【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における日本経済は、国内需要を中心に穏やかな回復基調が続きました。
情報サービス産業においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)領域を中心に企業の投資意欲は強い状況が続いております。日銀短観の6月調査では全産業(金融業を含む)の今期ソフトウェア投資計画は前期比増加が見込まれています。
国内景気の先行きは穏やかな回復が期待される一方で、金融引き締め等による海外景気の下振れが国内需要を下押しするリスクがあるほか、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があり、企業の今後の投資意欲に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境下、当社グループにおいては、「Vision2030注1」の実現に向けて、「経営方針(2021-2023)注2」に基づく取り組みを推進しています。基本方針としては、お客様の持続的成長に貢献する顧客DXの推進「For Customer」と、各業種・業界のお客様、パートナーと共に社会課題解決を進める社会DXの推進「For Society」を定めています。さらに、価値創出力を強化するための「風土改革」を推進しています。
当社グループは、幅広い業種・業界でのシステム開発やソリューション提供によって得た知見のほか、ビジネス構想力とエンジニアリング力を有しています。さらに、幅広い業種・業界のお客様との信頼関係やパートナーとの関係性を強みとしています。これらの強みを活かし、「For Customer」と「For Society」の2つの視点を通じて、お客様、パートナーと共に社会課題解決に取り組み、経済的価値に加え、社会的価値の創出を目指しています。
「For Customer」および「For Society」の主な取り組みとして、2023年5月に、AIを活用して電気自動車(以下、EV)の最適な充放電計画を作成し、遠隔で自動制御を行う「EV充放電サービス」の提供を開始しました。脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として、自治体や企業の公用車や営業車などをEVシフトする動きが加速する中で、電力コストや運用管理などの課題が顕在化しています。電力業界でのシステム構築ノウハウとカーシェアリング等でのサービス提供で培った豊富なノウハウを適用して、社会課題解決に向けたサービスを提供しています。
また、当四半期での取り組みの一つとして、グローバル体制の強化を図っております。
2023年4月に、シンガポールでERPソリューションを提供するAFON ITを連結子会社化しました。シンガポールでSAPコンサルティングサービスを提供するAxxisグループ、タイでERPソリューションを提供するNexusとともに、当社グループの東南アジア地域におけるERPサービス体制をさらに拡大・強化し、お客様の海外進出・事業展開や現地企業のDXを支援してまいります。
「経営方針(2021-2023)」では、社会の期待や要請に対する対応力を高めていくことで、ステークホルダーの皆様から信頼され、期待され続ける企業グループになることを目指しています。社会課題解決の実現に向けては、推進していく社員自らが「こうしたい」という強い思いを育むことが必要です。社員がイニシアティブをとって社会に働きかけ、社会課題を解決したいと願う人や、その解決手段を持つさまざまなステークホルダーを巻き込み、解決に向けてチャレンジしていけるよう、当社グループでは、さらなる風土改革を推進してまいります。
その一環として、2023年4月に、グループ人財戦略の立案・推進を行う組織として、人的資本マネジメント部を新設いたしました。
2023年度は「経営方針(2021-2023)」の最終年度となり、これらの取り組みを、より一層加速してまいります。
(注)
1.Vision2030については、当社ウェブページの以下ご参照。
www.biprogy.com/com/management_policy.html
2.経営方針(2021-2023)については、当社ウェブページの以下ご参照。
www.biprogy.com/com/management_policy.html#h2anchor2
3.記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
売上収益・利益の状況
当第1四半期連結累計期間の売上収益は、システムサービス及びアウトソーシングを中心に堅調に推移した結果、前年同期に比べ93億36百万円増収の798億54百万円(前年同期比13.2%増)となりました。
