【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、次の100年に向けて新たな価値創造を目指し、昨年4月より2025年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value - Together, to “The Next” for sustainable growth」をスタートしました。①イノベーションによる成長の加速、②稼ぐ力の最大化、③レジリエントな企業体質の構築を成長戦略の3本柱として掲げ、収益向上とESG課題解決の好循環による持続的成長を目指すサステナビリティ経営を引き続き重視し、需要変動に左右されにくい事業構造の構築に向け、活動を進めています。
本中期経営計画の初年度となる2023年3月期の第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)において、連結売上高は2兆5,392億円(前年同期比26.0%増加)となりました。建設機械・車両事業では、北米、アジアを中心に鉱山機械の需要が好調に推移しました。クロスソーシングの活用などにより新車需要を着実に取り込み、部品・サービス売上げも増加しました。また、各地域での販売価格の改善や円安の影響もあり、売上高は前年同期を上回りました。産業機械他事業では、半導体産業向けエキシマレーザー関連事業は、世界的な半導体需要の増加により売上げが好調に推移したものの、自動車産業向けの鍛圧機械、板金機械、工作機械については、主に大型プレスの売上げが減少したこともあり、売上高は前年同期を下回りました。
利益については、資材価格や物流コスト上昇の影響はあるものの、販売価格の改善や円安の影響により、営業利益は3,466億円(前年同期比54.9%増加)となりました。売上高営業利益率は前年同期を2.5ポイント上回る13.6%、税引前四半期純利益は3,398億円(前年同期比51.5%増加)、当社株主に帰属する四半期純利益は2,319億円(前年同期比49.1%増加)となりました。
本中期経営計画においてESGの経営目標として掲げている「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インディシーズ ワールドインデックス」に選定されました。また、国際的な非営利団体CDPにより、「気候変動対策」及び「水セキュリティ対策」においてAリスト企業と認定されました。
事業の種類別セグメントの経営成績は、次のとおりです。
① 建設機械・車両事業セグメント
売上高は2兆3,696億円(前年同期比28.4%増加)、セグメント利益は3,095億円(前年同期比61.3%増加)となりました。
中期経営計画の成長戦略「イノベーションによる成長の加速」においては、鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(AHS)の導入を着実に進め、昨年12月末時点の総稼働台数は累計600台となりました。鉱山機械のカーボンニュートラルに向けた取り組みでは、いかなる動力源でも稼働可能なパワーアグノスティックトラックの開発に向け、小山工場における燃料電池のテストベンチなどの水素試験設備導入や、北米の試験場にはバッテリー・トロリー車の実証実験用設備の設置を進めました。一般建機については、電動化市場の早期形成を目指し、20トンクラスの電動油圧ショベルの量産開始に向けて取り組みました。昨年12月には、当社グループ初のリチウムイオンバッテリー搭載の量産車である電動式フォークリフト「FE25G/30G-2」を発売しました。
「稼ぐ力の最大化」では、坑内掘りハードロック事業の拡大を目指し、狭い坑道に適したロードホールダンプやダンプトラックなどのラインナップ強化を図るため、ドイツの坑内掘り鉱山機械メーカーであるGHH Group GmbHの買収を決定しました。また、アフリカ市場への取り組み強化の一環として、フランス資源企業と、アフリカの対象地域における鉱山オペレーションの安全性・生産性の最大化を支援する包括契約を締結しました。
「レジリエントな企業体質の構築」では、外部環境の変動に強いサプライチェーンの構築を図り、昨年に完全子会社化した中国生産法人を建設機械のグローバル生産拠点として活用を進め、クロスソーシングの強化に取り組みました。
建設機械・車両事業セグメントの地域別売上高(外部顧客向け売上高)
(金額単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年12月31日)
当第3四半期
連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日)
増 減
金 額
増減率 %
日本
222,716
226,686
3,970
1.8%
北米
421,039
607,952
186,913
44.4%
中南米
290,159
403,745
113,586
39.1%
米州
711,198
1,011,697
300,499
42.3%
欧州
171,073
216,277
45,204
26.4%
CIS
139,886
94,939
△44,947
△32.1%
欧州・CIS
310,959
311,216
257
0.1%
中国
71,192
62,591
△8,601
△12.1%
アジア※
195,509
333,966
138,457
70.8%
オセアニア
196,604
227,993
31,389
16.0%
アジア※・オセアニア
392,113
561,959
169,846
43.3%
中近東
33,505
61,146
27,641
82.5%
アフリカ
98,985
127,894
28,909
29.2%
中近東・アフリカ
132,490
189,040
56,550
42.7%
合計
1,840,668
2,363,189
522,521
28.4%
※ 日本及び中国を除きます。
地域別の概況は以下のとおりです。
(日本)
日本では、公共工事及び民間工事向けの新車需要が減少したものの、販売価格の改善などにより、売上高は前年同期を上回りました。
(米州)
