【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウクライナ情勢の悪化から原材料価格やエネルギー価格上昇の影響が続くなか、行動制限の緩和や世界経済の回復により、個人消費は明るさを取り戻してきました。
このような状況のなか、アシードグループの成長戦略の一環として、8月1日に株式会社河村農園を子会社化いたしました。「世界一美味しい健康茶」を作る思いで着実に成長してきた同社をグループに迎え、グループビジョン「ASEEDING THE FUTURE 人、地球、未来 ― すべての笑顔と健康のために」を実現するために、健康茶分野で新商品の共同開発を行うとともに、河村農園ブランドの強化を図ってまいります。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高11,122百万円(前年同四半期比9.7%増)、営業利益635百万円(同1.0%増)、経常利益774百万円(同3.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益514百万円(同14.1%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、売上高は外部顧客への売上高を記載しております。
①自販機運営リテイル事業
自販機オペレーター業界におきましては、天候にも恵まれ個人消費の回復兆しがみられるなかで、第1四半期に続いて売上高は前年同四半期を上回り、収益面でも改善を図ることができました。引き続き自販機営業権の譲り受けや集客施設への新規設置推進により、設置台数を増強し売上増加を図るとともに、ルート効率の改善を通じて収益の増加を図ってまいります。また、2022年10月1日にアシード株式会社と北関東ペプシコーラ販売株式会社が合併いたしました。これを機に、より一層のサービス強化を図ってまいります。
飲料ウェルネスにつきましては、7月にECサイト「アシードオンラインストア 楽天市場店」を開設するとともに、9月に愛媛県愛南町の方々と共同開発した「ASTER 愛南ゴールドのチューハイ」を新発売いたしました。名前にちなみゴールドに輝く缶デザインに、愛南ゴールドの特徴を活かした香りや味で好評いただいております。また同月に「ためして寒天 コーヒー味」も新発売し、ブランドの強化に取り組んでおります。
この結果、自販機運営リテイル事業の売上高は6,739百万円(前年同四半期比4.2%増)、セグメント利益は91百万円(同410.8%増)となりました。
②飲料製造事業
飲料製造事業におきましては、OEM・ODM製造事業者としてブランドメーカーから厚い信頼をいただき、前年同四半期を上回る売上高を達成しました。足元では電力費や燃料費などエネルギー関連費用の高騰が続き、厳しい収益環境に置かれていますが、グループのノウハウを活かして商品の開発から生産までを行うODM運営に高い評価を得て、取引先拡大に結び付いております。
この結果、飲料製造事業の売上高は4,204百万円(前年同四半期比18.6%増)、セグメント利益は692百万円(同1.5%増)となりました。
③不動産運用事業
不動産運用事業におきましては、当社及びアオンズエステート株式会社を中心に所有不動産の運用を行っており、堅調に推移しております。
この結果、不動産運用事業による売上高は68百万円(前年同四半期比1.8%減)、セグメント利益は103百万円(同1.2%減)となりました。なお、売上高はセグメント間の内部売上高109百万円を含めると177百万円となります。
④その他事業
その他事業として物流・環境事業を運営するロジックイノベーション株式会社は、両事業の収益基盤拡大に取り組むとともに、将来に向けたグループ全体の物流効率化に着手しています。
この結果、その他事業の売上高は110百万円(前年同四半期比78.8%増)、セグメント損失は6百万円(前年同四半期は10百万円のセグメント利益)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ952百万円増加し、1,805百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,408百万円(前年同四半期は804百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益753百万円、減価償却費288百万円、及び売上債権の減少額480百万円等により資金を獲得する一方、法人税等の支払額208百万円等により資金を使用したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、503百万円(前年同四半期は19百万円の使用)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出207百万円、及び有形固定資産の取得による支出292百万円等により資金を使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、32百万円(前年同四半期は714百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の純増額615百万円、長期借入金の返済による支出351百万円、リース債務の返済による支出160百万円及び配当金の支払額70百万円等によるものであります。
