【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、エネルギーや原材料価格の上昇・高止まりの影響を受け、多くの商品の値上げが実施されたものの、新型コロナ感染者の減少を受けた規制緩和やコロナ禍の自粛で大幅に増加した貯蓄に支えられ、個人消費は回復基調を示しています。
この環境下において、アシードグループは、「ASEEDING THE FUTURE 人、地球、未来 ― すべての笑顔と健康のために」の実践に向けて更新した「中期経営計画」に基づき、ブランド創造企業への挑戦、既存事業の構造改革、M&Aによるグループ強化、新規事業・海外事業の強化を中心とした成長の加速に取り組んでいます。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高12,114百万円(前年同四半期比8.9%増)、営業利益765百万円(同20.5%増)、経常利益858百万円(同10.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益636百万円(同23.7%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、売上高は外部顧客への売上高を記載しております。
①自販機運営リテイル事業
自販機運営リテイル事業におきましては、生産・物流コストの高騰に対して業務の見直しによる生産性の向上や売価の適正化により収益性の改善に取り組むとともに、M&Aの一環として東北地区で約750台の自販機営業権の譲り受け等を実施しました。
9月には自社ブランド商品として、国産果実のおいしさ届けるチューハイシリーズ「アスター」の新味として、山梨県産すもものストレート果汁を使用した「アスター 太陽すもものチューハイ」を発売しました。
この結果、自販機運営リテイル事業の売上高は7,302百万円(前年同四半期比8.3%増)、セグメント利益は217百万円(同136.4%増)となりました。
②飲料製造事業
飲料製造事業においては、原材料・資材・燃料費の値上がりに対応した価格設定を行い収益性の改善を進めると共に、炭酸缶ラインの東西2拠点体制による営業力の強化を推進しています。
今夏より宝積飲料株式会社が「飲料ラベルの水平リサイクル実現に向けた資源循環モデルの構築(幹事会社:三菱ケミカルグループ)」に参画し、リサイクル可能なラベルを用いたペットボトル飲料の製造を行っています。この他、設備の更新による省エネ化など環境に配慮した取り組みを進め、アシードブリュー株式会社は廃水処理施設の改修を行い処理水質の安定化や管理の向上を進めていきます。
この結果、飲料製造事業の売上高は4,625百万円(前年同四半期比10.0%増)、セグメント利益は687百万円(同0.7%減)となりました。
③不動産運用事業
不動産運用事業におきましては、当社及びアオンズエステート株式会社を中心に所有不動産の運用を行っており、堅調に推移しております。
この結果、不動産運用事業による売上高は67百万円(前年同四半期比1.8%減)、セグメント利益は101百万円(同1.1%減)となりました。
なお、売上高はセグメント間の内部売上高109百万円を含めると176百万円となります。
④その他事業
その他事業におきましては、グループ内物流の体制整備の一環として10月よりアシードブリュー株式会社宇都宮飲料工場の倉庫管理や製品の入出庫などの業務を移管する予定です。これによって、2024年問題など物流の課題にグループとして対応するシステムを構築していきます。
この結果、その他事業の売上高は119百万円(前年同四半期比8.4%増)、セグメント利益は0百万円(前年同四半期は6百万円のセグメント損失)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ925百万円増加し、1,992百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,472百万円(前年同四半期は1,408百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益926百万円、減価償却費377百万円、仕入債務の増加額553百万円等により資金を獲得する一方、売上債権の増加による減少額640百万円等により資金を使用したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、651百万円(前年同四半期は503百万円の使用)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出655百万円及び有形固定資産の取得による支出167百万円等により資金を使用する一方、有形固定資産の売却による収入175百万円等により資金を獲得したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、94百万円(前年同四半期は32百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の純増額710百万円、長期借入金の返済による支出404百万円、リース債務の返済による支出116百万円及び配当金の支払額94百万円によるものであります。
(3) 財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は7,600百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,904百万円増加いたしました。これは現金及び預金の増加948百万円及び受取手形及び売掛金の増加882百万円等によるものです。また、固定資産は11,964百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,084百万円増加いたしました。これは建物及び構築物(純額)の増加665百万円及び投資有価証券の増加260百万円等によるものです。
