【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産に弱さがみられ、製造業を中心に景況感が悪化しました。海外においては、保護主義政策などによる政治的・経済的な混乱により景気が減速傾向となったことにくわえ、年明け以降の新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により先行きが不透明で厳しい状況となりました。
当社グループを取り巻く環境は、半導体需要の低迷にくわえ、二輪車市場も多くの地域で伸び悩み、全体としては厳しい状況が続きました。
このようななか、当連結会計年度では、売上高は92,965百万円(前期比1.8%減)、半導体市況の低迷や減価償却費の増加などにより営業利益は1,757百万円(前期比68.8%減)、経常利益は1,598百万円(前期比73.3%減)、繰延税金資産を取崩し法人税等調整額に計上したことで親会社株主に帰属する当期純損失は4,156百万円(前期は3,876百万円の利益)となりました。
また、第15次中期経営計画で掲げる2022年3月期の経営指標の目標値に対して、売上高は92,965百万円(目標値は115,000百万円)、営業利益率は1.9%(目標値は7.6%以上)、ROEは△7.4%(目標値は10%以上)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。前期比較につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
また、セグメント間の取引については相殺消去して記載しております。
(デバイス事業)
デバイス事業の売上高は30,989百万円(前期比8.9%減)、営業損失は241百万円(前期は2,576百万円の利益)となりました。
家電市場は、空調機向けが期末にかけて回復の兆しを見せたものの通期では軟調に推移したほか、自動車市場および産業機器市場では市況低迷が続いた結果、事業全体で減収となりました。損益面においては、原価低減に努めたものの、減収の影響および生産量の減少に伴う稼働率の低下のほか、減価償却費の増加などで営業損失を計上しました。
(電装事業)
電装事業の売上高は51,637百万円(前期比0.8%減)、営業利益は6,022百万円(前期比39.6%減)となりました。
主力の二輪車向け製品は、インドネシアで底堅く、インドでは市況の低迷が続くなか下期にかけて新製品の投入効果があらわれ堅調でした。一方で、ベトナムやタイは軟調に推移しました。また、為替がアジア通貨に対して円高で推移した結果、事業全体ではわずかに減収となりました。損益面においては、前期に増益要因となった営業費用の戻入がなくなったほか、製品構成の変化やアジア通貨安の影響などで減益となりました。
(その他)
その他の売上高は10,338百万円(前期比19.5%増)、営業損失は121百万円(前期は2,445百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローで5,828百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローで9,649百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローで2,335百万円減少した結果、前連結会計年度末に比べ資金は6,167百万円減少し、当連結会計年度末は26,337百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,828百万円のプラス(前期は3,495百万円のプラス)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が1,125百万円、減価償却費が5,176百万円となったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、9,649百万円のマイナス(前期は5,875百万円のマイナス)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が9,048百万円となったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,335百万円のマイナス(前期は4,603百万円のマイナス)となりました。これは、主に長期借入金6,000百万円の資金調達を実施したものの、長期借入金の約定弁済が5,750百万円、社債の償還による支出が980百万円および配当金の支払額が1,287百万円となったことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
デバイス事業(百万円)
30,081
△15.5
電装事業(百万円)
51,973
△1.4
報告セグメント計(百万円)
82,054
△7.1
その他(百万円)
9,055
22.1
合計(百万円)
91,110
△4.8
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
デバイス事業
30,817
△8.4
4,364
△3.8
電装事業
51,725
△0.9
2,202
4.2
報告セグメント計
82,543
△3.9
6,566
△1.3
その他
10,476
20.9
1,268
12.2
合計
93,019
△1.6
7,835
0.7
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
デバイス事業(百万円)
30,989
△8.9
電装事業(百万円)
51,637
△0.8
報告セグメント計(百万円)
82,626
△4.0
その他(百万円)
10,338
19.5
合計(百万円)
92,965
△1.8
(注)1.セグメント間の取引については含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
ピー・ティ・アストラホンダモーター
11,364
12.00
12,307
13.24
ホンダベトナムカンパニー・リミテッド
9,945
10.50
-
-
