【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、エネルギー・資源を中心とした原材料のコスト高から数多くの商品・サービス価格が上昇するなど不安材料はあるものの、新型コロナウイルスの感染抑制と経済活動の両立が進む中、街や観光地に人出が回復して景気は持ち直しの動きがみられます。
そのような環境のなか、11月20日アシードホールディングス株式会社は創業50周年を迎えました。50周年を機にグループビジョン「ASEEDING THE FUTURE 人、地球、未来 ― すべての笑顔と健康のために」を掲げ、お客様と社員、地球(環境)、未来社会が笑顔と健康に包まれるように、アシードグループ一丸となって良い種まきの取組みを推進してまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は自販機の回復等により、16,104百万円(前年同四半期比8.4%増)となりました。営業利益730百万円(同14.9%増)、経常利益はハロンビール社(持分法適用関連会社)の好調もあり、957百万円(同15.1%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益629百万円(同19.8%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、売上高は外部顧客への売上高を記載しております。
①自販機運営リテイル事業
自販機運営リテイル事業におきましては、昨年10月1日、北関東ペプシコーラ販売株式会社がアシード株式会社を吸収合併し、新たに「アシード株式会社」を発足させました。独立系No.1オペレーターを目指し、オペレーション効率を上げ収益性の改革に取組んでおります。
飲料ウェルネス事業につきましては、ASEEDブランドの認知度向上を目的としてブランディングチームを立ち上げ、Instagram、Twitterを通じて「社員のおつまみレシピ」や「商品紹介」など親しみやすいテーマで発信し、販売強化に繋げております。
この結果、自販機運営リテイル事業の売上高は9,836百万円(前年同四半期比2.8%増)、セグメント利益は154百万円(前年同四半期は11百万円のセグメント利益)となりました。
②飲料製造事業
飲料製造事業におきましては、電力・ガス価格の高騰に対応した製造経費の見直しを進める一方、受注は好調を持続し、前年同四半期を上回る売上高を達成しました。特に、人出が回復し屋外での活動が増えていく中、スポーツシーンで好評のパウチ飲料や飲食店で提供されるビン容器飲料の需要が旺盛となり、受注増に繋がってきております。
昨年8月にグループ入りした株式会社河村農園では、九州産原料を使用した機能性表示食品のごぼう茶や桑の葉茶など健康茶も、引続き好調に推移しております。
この結果、飲料製造事業の売上高は5,990百万円(前年同四半期比18.3%増)、セグメント利益は804百万円(同6.2%増)となりました。
③不動産運用事業
不動産運用事業におきましては、当社及びアオンズエステート株式会社を中心に所有不動産の運用を行っており、堅調に推移しております。
この結果、不動産運用事業による売上高は102百万円(前年同四半期比0.2%減)、セグメント利益は152百万円(同2.2%減)となりました。
なお、売上高はセグメント間の内部売上高163百万円を含めると266百万円となります。
④その他事業
その他事業として物流・環境事業を運営するロジックイノベーション株式会社は、両事業の収益基盤拡大に取り組むとともに、将来に向けたグループ全体の物流効率化に着手しております。
この結果、その他事業の売上高は174百万円(前年同四半期比52.7%増)、セグメント損失は3百万円(前年同四半期は3百万円のセグメント利益)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は6,098百万円となり、前連結会計年度末に比べ566百万円増加いたしました。これは現金及び預金の増加623百万円、受取手形及び売掛金の減少314百万円、商品及び製品の増加85百万円及びその他の増加78百万円等によるものです。また、固定資産は10,201百万円となり、前連結会計年度末に比べ619百万円増加いたしました。これは機械装置及び運搬具(純額)の減少146百万円、建設仮勘定の増加717百万円、のれんの増加86百万円、投資有価証券の増加196百万円及び長期前払費用の減少100百万円等によるものです。
この結果、総資産は16,299百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,186百万円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は8,742百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,064百万円増加いたしました。これは買掛金の減少307百万円、短期借入金の増加900百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少100百万円、未払金の増加518百万円、未払法人税等の減少126百万円及び未払酒税の増加175百万円等によるものです。また、固定負債は1,849百万円となり、前連結会計年度末に比べ481百万円減少いたしました。これは長期借入金の減少375百万円等によるものです。
この結果、負債合計は10,591百万円となり、前連結会計年度末に比べ583百万円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は5,707百万円となり、前連結会計年度末に比べ603百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益による増加629百万円、剰余金の配当による減少164百万円及び為替換算調整勘定の増加109百万円等によるものです。
この結果、自己資本比率は35.0%(前連結会計年度末は33.8%)となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、2百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当第3四半期連結累計期間の生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当第3四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日)
前年同四半期比(%)
飲料製造事業
炭酸飲料(百万円)
2,313
109.4
非炭酸飲料(百万円)
1,560
119.4
低アルコール飲料(百万円)
6,004
103.5
ソフトパウチ飲料(百万円)
657
116.7
合計(百万円)
10,536
107.7
(注)上記金額は酒税、有償支給された材料代込みの販売価格によるものであります。
② 受注実績
当第3四半期連結累計期間における受注状況は、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同四半期比(%)
受注残高(百万円)
前年同四半期比(%)
飲料製造事業
炭酸飲料
2,245
112.7
109
67.5
非炭酸飲料
1,560
119.4
-
-
低アルコール飲料
5,839
103.2
287
84.2
ソフトパウチ飲料
605
120.8
54
199.1
合計
10,250
108.4
451
85.0
(注)上記金額は酒税、有償支給された材料代込みの販売価格によるものであります。
(6) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設の投資予定金額の総額について変更はありません。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
自販機オペレーターを取り巻く環境が厳しさを増すなか、業界内では後継者難により事業譲渡を検討している案件も増えていることから、M&Aや業務提携を通じて効率化を伴った事業規模の拡大を経営戦略として掲げております。飲料製造事業については当社グループの中核事業に成長しており、より一層戦略的な設備投資を実施しながら、需要の拡大に応えてまいります。
(8) 経営者の問題認識と今後の方針について
飲料関連事業を取り巻く国内の事業環境は、地方の急激な人口減少を背景に、今後も厳しさが増していくと予想されます。引き続き、自販機運営及び飲料製造の基盤強化を図るとともに、食品・飲料企業とアライアンスを組み、事業再編・構築を積極的に進めてまいります。
海外ではアセアン諸国を中心に投資を積極的に推進するとともに、投資先であるハロンビール社とのアライアンスも視野に入れながら低アルコール飲料及び清涼飲料市場を開拓してまいります。また、国内においてはRTD飲料「ASTER」を軸に販売拡大に努め、アシード商品の品質の高さを多くのお客様に認知いただくとともに、総合的なブランド力向上を推進いたします。