【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、巣ごもり需要の終息や物価高を背景とした一服感はあるものの、良好な雇用環境や賃上げが消費者マインドを改善し、また企業収益も全体としては好調を継続、個人消費・設備投資・インバウンド需要がけん引役となり景気は緩やかに回復しています。米国経済は、製造業は調整局面が長期化しているが、堅調な個人消費や輸出の増加などに支えられ企業の景況感に下げ止まりの兆しが見られます。また中国経済は、ゼロコロナ政策の緩和によるリバウンド需要が一巡し、不動産市場の悪化などで主要指標は低迷しており一転して景気は減速しています。
大型原油船(VLCC)につきまして、年明けから中国のゼロコロナ政策緩和に伴い石油需要が回復し、春に各国製油所の定修の影響により一時市況は下落しましたが、中東、西側双方の活発な荷動きは続きました。6月になり台風やインド洋の時化などの影響で中東域への返船が遅れたことなどを背景に船腹需給が引き締まり、市況は上昇しましたが、第2四半期に入るとOPECプラスによる協調減産とサウジアラビア、ロシアの更なる自主減産が影響し、低調な荷動きとなりました。
石油製品船につきましては、第1四半期は中国・インドなどがダークフリートによるロシア産石油製品の輸入を拡大させ、正規のSPOT市況は下落しましたが、安定的な貨物需要、船腹の供給圧力が弱いことなどが下支えとなり、第2四半期において市況は回復し、堅調に推移しました。
大型LPG船(VLGC)は、アフリカ、アジアなどの新興国を中心に、民生燃料用など主要消費国での堅調な需要に支えられ、中東出し、北米出しが共に堅調でした。またパナマ運河の滞船による船腹需給の引き締め効果、米国産とアジア産のLPGの値差拡大を背景に米国産の輸送需要が拡大、中東積みVLGCがひっ迫し、市況は高騰しました。
ばら積船につきましては、中国の不動産業界の不振による鉄鋼需要鈍化、中国・インドにおける石炭備蓄量の増加などから、第1四半期は全船型で市況が下落しましたが、ケープサイズ型では日本向け石炭輸送が一時的にインドネシア産からオーストラリア産に偏ったことでトンマイルが増加しました。
パナマックス型以下の中小型ばら積船は、パナマ運河の水不足による通航制限、それによる滞船の発生が要因となり、第2四半期はそれぞれの船型で市況が上昇する結果となりました。
こうした経営環境の中、当社グループは大型タンカーを中心とする長期貸船契約を主体に安定した経営を目指しており、前期にLPG船“MARIE”を取得した一方で、ばら積船“SAGAR MOTI”を売却するなど船隊構成の整備・拡充に取り組んで参りました。当期には、2024年1~3月にLPG船を取得する予定としております。
また、各船の運航効率の向上と諸経費の節減やサステナブルな活動に全社を挙げて努めて参りましたが、当第2四半期連結累計期間の経営成績は以下のとおりとなりました。
海運業収益は、前期にばら積船を1隻売却したことなどにより69億7千5百万円(前年同四半期比9千5百万円減)となりました。営業損失は、船舶のタンクトラブルに伴う修繕費の増加や為替による船費の増加などにより3億3千8百万円(前年同四半期は4億3千7百万円の営業利益)、経常損失は前述のトラブルに対する保険金の一部を受け取ったことにより4億2千2百万円(前年同四半期は2億3千4百万円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は、2億9千4百万円(前年同四半期は1億6千6百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
(2)財政状態に関する説明
資産、負債および純資産の状況
当第2四半期連結会計期間末の資産の部は、前連結会計年度末に比べ5億8千7百万円減少し702億5千5百万円となりました。流動資産は、建中船舶の造船所への支払いなどによる現金及び預金の減少などにより1億3千2百万円減少し62億2千6百万円となりました。固定資産は、船舶の減価償却などにより4億5千5百万円減少し640億2千9百万円となりました。
負債の部は、借入金の返済が進んだことなどにより前連結会計年度末に比べ17億1千2百万円減少し512億3千5百万円となりました。
純資産の部は、円安や長期金利の上昇により、繰延ヘッジ損益及び為替換算調整勘定が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ11億2千5百万円増加し190億1千9百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ8億9千4百万円減少し、34億8千4百万円となりました。(前年同四半期は22億3百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動による資金収支は、減価償却費などによって、25億2千8百万円の収入となりました。(前年同四半期は25億5千万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動による資金収支は、船舶の建造代金の支払いなどにより10億2千3百万円の支出となりました。(前年同四半期は16億8千9百万円の支出)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動による資金収支は、借入金の返済が進んだことなどにより24億5千6百万円の支出となりました。(前年同四半期は32億2千6百万円の支出)
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)主要な設備
該当事項はありません。