北米では、一般建機の需要はレンタル、インフラ向けが好調に推移し、エネルギー関連向けも引き続き増加しました。加えて、鉱山機械の需要が好調に推移したことや、販売価格の改善及び円安の影響もあり、売上高は前年同期を上回りました。中南米では、一般建機の需要は当第3四半期から減速が見られたものの、鉱山機械の需要は前年同期並みに推移しました。部品・サービスの売上げ増加や、販売価格の改善及び円安の影響により、売上高は前年同期を上回りました。
(欧州・CIS)
欧州では、エネルギー価格高騰などの影響はあるものの、物流の混乱は改善に向かい、主要市場であるドイツ、英国、フランスを中心に、需要が前年同期並みに推移しました。販売価格の改善などにより、売上高は前年同期を上回りました。CISでは、ウクライナ情勢に起因したサプライチェーン及び金融・経済の制約の影響から、売上高は前年同期を下回りました。
(中国)
中国では、経済活動の停滞や新型コロナウイルス感染拡大などの影響により需要が低迷したことから、売上高は前年同期を下回りました。
(アジア・オセアニア)
アジアでは、インドネシアにおける石炭向け鉱山機械の需要が好調であったことに加え、フィリピン、マレーシア、ベトナムを中心に一般建機の需要が堅調であったことから、売上高は前年同期を上回りました。オセアニアでは、鉱山機械及び一般建機の需要が堅調に推移しました。部品・サービス売上げが増加したことや円安の影響もあり、売上高は前年同期を上回りました。
(中近東・アフリカ)
中近東では、サウジアラビアやUAEなどの産油国での一般建機の需要が好調に推移したことから、売上高は前年同期を上回りました。アフリカでは、鉱山機械及び一般建機の需要が堅調に推移したことから、売上高は前年同期を上回りました。
なお、建設機械・車両事業全体の生産規模は、主に鉱山機械の需要が好調に推移したことにより、前年同期比36.9%増加し、約2兆6,763億円(販売価格ベース、連結ベース)でした。
② リテールファイナンス事業セグメント
円安の影響や一般建機及び鉱山機械の販売増加により、新規取組高は増加しました。前年同期に一部リース車を中古車として販売した影響があったものの、売上高は636億円(前年同期比16.5%増加)となりました。セグメント利益は、円安や貸倒引当金の減少の影響などにより、212億円(前年同期比59.9%増加)となりました。
③ 産業機械他事業セグメント
半導体産業向けエキシマレーザー関連事業は、世界的な半導体需要の増加により売上げが好調に推移したものの、自動車産業向けの鍛圧機械、板金機械、工作機械については、主に大型プレスの売上げが減少しました。売上高は1,269億円(前年同期比3.8%減少)、セグメント利益は156億円(前年同期比3.8%増加)となりました。
ギガフォトン㈱では、世界各国におけるリソグラフィ用光源のフィールドサポート体制の更なる強化を目指し、エンジニアの育成及び強化を目的としたトレーニング設備増強を進めました。コマツNTC㈱では、昨年11月に開催された「JIMTOF2022」(第31回日本国際工作機械見本市)において、フレキシブル加工に最適な5軸マシニングセンター「ComPlexシリーズ」などを出展しました。
なお、産業機械他事業全体の生産規模は、受注残増加への対応に伴い、前年同期比27.7%増加し、約1,584億円(販売価格ベース、連結ベース)でした。
(2) 財政状態・キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末(2022年12月31日)の財政状態は、米ドルなどに対して為替が前連結会計年度末(2022年3月31日)に比べ円安となったことに加え、棚卸資産などの増加により、総資産は前連結会計年度末に比べ4,361億円増加の4兆7,836億円となりました。有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ2,159億円増加の1兆1,633億円となりました。また、株主資本は前連結会計年度末に比べ1,751億円増加の2兆4,077億円となりました。これらの結果、株主資本比率は前連結会計年度末に比べ1.1ポイント減少の50.3%となりました。
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産が増加したものの、四半期純利益などにより、831億円の収入(前年同期比1,018億円の収入減少)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の購入などにより、1,309億円の支出(前年同期比268億円の支出増加)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、コマーシャル・ペーパーの発行などにより、611億円の収入(前年同期は566億円の支出)となりました。これらに為替変動の影響を加えた結果、現金及び現金同等物の当第3四半期連結会計期間末残高は前連結会計年度末に比べ188億円増加し、3,341億円となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢に起因するサプライチェーンや金融・経済の混乱等が当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響については、収束時期等が不透明であるものの、現時点で入手可能な情報や予測に基づき、今後も一定程度当該影響が継続すると仮定しています。会計上の見積りの中でも比較的重要性のある貸倒見積額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断、長期性資産及び営業権の減損の判定については、当該仮定に基づき最善の見積りを行っていますが、今後の実際の推移が当該仮定と乖離する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(4) 経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の当社グループの研究開発費は621億円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
