払う通信設備除却費用負担金29百万円、固定資産除却損22百万円を計上しております。
2023年3月期の設備投資額は1,400百万円を予定しております。2022年8月にリリースしたメールサービスに加え、契約管理や他キャリアとのデータ連携など業務システムの更改を進めており2024年3月期まで約1,000百万円の設備投資を計画しております。
財政の状況
財政の状態といたしましては、当第3四半期会計期間末の総資産は貯蔵品の増加、無形固定資産の増加等により13,739百万円(前期末比6.2%増)となりました。
負債は買掛金の増加等により1,812百万円(前期末比9.2%増)となりました。
純資産は利益剰余金の増加等により11,927百万円(前期末比5.7%増)となりました。
(2)資本の財源及び資金の流動性
当第3四半期累計期間において、資本の財源及び資本の流動性について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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