【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間は、中国経済の減速などから、連結売上高の3割強を占めるトナー事業において前連結会計年度末からの在庫調整と価格競争が拡大し大幅な減収となったほか、機能性不織布関連の一部製品の販売にも影響が及びました。一方、ディスプレイ関連事業においては当初想定していなかった一時的な受注獲得があったほか、半導体関連事業も期初の想定よりは堅調に推移しました。これらの結果、売上高は16,497百万円となり、トナー事業が特に好調だった前年同期比では1,035百万円の減収(前年同期17,532百万円、前年同期比5.9%減)となりました。
利益面では、上記の中国経済減速による減収影響と、当初より想定していた新製品立ち上げに係る先行費用の支出増があった一方で、前連結会計年度から続く価格転嫁活動の浸透や円安によるプラス効果に加え、利益率の高い半導体・ディスプレイ関連事業の販売が予想を上回ったことから、営業利益は795百万円と前年同期比409百万円の減益(同1,205百万円、同比34.0%減)となりました。
経常利益は、円安進行による為替差益の計上や、ディスプレイ向けフィルム加工を行う関連会社からの持分法投資利益の貢献が引き続きあり、996百万円と前年同期比で364百万円の減益(同1,361百万円、同比26.8%減)に止まりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益については、当第2四半期連結累計期間は前第1四半期連結会計期間に計上した資産売却による特別利益がなかったこと等もあり、431百万円となり、前年同期比では823百万円の減益(同1,255百万円、同比65.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.トナー事業
トナー事業においては、円安による海外関連売上高の嵩上げはあったものの、前連結会計年度末から続く大手顧客向けを中心とした一部製品の在庫調整による受注減少に加え、当第2四半期連結累計期間においては競合他社との価格競争が拡大したことなどにより減収となりました。
利益面では、原燃料価格上昇によるコスト増加に加え、売上高の大幅な減少もあり減益となりました。
この結果、売上高は5,583百万円(同7,322百万円、同比23.7%減)となり、セグメント(営業)利益は371百万円(同1,150百万円の利益、同比67.8%減)となりました。
b.半導体・ディスプレイ関連事業
半導体・ディスプレイ関連事業においては、半導体実装用テープSBUは計画を大きく上回ったものの特に好調だった前年同期に対しては減収となった一方で、光学フィルムSBUについて当第2四半期連結累計期間に当初想定していなかった一時的な受注獲得があったことにより増収となりました。
利益面では、新製品開発コストの増加はあったものの、光学フィルムSBUでの増収効果のほか、事業共通の基幹設備である塗工機の稼働率が上昇したことなどにより、前年同期比で増益となりました。
この結果、売上高は3,399百万円(同2,948百万円、同比15.3%増)となり、セグメント(営業)利益は302百万円(同202百万円の利益、同比49.2%増)となりました。
c.機能性シート事業
機能性シート事業においては、機能性不織布SBUについて中国経済の減速の影響により受注が伸び悩んだものの、事業全体で案件獲得や製品価格改訂を進めたこと等により前年同期比で増収となりました。
利益面では、原燃料価格上昇によるコスト増加があったものの、コスト上昇分の製品価格への反映に加え、各種コストダウン効果などにより、前年同期比で増益となりました。
この結果、売上高は5,272百万円(同5,234百万円、同比0.7%増)となり、セグメント(営業)利益は56百万円(同129百万円の損失)となりました。
d.セキュリティメディア事業
セキュリティメディア事業においては、カード関連製品の減少はあったものの、通帳類等が増加したことに加え、宣伝印刷物などの受注が増えたことにより、売上高は2,103百万円(同1,907百万円、同比10.3%増)となりました。
利益面では、エネルギー価格上昇の影響を受けたものの、増収効果により、セグメント(営業)利益は261百万円(同137百万円、同比89.4%増)となりました。
e.新規開発事業
新規開発事業においては、主にiCas関連製品の開発と販売を進めており、特に半導体製造装置向け新製品群の上市に向け専心しております。売上高は25百万円(同28百万円、同比10.2%減)となり、セグメント(営業)損失は263百万円(同236百万円の損失)となりました。
f.その他の事業
その他の事業においては、売上高は112百万円(同91百万円、同比22.8%増)となり、セグメント(営業)利益は44百万円(同43百万円、同比2.3%増)となりました。
②財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は44,504百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,556百万円の増加となりました。流動資産は22,378百万円で、前連結会計年度末に比べ840百万円の増加となり、その主な要因は、前連結会計年度末に計上した未収消費税等の還付があったことや当第2四半期連結会計期間末が金融機関の休業日であったことなどにより、現金及び預金や受取手形及び売掛金が増加したことなどによるものです。固定資産は22,126百万円で、前連結会計年度末に比べ715百万円の増加となり、その主な要因は、設備投資による有形固定資産の増加や、保有株式の時価評価による投資有価証券が増加したことなどによるものです。
負債合計は26,324百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,747百万円の増加となりました。このうち流動負債は18,056百万円で、前連結会計年度末に比べ1,977百万円の増加となり、その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が減少したものの、短期借入金が増加したことなどによるものです。固定負債は8,268百万円となり、前連結会計年度末に比べ229百万円の減少となり、その主な要因は、長期借入金の返済が進んだことなどによるものです。当第2四半期連結会計期間末における有利子負債残高は13,592百万円となり、前連結会計年度末に比べ879百万円の増加となりました。
また、純資産合計は18,179百万円となり、前連結会計年度末に比べ191百万円の減少となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に加え、その他有価証券評価差額金や為替相場の円安変動に伴う為替換算調整勘定の増加などがあったものの、A種優先株式の償還に伴い資本剰余金が減少したことによるものです。
なお、A種優先株式については、当第2四半期連結累計期間において全部償還を行い、優先配当等の支払い負担を低減させ財務体質の健全化を図っております。償還後においても連結純資産比率は40%を超えており、安定した財務基盤を維持しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ859百万円増加し、5,142百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,966百万円(前年同期比1,056百万円の収入増)となりました。これは主に、持分法による投資利益171百万円や売上債権の増加額196百万円などがあったものの、税金等調整前四半期純利益923百万円や減価償却費789百万円、棚卸資産の減少額249百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は569百万円(前年同期は111百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出562百万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は758百万円(前年同期比430百万円の支出減)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,902百万円や長期借入れによる収入500百万円があったものの、長期借入金の返済による支出1,578百万円やA種優先株式の償還に伴う自己株式の取得による支出1,135百万円などがあったことによるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、659百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。