【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限の緩和と経済活動の正常化に向けた動きが進み、緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方、世界経済においては、資源エネルギー価格の高止まり等に伴うインフレ進行や、金融引き締めによる景気後退懸念など、先行き不透明な状況が継続しております。
当社グループの主要販売先におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響やデジタル化の流れの中で印刷情報用紙・印刷インキ等の需要減少等が継続しており、依然として厳しい経営環境となりました。
当社グループは、製品の高品質化・生産性の向上を図り、環境保護・省資源等、販売先業界の経営戦略に対応した差別化商品を市場に投入してまいりました。また、主に製紙用薬品の拡販を進めると共に、各事業においてこれまでの原料価格の上昇に対応した製品価格への転嫁に引き続き努めた結果、国内インキ市場の縮小加速や昨年後半から続く海外での景気減速の影響による販売数量減はあったものの、当第1四半期連結累計期間の売上高は7,457百万円(前年同期比1.0%減)と、ほぼ前年同期並みとなりました。
利益面では、高付加価値製品の販売数量減が響いたこと、また昨年10月に稼働したベトナム工場の償却負担の増加等により、営業利益は311百万円(前年同期比46.4%減)、経常利益は390百万円(前年同期比54.0%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、305百万円(前年同期比50.9%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。
・製紙用薬品事業
当第1四半期連結累計期間の国内の紙・板紙生産量(速報値)は、562万トンと、これまで堅調だった段ボール原紙、衛生用紙の需要減少に伴う減産等の影響を受けて、前年同期比6.1%の減少となりました。当社グループは、国内市場、海外市場へ差別化商品の拡販、特にベトナム子会社を起点とする東南アジアでの板紙向けの拡販等を実施すると共に、これまでの原料価格上昇に対応した製品価格への転嫁に努めた結果、当事業の売上高は、4,885百万円(前年同期比14.4%増)となりました。
セグメント利益は、売上高の増加はありましたが、昨年10月に稼働したベトナム工場の償却負担の増加等により、178百万円(前年同期比6.4%減)となりました。
・樹脂事業
当第1四半期連結累計期間の国内の印刷インキ生産量(速報値)は、6万4千トンと、前年同期比6.7%の減少となりました。当社グループは、厳しい事業環境に対応するべく製品ポートフォリオ変革とこれまでの原料価格上昇に対応した製品価格への転嫁に努めましたが、中国の景気回復の遅れに伴う粘着剤の販売数量減が響き、当事業の売上高は、1,440百万円(前年同期比15.3%減)となりました。
セグメント利益は、粘着剤及び国内の印刷インキ用樹脂の販売数量減などにより、30百万円の損失(前年同期セグメント利益109百万円)となりました。
・化成品事業
化成品事業の売上高は、海外での景気減速の影響を受けた主力製品の輸出販売数量の減少等により1,131百万円(前年同期比27.4%減)となりました。
セグメント利益は、売上高の減少及びこれまでの原料価格上昇に対する製品価格への転嫁の遅れ等が響き、261百万円(前年同期比35.3%減)となりました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、受取手形及び売掛金の1,824百万円の減少及び電子記録債権の355百万円の減少などを要因として、前連結会計年度末比で1,096百万円減少し、45,461百万円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金の1,119百万円の減少及び短期借入金の507百万円の減少などを要因として、前連結会計年度末比で1,378百万円減少し、14,070百万円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定の172百万円の増加及び利益剰余金の62百万円の増加などを要因として、前連結会計年度末比で282百万円増加し、31,391百万円となりました。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、452百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。