【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、経済活動の正常化が進んだものの、原燃料価格の高止まりや円安トレンドの継続による物価上昇等、不安定な状況が継続しました。世界経済においても、インフレ進行や金融引き締め等の影響は大きく、全世界的に景気減速が継続しました。当社グループの主要販売先におきましては、当第2四半期中に中国・台湾の需要環境に持ち直しの動きが出てきましたが、国内は紙・板紙、印刷インキ等の需要減少が継続しており、依然として厳しい経営環境となりました。
当社グループは、原燃料価格の上昇に対応した製品価格への転嫁を引き続き進めるとともに、新型コロナウイルス感染防止対策の緩和を受け、中国・東南アジアを主とする海外でのマーケティング活動の強化に努めましたが、国内外の軟調な需要環境による販売数量の減少分をカバーしきれず、当第2四半期連結累計期間の売上高は15,328百万円(前年同期比3.8%減)と前年同期を下回る水準となりました。利益面では、価格転嫁の進展や原料市況の緩みにより回復基調にありますが、販売数量減少の影響が大きく営業利益は724百万円(前年同期比35.3%減)となりました。また、経常利益は、海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益はありましたが、1,219百万円(前年同期比30.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、941百万円(前年同期比27.9%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。
・製紙用薬品事業
当第2四半期連結累計期間の国内の紙・板紙生産量(速報値)は1,111万トンと、物価上昇による消費マインドの冷え込みにより、これまで堅調だった段ボール原紙の生産量が減少し、前年同期比6.6%の減少となりました。当社グループでは、原料価格上昇に対応した製品価格への転嫁を継続するとともに、国内外での差別化商品の拡販を進めました。国内では需要減少の影響を受けましたが、中国・東南アジアでのマーケティング活動強化による拡販を実施した結果、当事業の売上高は9,767百万円(前年同期比5.8%増)となりました。一方、セグメント利益は、ベトナム子会社の償却費が利益の下押し要因となり、438百万円(前年同期比0.6%減)となりました。
・樹脂事業
当第2四半期連結累計期間の国内の印刷インキ生産量(速報値)は13.0万トンと、前年同期比6.0%の減少となり市場の縮小傾向は継続しています。当社グループは、厳しい事業環境に対応するべく製品ポートフォリオ変革と原燃料価格上昇に対応した製品価格への転嫁に努めましたが、国内印刷インキ用樹脂、及び中国の景気回復の遅れに伴う粘着剤の需要減により、販売数量が減少したため、当事業の売上高は、2,993百万円(前年同期比15.3%減)となりました。セグメント利益は、製造経費の低減等に努めましたが、売上高の減少により、12百万円(前年同期比92.9%減)となりました。
・化成品事業
化成品事業の売上高は、欧米での景気減速の影響を受けた主力製品の輸出販売数量の減少等により2,568百万円(前年同期比19.1%減)となりました。セグメント利益は、販売数量の減少、原燃料価格の上昇等により449百万円(前年同期比34.1%減)となりました。
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末比で803百万円減少し、45,754百万円となりました。勘定科目別では、受取手形及び売掛金が1,824百万円、電子記録債権が384百万円減少いたしましたが、建設仮勘定が485百万円、現金及び預金が323百万円増加いたしました。
負債は、支払手形及び買掛金が1,500百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末比で2,162百万円減少し、13,286百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末比で1,358百万円増加し、32,467百万円となりました。利益剰余金が699百万円、為替換算調整勘定が589百万円増加いたしました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は3,422百万円となり、前第2四半期連結会計期間末と比べ329百万円減少いたしました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,654百万円の資金の獲得(前第2四半期連結累計期間は1,349百万円の資金の獲得)となりました。これは主として、売上債権の減少に伴うキャッシュの増加2,327百万円、税金等調整前四半期純利益1,219百万円、仕入債務の減少に伴うキャッシュの減少1,535百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,160百万円の資金の支出(前第2四半期連結累計期間は1,468百万円の資金の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出814百万円、定期預金の預入による支出702百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,101百万円の資金の支出(前第2四半期連結累計期間は294百万円の資金の獲得)となりました。これは主として、短期借入金の減少によるキャッシュの減少805百万円、配当金の支払額242百万円等によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は877百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。