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(追加情報)」に記載されているとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続的に評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果はこれらと異なる場合があります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下の通りです。
a.製品保証引当金
当社グループは、販売した製品に係る点検・保守作業費用等の発生に備えるため、当該費用の発生額を個別に見積り、製品保証引当金を計上しております。個別に見積って計上しております発生費用は、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループで把握している作業実施の状況等を考慮し見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する製品保証引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、外部の状況等を踏まえて、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
c.減損損失
当社グループは、減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローについて、中期経営計画の前提となった数値や、経営環境などの外部要因に関する情報、当社グループが把握している、資産グループの現在の使用状況や使用計画等を考慮し見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益及び包括利益計算書関係) ※4 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(472百万円)を計上いたしました。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する減損損失の金額に重要な影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
a.資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、121,560百万円(前期比7,109百万円減)となりました。これは、主に有価証券と繰延税金資産が減少したことなどによるものであります。
負債は68,348百万円(前期比851百万円減)となりました。これは、主に退職給付に係る負債と製品保証引当金の減少によるものであります。
純資産は、53,211百万円(前期比6,258百万円減)となりました。これは、主に利益剰余金の減少によるものであります。
以上の結果、1株当たり純資産は5,165円32銭となりました。
b.連結損益及び包括利益計算書の分析
当連結会計年度の売上高は92,965百万円(前期比1.8%減)となりました。当社グループを取り巻く環境は、半導体需要の低迷にくわえ、二輪車市場も多くの地域で伸び悩み、全体としては厳しい状況が続きました。半導体市況の低迷や減価償却費の増加などにより、営業利益は1,757百万円(前期比68.8%減)、経常利益は1,598百万円(前期比73.3%減)、繰延税金資産を取崩し法人税等調整額に計上したことで親会社株主に帰属する当期純損失は4,156百万円(前期は3,876百万円の利益)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し
主力製品のひとつである半導体製品やIC製品などパワーデバイス分野において、世界経済悪化に伴う急激な需要の減少や、原材料価格の高騰、競争激化、円高の進行など、外部環境の変化に影響を受けるリスクを伴っております。また、アジアを中心とする二輪車市場においては、需要の急変、為替変動の影響など不安定要素を孕んでおります。さらに、各製品の生産拠点において、日常の安全管理および危機管理のための対策は取っておりますが、予期せぬ天変地異、災害、停電などの事態が発生した場合、その影響を完全に防止または軽減できないことがあります。
足もとでは、新型コロナウイルス感染症が世界中にまん延し、影響が深刻化するなかで、日本経済および世界経済は停滞し、経済成長の大幅な下振れが懸念されています。当社グループにおきましても、行動制限やロックダウン等の規制により海外製造拠点の一部において、一時的に操業を停止せざるを得ない状況にあるほか、サプライチェーンへも影響があらわれております。くわえて、世界経済の悪化による需要への影響も、先行きが不透明な状況です。しかしながら、長期的には自動車の電装化や、環境規制の強化などにより、モビリティ市場を中心に需要が拡大していくと見込んでおります。
これらの状況を踏まえ当社グループは、第15次中期経営計画のもと持続的成長と企業価値向上に努めてまいります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで、前連結会計年度より2,333百万円多い5,828百万円のプラスとなりました。これは、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費などによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より3,773百万円多い9,649百万円の資金を使用いたしました。これは、主に朝霞新事業所や生産設備増強、維持更新投資などによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローでは、2,335百万円の資金を使用いたしました。これは、主に長期借入金の返済や社債の償還による支出があったことなどによるものであります。これにより当社グループの有利子負債の残高は27,234百万円となり、前連結会計年度末に比べて541百万円減少いたしました。また手元資金の残高は前連結会計年度末に比べて6,167百万円減少し、26,337百万円となりましたが、必要な手元流動性は十分に確保されていると考えております。
