【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 財政状態の状況 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ21,206百万円増加し、137,004百万円となりました。これは主として受取手形及び売掛金、棚卸資産並びに土地・建物等の有形固定資産の増加によるものです。 当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,037百万円増加し、53,414百万円となりました。これは主として買掛金及び長短借入金の増加によるものです。 当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ9,169百万円増加し、83,589百万円となりました。これは主として利益剰余金の増加によるものです。なお、2022年8月10日開催の取締役会決議に基づき、2022年8月22日付で自己株式の消却を行った結果、利益剰余金と自己株式がそれぞれ2,418百万円減少しております。
② 経営成績の状況 当第3四半期連結累計期間における世界経済は、景気に緩やかな持ち直しの動きが見られました。しかしながら、世界的なインフレや、中国での新型コロナウイルス感染症拡大などにより、下振れリスクへの懸念が続いております。我が国経済においても、個人消費や企業の設備投資などは持ち直しているものの、生産活動や企業収益には弱さが見られ、物価上昇や供給面での制約などで先行き不安な状況が継続しております。 このような状況の中で、当社グループの貴金属関連事業においては、資源リサイクルの総合力及び高機能電子材料の開発などによる差別化のもとで営業展開の強化と国内外の拠点活用を進め、貴金属原料の確保、化成品等の製商品販売及び産業廃棄物処理受託の拡大に取り組みました。また、食品関連事業においては、世界的な食資源の供給不安や仕入価格の上昇などにも柔軟に対処し、多様化する顧客ニーズに応えた商品の開拓と安全安心な商品の安定提供により、販売量の拡大に取り組みました。 これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高270,528百万円(前年同四半期比32.9%増)、営業利益11,416百万円(前年同四半期比9.1%増)、経常利益11,374百万円(前年同四半期比0.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益7,976百万円(前年同四半期比1.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(貴金属関連事業)当事業の主力顧客であるエレクトロニクス業界においては、第2四半期まではデータセンター需要の好調などもあり、半導体・電子デバイス分野の生産活動は堅調に推移しましたが、第3四半期に入ると半導体不足に一服感が出始め、パソコンやスマートフォン向けの各種電子部品の需要減退などから生産活動が低下傾向となりました。一方で、世界的なインフレ加速や地政学的リスクの高まりなどから、全体的に貴金属相場は上昇しました。このような状況の中で、当社グループの貴金属関連事業では、貴金属リサイクルの取扱量及び産業廃棄物の処理受託は増加し、金製品、銀製品、白金族製品等の販売量増加に加え、全体的な貴金属相場上昇に伴う販売単価の上昇もあり、売上高及び営業利益は前年同四半期に比べ増加しました。これらの結果、当該事業の売上高は191,198百万円(前年同四半期比33.9%増)、営業利益は9,407百万円(前年同四半期比13.5%増)となりました。
(食品関連事業)当事業の主力顧客である食品製造業界は、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限等の解除により外食産業をはじめ持ち直しの傾向が見られましたが、原材料価格の上昇や円安進行等に伴う相次ぐ値上げ発表によって消費者の節約志向は継続し、総じて厳しい状況が続いております。このような状況の中で、当社グループの食品関連事業では、水産品、畜産品、農産品の販売量は増加し、全体的に販売単価も上昇したことから、売上高は前年同四半期に比べ増加しましたが、営業利益につきましては、運送費及び保管料の増加などにより、前年同四半期に比べ減少しました。これらの結果、当該事業の売上高は79,391百万円(前年同四半期比30.4%増)、営業利益は2,009百万円(前年同四半期比7.7%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,545百万円減少し、9,833百万円となりました。
(営業活動のキャッシュ・フロー) 当第3四半期連結累計期間における営業活動により減少した資金は4,274百万円となりました。これは主として税金等調整前四半期純利益、減価償却費並びに仕入債務の増加による資金の増加と、売上債権、棚卸資産の増加及び法人税等の支払いによる資金の減少との差引によるものです。なお、前年同四半期の5,281百万円の資金の増加に比べ9,556百万円減少しました。
(投資活動のキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間における投資活動に使用した資金は10,357百万円となりました。これは主として土地・建物等の有形固定資産取得によるものです。なお、前年同四半期の1,872百万円の支出に比べて8,484百万円の支出増加となりました。
(財務活動のキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間における財務活動により増加した資金は12,222百万円となりました。これは主として長短借入金の増加によるものです。なお、前年同四半期の1,321百万円の資金の減少に比べ13,544百万円増加しました。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第3四半期連結累計期間において、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は215百万円であります。
(6) 従業員数当第3四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7) 生産、受注及び販売の実績当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(8) 主要な設備前連結会計年度末において計画中であった福岡県北九州市の土地は引渡し完了予定年月を2022年7月から2022年5月に変更し、計画のとおり2022年5月に引渡しを受けております。前連結会計年度末において計画中であった埼玉県入間市の土地・建屋は計画のとおり2022年4月に引渡しを受けております。