利益面につきましては、システムサービス及びハードウェア販売の増収などにより売上総利益が増益となったことから、人件費を中心とした販売費及び一般管理費の増加分を吸収し、営業利益は前年同期に比べ10億51百万円増益の58億29百万円(前年同期比22.0%増)となりました。また、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、ファンド投資に係る評価益の減少等により金融収益が減少したことから、前年同期に比べ4億46百万円増益の43億65百万円(前年同期比11.4%増)となりました。
なお、当社グループが業績管理指標として採用している調整後営業利益※につきましては、前年同期に比べ10億2百万円増益の57億67百万円(前年同期比21.1%増)となりました。
※調整後営業利益は、売上収益から売上原価と販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
財政状態
当第1四半期連結会計期間末の総資産につきましては、営業債権の減少等により、前連結会計年度末比113億44百万円減少の2,690億52百万円となりました。
負債につきましては営業債務の減少等により、前連結会計年度末比142億16百万円減少の1,245億82百万円となりました。
資本につきましては、1,444億70百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は53.0%と前連結会計年度末比3.1ポイント上昇いたしました。
資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要は、営業活動に関する資金需要として、システムサービスおよびサポートサービスなどの外注費、販売用のコンピュータおよびソフトウェアの仕入の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものがあります。営業費用の主なものは人件費および営業支援費、新規サービスの開発等に向けた研究開発費です。また投資活動に関する資金需要として、新たなビジネス創出に向けた、事業会社、スタートアップ、ファンドへの戦略投資、既存ビジネス遂行のための設備投資などがあります。経営方針(2021-2023)においては、投資を重要な施策と位置づけており、先端テクノロジー活用とイノベーションの持続的な創出を目指しつつ、戦略投資を加速させていく計画です。
必要な資金については、既存のICT領域や今後成長が見込まれるサービス型ビジネスから創出されるキャッシュ・フローおよび手許資金等でまかなうことを基本としており、当年度においても、この方針に変更はありません。
また、機動的な資金調達と安定性の確保を狙いとし、従来より、主要取引金融機関と総額105億円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。なお、当第1四半期連結累計期間において当該契約に基づく借入実行はありません。
株主還元については業績連動による配分を基本として、キャッシュ・フローの状況や成長に向けた投資とのバランス、経営環境などを総合的に考慮して利益還元方針を定めており、経営方針(2021-2023)においては連結配当性向40%を目処とする利益還元方針を定めております。
キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比61億86百万円増加の498億31百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金につきましては、税引前四半期利益64億34百万円に加え、非現金支出項目である減価償却費及び償却費43億59百万円、営業債権及びその他の債権の減少265億98百万円等の収入加算要素および、営業債務及びその他の債務の減少88億30百万円等の収入減算要素により、145億65百万円の収入(前年同期比16億67百万円収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金につきましては、主に営業用コンピュータ等の有形固定資産の取得による支出5億37百万円、アウトソーシング用ソフトウェアに対する投資を中心とした無形資産の取得による支出27億81百万円、投資有価証券の売却による収入28億88百万円等により、21億25百万円の支出(前年同期比21億64百万円支出減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金につきましては、リース負債の返済による支出21億92百万円及び配当金の支払額39億67百万円等により、62億69百万円の支出(前年同期比11億49百万円支出減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
システムサービス
