【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、インバウンド需要の回復、自動車の生産制約の解消進展、春闘による賃金の上昇やボーナスの支給額増加などが景気にとってプラス要因となっています。さらに、企業の設備投資意欲は底堅く、景気の下支え効果が期待されています。米国経済は、雇用の一部に底堅さが見られるものの、企業の景況感は減速傾向が鮮明です。またFRBによる金融政策が維持される見込みにより景気の押し下げ圧力は増大しており、ソフトランディングの可否が注目されています。また中国経済は、ゼロコロナ政策の解除によりサービス消費の回復傾向が続いているものの、それ以外の需要が伸び悩んでいます。
海運市況は、大型原油船(VLCC)につきましては、年明けから中国のゼロコロナ政策緩和に伴い石油需要が回復し、春に各国製油所の定修の影響により一時市況は下落しましたが、中東、西側双方の活発な荷動きは続きました。6月になり台風やインド洋の時化などの影響で中東域への返船が遅れたことなどを背景に船腹需給が引き締まり、市況は上昇し、全般的に堅調な市況展開となりました。
石油製品船につきましては、大きな貨物需要を担う中国・インドなどがダークフリートによるロシア産石油製品の輸入をハイペースで拡大させており、正規のSPOT市況は下落しましたが、定期傭船市況は、2023年から2024年の新造船竣工隻数が過去20年において最低水準となっており、将来、船腹需給が引き締まるとの見通しから、堅調に推移しました。
LPG船は、アフリカ、アジアなどの新興国を中心に、民生燃料用など主要消費国での堅調な需要に支えられ、中東出し、北米出しが共に堅調でした。またパナマ運河の滞船による船腹需給の引き締め効果、米国の長距離輸出の増加に伴いトンマイルも延び、好調なマーケットを維持しています。
ばら積船につきましては、中国のゼロコロナ政策撤廃による経済活動再開・需要回復が一服し、鉄鋼製品需要が鈍化してきたことで粗鋼生産量も徐々に減少に転じました。
パナマックスバルカーやハンディサイズバルカーは、中国・インドにおける石炭の国内備蓄量も増加傾向にあることから、局所的な要因で一部乱高下する局面があったものの、全船型でセンチメントが弱く、市況は下落しました。
こうした経営環境の中、当社グループは大型タンカーを中心とする長期貸船契約を主体に安定した経営を目指しており、前期にLPG船“MARIE”を取得した一方で、ばら積船“SAGAR MOTI”を売却するなど船隊構成の整備・拡充に取り組んで参りました。当期には、2024年1~3月にLPG船を取得する予定としております。
また、各船の運航効率の向上と諸経費の節減やサステナブルな活動に全社を挙げて努めて参りましたが、当第1四半期連結累計期間の経営成績は以下のとおりとなりました。
海運業収益は、前述の通り前期に取得した船がフルで稼働したことなどにより、35億1千5百万円(前年同四半期比2億4百万円増)となりました。営業損失は、船舶のタンクトラブルに伴う修繕費の増加などにより1億7千1百万円(前年同四半期は7千1百万円の営業利益)、経常損失は2億4千5百万円(前年同四半期は2千8百万円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は1億7千1百万円(前年同四半期は2千2百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
(2)財政状態に関する説明
資産、負債および純資産の状況
当第1四半期連結会計期間末の資産の部は、前連結会計年度末に比べ7億1千2百万円減少し701億3千万円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加などにより5億8千1百万円増加し69億3千9百万円となりました。固定資産は、船舶の減価償却などにより12億9千3百万円減少し631億9千1百万円となりました。
負債の部は、借入金の返済などにより、6億4千2百万円減少し523億5百万円となりました。
純資産の部は、利益剰余金の減少などにより前連結会計年度末に比べ6千9百万円減少し178億2千5百万円となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)主要な設備
該当事項はありません。