【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、長期化した新型コロナウイルス感染症の影響で経済活動が制限され、2009年リーマンショック以来のマイナス成長となりました。海外においては、感染再拡大への警戒感が続くなか、ワクチン接種が効果をみせ始めた国がある一方、新規感染者の増加によって規制が続く地域もあり、限定的な回復にとどまりました。
当社は第15次中期経営計画で掲げる「持続的成長に向けた製品戦略の加速」の方針に沿って事業を展開しており、車載用電子部品の規格に準拠した製品ラインナップの拡充をはじめ、環境対応車向けのDC/DCコンバータや、EV用急速充電器など、中長期的な成長に向けた製品開発の強化を進めています。なお、当社グループは市場環境の変動に左右されない収益構造を構築するために、開発・生産体制の見直しや不採算製品の整理、人員の適正化など事業構造改革を進めております。
このようななか、当連結会計年度では、売上高は80,437百万円(前期比13.5%減)、営業損失は1,080百万円(前期は1,757百万円の利益)、経常損失は1,164百万円(前期は1,598百万円の利益)、事業構造改革に関する特別損失を計上したこと等で親会社株主に帰属する当期純損失は5,561百万円(前期は4,156百万円の損失)となりました。
第15次中期経営計画最終年度である2022年3月期における経営指標に対して、2年目にあたる当連結会計年度の進捗状況は、売上高840億円の目標値に対し804億円、営業利益30億円の目標値に対し10億円の損失となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。前期比較につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
また、セグメント間の取引については相殺消去して記載しております。
(デバイス事業)
デバイス事業の売上高は29,213百万円(前期比5.7%減)、営業利益は85百万円(前期は241百万円の損失)となりました。
主力の自動車市場や家電市場は、期後半にかけて回復したものの、期初の生産調整等の影響が大きく、事業全体では減収となりました。損益面においては、減収の影響はあったものの、経費圧縮や原価低減活動など減収影響の挽回に努め、黒字を確保しました。
(電装事業)
電装事業の売上高は41,630百万円(前期比19.4%減)、営業利益は2,195百万円(前期比63.5%減)となりました。
二輪向け製品は、インドはロックダウンによる操業停止の危機的状況から急回復し、持ち直した一方、主力のインドネシアでは経済活動の制限が続くなど、回復に勢いがみられませんでした。四輪向け製品は期後半にかけて回復したものの全体では低調に推移し、事業全体で減収となりました。損益面においては、減収の影響が大きく減益となりました。
(エネルギーシステム事業)
エネルギーシステム事業の売上高は8,763百万円(前期比6.8%減)、営業利益は603百万円(前期は141百万円の損失)となりました。
通信向け製品は、5Gインフラの導入などが進んだことを受け堅調に推移した一方、その他の製品が減少したことにより、全体としては減収となりました。損益面においては、通信向けが堅調だったことや、不採算製品の整理などの効果で、黒字転換いたしました。
(その他)
その他の売上高は829百万円(前期比11.0%減)、営業利益は23百万円(前期比13.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローで3,618百万円減少、投資活動によるキャッシュ・フローで5,675百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローで9,936百万円増加した結果、前連結会計年度末に比べ資金は308百万円増加し、当連結会計年度末は26,646百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,618百万円のマイナス(前期は5,828百万円のプラス)となりました。これは、主に税金等調整前当期純損失が5,076百万円となったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,675百万円のマイナス(前期は9,649百万円のマイナス)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が6,197百万円となったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、9,936百万円のプラス(前期は2,335百万円のマイナス)となりました。これは、主に長期借入金の約定弁済が4,525百万円、社債の償還による支出が1,475百万円発生しましたが、長期借入金15,000百万円の資金調達を実施したなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
デバイス事業(百万円)
28,812
△4.2
電装事業(百万円)
41,475
△20.2
エネルギーシステム事業(百万円)
9,061
0.1
報告セグメント計(百万円)
79,350
△12.9
その他(百万円)
-
-
合計(百万円)
79,350
△12.9
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
デバイス事業
30,502
△1.0
5,645
29.4
電装事業
41,909
△19.0
2,481
12.7
エネルギーシステム事業
8,699
△9.2
1,048
△5.7
報告セグメント計
81,111
△12.0
9,175
19.5
その他
858
△4.1
185
18.4
合計
81,969
△11.9
9,361
19.5
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
デバイス事業(百万円)
29,213
△5.7
電装事業(百万円)
41,630
△19.4
エネルギーシステム事業(百万円)
8,763
△6.8
報告セグメント計(百万円)
79,607
△13.5
その他(百万円)
829
△11.0
合計(百万円)
80,437
△13.5
(注)1.セグメント間の取引については含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
ピー・ティ・アストラホンダモーター
12,307
13.24
-
-
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続的に評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
a.資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、127,806百万円(前期比6,246百万円増)となりました。これは、主に有形固定資産と投資有価証券が増加にしたことによるものであります。
負債は78,393百万円(前期比10,045百万円増)となりました。これは、主に長期借入金の増加によるものであります。
純資産は、49,413百万円(前期比3,798百万円減)となりました。これは、主に利益剰余金の減少によるものであります。
以上の結果、1株当たり純資産は4,794円83銭となりました。
b.連結損益及び包括利益計算書の分析
当連結会計年度の売上高は80,437百万円(前期比13.5%減)となりました。当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限に伴い、国内においては2009年リーマンショック以来のマイナス成長となり、海外においても限定的な回復にとどまりました。このようななか、特に上期における海外市場の低迷などにより、営業損失は1,080百万円(前期は1,757百万円の利益)、経常損失は1,164百万円(前期は1,598百万円の利益)、事業構造改革に関する特別損失を計上したこと等で親会社株主に帰属する当期純損失は5,561百万円(前期は4,156百万円の損失)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、日本経済および世界経済は予断を許さない状況が続くとみています。当社グループにおきましても、行動制限やロックダウン等の規制により、一時的に操業を停止せざるを得ない状況が起こり得るほか、サプライチェーンへの影響も懸念されます。パワーデバイス分野においては、世界経済悪化に伴う急激な需要の減少や、原材料価格の高騰、競争激化、円高の進行など、外部環境の変化に影響を受けるリスクを伴っております。また、アジアを中心とする二輪車市場においては、需要の急変、為替変動の影響など不安定要素をはらんでおります。さらに、各製品の生産拠点において、日常の安全衛生管理および危機管理のための対策は取っておりますが、予期せぬ天変地異、災害、停電などの事態が発生した場合、その影響を完全に防止または軽減できないことがあります。
しかしながら、長期的には自動車の電子化・電装化が加速し、モビリティ市場を中心に需要が拡大していくと見込んでおり、これらの状況を踏まえ当社グループは、第15次中期経営計画のもと持続的成長と企業価値向上に努めてまいります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで、前連結会計年度より9,446百万円少なく3,618百万円のマイナスとなりました。これは、主に税金等調整前当期純損失が5,076百万円となったことなどによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より3,973百万円少ない5,675百万円の資金を使用いたしました。これは、主に朝霞事業所の建設や生産設備増強、維持更新投資などによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より12,271百万円多い9,936百万円の資金を得ております。これは、朝霞事業所の建設資金、長期借入金の約定弁済、社債の償還などのために、新たに長期借入金および社債発行による資金調達を実施したことによるものであります。これにより当社グループの有利子負債の残高は38,554百万円となり、前連結会計年度末に比べて11,319百万円増加いたしました。また手元資金の残高は前連結会計年度末に比べて308百万円増加し、26,646百万円となりましたので、必要な手元流動性は十分に確保されていると考えております。