この結果、総資産は19,565百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,989百万円増加いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は10,310百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,275百万円増加いたしました。これは買掛金の増加682百万円、短期借入金の増加710百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加121百万円、未払法人税等の増加236百万円、未払消費税等の増加123百万円及びその他の増加425百万円等によるものです。また、固定負債は2,625百万円となり、前連結会計年度末に比べ294百万円減少いたしました。これは長期借入金の減少374百万円及びその他の増加141百万円等によるものです。
この結果、負債合計は12,936百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,980百万円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は6,629百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,008百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益による増加636百万円及び自己株式の売却による増加269百万円等によるものです。
この結果、自己資本比率は33.9%(前連結会計年度末は33.9%)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、2百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当第2四半期連結累計期間の生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当第2四半期連結累計期間
(自 2023年4月1日
至 2023年9月30日)
前年同四半期比(%)
飲料製造事業
炭酸飲料(百万円)
707
76.5
非炭酸飲料(百万円)
1,051
115.6
低アルコール飲料(百万円)
2,417
106.9
ソフトパウチ飲料(百万円)
477
118.9
その他(百万円)
314
-
合計(百万円)
4,968
110.5
(注)1.自販機運営リテイル事業・不動産運用事業・その他事業において生産活動は行っておりません。
2.その他は株式会社河村農園、静岡ローストシステム株式会社が行っている茶葉の製造等であり、静岡ローストシステム株式会社を第1四半期から連結の範囲に含めているため前年同期比を記載しておりません。
② 受注実績
当第2四半期連結累計期間における受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高
前年同四半期比(%)
受注残高
前年同四半期比(%)
飲料製造事業
炭酸飲料(百万円)
661
73.2
15
46.6
非炭酸飲料(百万円)
1,051
115.6
-
-
低アルコール飲料(百万円)
2,444
110.5
238
179.6
ソフトパウチ飲料(百万円)
435
127.5
35
137.8
その他(百万円)
313
-
19
-
合計(百万円)
4,907
112.3
308
161.8
(7) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設の投資予定金額の総額について変更はありません。
(8) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
自販機オペレーターを取り巻く環境が厳しさを増すなか、業界内では後継者難から事業譲渡を検討している案件も増えていることから、M&Aや業務提携を通じて効率化を伴った事業規模の拡大を経営戦略として掲げております。飲料製造事業については当社グループの中核事業に成長しており、より一層戦略的な設備投資を実施しながら、需要の拡大に応えてまいります。
また、静岡ローストシステム株式会社及びマルサン萩間茶株式会社の子会社化により健康茶など新商品の共同開発を行うとともに、既存の飲料部門と相乗効果が見込める分野で新たな取り組みを進めてまいります。
(9) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
四半期連結キャッシュ・フロー計算書に記載のとおり、当社グループは営業活動及び財務活動によるキャッシュ・フローにより、当社グループの成長を維持するために必要な資金を調達することが可能であります。
(10) 経営者の問題認識と今後の方針について
飲料関連事業を取り巻く国内の事業環境は、今後も厳しさが増していくと予想されます。引き続き、自販機運営及び飲料製造の基盤強化を図るとともに、食品・飲料企業とアライアンスを組み、事業再編・構築を積極的に進めてまいります。
海外ではアセアン諸国を中心に投資を積極的に推進するとともに、投資先であるハロンビールとのアライアンスも視野に入れながら低アルコール飲料及び清涼飲料市場を開拓してまいります。また、国内においてはアシードブランド「アスター」を軸に販売拡大に努め、「アシード」ブランドの品質の高さを多くのお客様に認知いただくとともに、総合的なブランド力向上を推進いたします。