システムサービスは、ソフトウェアの請負開発業務、SEサービス、コンサルティング等からなり、売上収益は280億86百万円(前年同期比14.9%増)、セグメント利益は96億90百万円(前年同期比13.8%増)となりました。金融機関や製造業、小売業等、様々なお客様におけるデジタルトランスフォーメーション案件が活況となり、増収増益となりました。また、受注高につきましても、デジタルトランスフォーメーション関連案件に対する需要が堅調に推移し、前年同期比で増加しております。システムサービスを通じて獲得した知財を活用した新しい開発アーキテクチャを推進しており、将来のプラットフォームサービスを創出していくことにより、付加価値の高いアウトソーシングサービスへと繋げてまいります。
サポートサービス
サポートサービスは、ソフトウェア・ハードウェアの保守サービス、導入支援等からなり、売上収益は127億18百万円(前年同期比3.2%増)、セグメント利益は38億72百万円(前年同期比0.5%減)と増収減益となりました。引き続き収益性の維持・改善に取り組んでまいります。
アウトソーシング
アウトソーシングは、情報システムの運用受託やサービス型ビジネス等からなり、売上収益は186億16百万円(前年同期比18.7%増)、セグメント利益は40億24百万円(前年同期比3.2%減)となりました。リモートワーク関連などの他社クラウドサービスの売上拡大や、サービス型ビジネス等により増収となったものの、地域金融機関向けプラットフォームサービスに係る機能強化のためのコスト費消により、セグメント利益は減益となりました。リモートワーク関連を中心とした他社クラウドサービスの提供から、自社サービスを組み合わせたマネージドサービスへとつなげる取り組みを強化しており、さらなる売上拡大と収益性の向上に取り組んでまいります。引き続き、お客様のデジタルトランスフォーメーションを推進するサービスの提供や、社会課題の解決に貢献する様々なサービス型ビジネスの拡大に取り組むことで、一層の事業拡大を目指してまいります。
ソフトウェア
ソフトウェアは、ソフトウェアの使用許諾契約によるソフトウェアの提供等からなり、売上収益は77億96百万円(前年同期比3.3%減)、セグメント利益は4億22百万円(前年同期比210.4%増)となりました。前年同期に比べ収益性の低い他社製ソフトウェア案件が減少したことから、減収増益となりました。
ハードウェア
ハードウェアは、機器の売買契約、賃貸借契約によるハードウェアの提供等からなり、売上収益は100億76百万円(前年同期比32.1%増)、セグメント利益は18億6百万円(前年同期比86.6%増)となりました。サーバー案件等、中小型案件が増加したことや前年同期に比べ採算性の低い案件が減少した影響等により、増収増益となりました。
その他
その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、回線サービスおよび設備工事等を含み、売上収益は25億58百万円(前年同期比8.3%増)、セグメント利益は5億85百万円(前年同期比4.1%増)となりました。
(注)セグメント利益は当社グループが業績管理指標として採用している調整後営業利益と調整を行っており、上記の全てのセグメント利益合計204億2百万円から、各報告セグメントに配賦していない販売費及び一般管理費を含む調整額146億34百万円を差し引いた57億67百万円が調整後営業利益となります。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、10億45百万円です。
また、当第1四半期連結累計期間において、主なサービス・商品等の開発として、新たに以下を開始しました。
① 当連結会計年度に開発が完了し、商品リリース、サービス開始した開発案件
・AIを活用して電気自動車(以下、EV)の最適な充放電計画を作成し、遠隔で自動制御を行う「EV充放電サービス」の提供を開始。脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として、自治体や企業の公用車や営業車などをEVシフトする動きが加速する中、電力コストや運用管理などの課題が顕在化している。「EV充放電サービス」は、AIによる最適な充放電計画を作成し、需要家(EVユーザー)が所有するEVを“動く蓄電池”のようにエネルギーリソースとして用いることができ、放電による電気料金削減(ピークカット)や災害時のBCP対策などにEVを活用させることが可能になる。
② 次年度以降の商品リリース、サービス開始に向けた開発案件
・web3.0関連技術を用いた地域の事業者と生活者(ファン)による新商品・新サービス共創を実現する「共創型コミュニティー」の実証実験を開始。参加する事業者の新商品・新サービスにおいて、コミュニティーに参加する生活者のニーズを取り入れた企画・開発や効果的なマーケティング施策を生活者(ファン)とともに行うことで、事業者が抱える人的リソースやノウハウ不足といった課題解決を目指す。NFT(非代替性トークン)を流通させ、DAO(分散型自律組織)の概念を活用することで、居住する地域・場所などの物理的制限を超えた活動を支援する。
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