(3) 財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は6,227百万円となり、前連結会計年度末に比べ696百万円増加いたしました。これは現金及び預金の増加970百万円、受取手形及び売掛金の減少435百万円、商品及び製品の増加68百万円、前払費用の増加36百万円及びその他の増加32百万円等によるものです。また、固定資産は9,853百万円となり、前連結会計年度末に比べ271百万円増加いたしました。これは機械装置及び運搬具(純額)の減少84百万円、建設仮勘定の増加217百万円、のれんの増加124百万円、投資有価証券の増加105百万円及び長期前払費用の減少52百万円等によるものです。
この結果、総資産は16,081百万円となり、前連結会計年度末に比べ968百万円増加いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は8,431百万円となり、前連結会計年度末に比べ753百万円増加いたしました。これは買掛金の増加97百万円、短期借入金の増加615百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少80百万円、リース債務の減少45百万円、未払消費税等の増加53百万円、未払酒税の増加59百万円及びその他の増加33百万円等によるものです。また、固定負債は1,980百万円となり、前連結会計年度末に比べ349百万円減少いたしました。これは長期借入金の減少264百万円、リース債務の減少38百万円及びその他の減少51百万円等によるものです。
この結果、負債合計は10,412百万円となり、前連結会計年度末に比べ403百万円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は5,668百万円となり、前連結会計年度末に比べ564百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益による増加514百万円、剰余金の配当による減少70百万円及び為替換算調整勘定の増加110百万円等によるものです。
この結果、自己資本比率は35.3%(前連結会計年度末は33.8%)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、2百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当第2四半期連結累計期間の生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当第2四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年9月30日)
前年同四半期比(%)
飲料製造事業
炭酸飲料(百万円)
1,659
103.3
非炭酸飲料(百万円)
1,152
113.1
低アルコール飲料(百万円)
4,390
108.3
ソフトパウチ飲料(百万円)
516
114.7
合計(百万円)
7,718
108.3
(注)上記金額は酒税、有償支給された材料代込みの販売価格によるものであります。
② 受注実績
当第2四半期連結累計期間における受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高
前年同四半期比(%)
受注残高
前年同四半期比(%)
飲料製造事業
炭酸飲料(百万円)
1,590
105.5
109
62.6
非炭酸飲料(百万円)
1,152
113.1
-
-
低アルコール飲料(百万円)
4,266
105.2
328
67.6
ソフトパウチ飲料(百万円)
442
111.1
31
85.0
合計(百万円)
7,451
106.8
470
67.3
(注)上記金額は酒税、有償支給された材料代込みの販売価格によるものであります。
(7) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設の投資予定金額の総額について変更はありません。
(8) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
自販機オペレーターを取り巻く環境が厳しさを増すなか、業界内では後継者難から事業譲渡を検討している案件も増えていることから、M&Aや業務提携を通じて効率化を伴った事業規模の拡大を経営戦略として掲げております。飲料製造事業については当社グループの中核事業に成長しており、より一層戦略的な設備投資を実施しながら、需要の拡大に応えてまいります。
また、株式会社河村農園の子会社化により健康茶など新商品の共同開発を行うとともに、既存の飲料部門と相乗効果が見込める分野で新たな取り組みを進めてまいります。
(9) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
四半期連結キャッシュ・フロー計算書に記載のとおり、当社グループは営業活動及び財務活動によるキャッシュ・フローにより、当社グループの成長を維持するために必要な資金を調達することが可能であります。
(10) 経営者の問題認識と今後の方針について
飲料関連事業を取り巻く国内の事業環境は、今後も厳しさが増していくと予想されます。引き続き、自販機運営及び飲料製造の基盤強化を図るとともに、食品・飲料企業とアライアンスを組み、事業再編・構築を積極的に進めてまいります。
海外ではアセアン諸国を中心に投資を積極的に推進するとともに、投資先であるハロンビールとのアライアンスも視野に入れながら低アルコール飲料及び清涼飲料市場を開拓してまいります。また、国内においてはアシードブランド「ASTER」を軸に販売拡大に努め、「アシード」ブランドの品質の高さを多くのお客様に認知いただくとともに、総合的なブランド力向上を推進いたします。